紫苑ステークス2025の概要
開催日
2025年9月7日(日)
グレード
GⅡ・3歳牝馬
コース
中山芝2000m
概要と歴史
秋華賞の前哨戦にあたる3歳牝馬の重賞競走。3着までに秋華賞への優先出走権が付与される。
以前から同名のオープン特別が秋華賞トライアルとして施行されていたが、重賞に昇格したのは2016年。回次もこの時が第1回となる。その第1回の2着馬ヴィブロスが秋華賞を勝ち、翌年も1着ディアドラが秋華賞を制した。2022年スタニングローズも秋華賞V。ワンターン1800mのローズSより本番に直結しやすい。2023年からGⅡに昇格した。昨年はクリスマスパレードが1:56.6の衝撃的なレコードで優勝した。
紫苑ステークス2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬15頭
エストゥペンダ
キューティリップ
ケリフレッドアスク
サタデーサンライズ
サヴォンリンナ
ジョスラン
セイキュート
ダノンフェアレディ
テリオスララ
ドマーネ
マイスターヴェルク
マリアイリダータ
ラブリージャブリー
リンクスティップ
ロートホルン
紫苑ステークスの基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV。2015年はオープン特別
人気と配当の傾向

人気別成績は全体的にバランスがよく、突出した傾向がない。強いて言えば5~6番人気がやや優勢。単勝オッズで言うと15倍未満【10-8-7-36】複勝率41.0%、複回85%に対し、15倍以上【0-2-3-97】同4.9%、複回26%なので、総じて堅めのレースではある。
平均馬連配当は2946円。最高馬連配当は1万3320円(20年マルターズディオサ→パラスアテナ)、最低馬連配当は680円(18年ノームコア→マウレア)。
枠順と脚質の傾向

枠順では5~8枠の馬が10年のうち9勝を占めており、比較的はっきりとして外枠有利。ただこの点は正直扱いが難しい。というのも、秋中山の開幕週はいわゆる「エアレーション効果」で外差しがよく届く年と、昨年のように超高速で普通にイン優勢な年でハッキリ分かれる。身もふたもないが土曜の馬場を見て考えた方がずっと有意義だと思う。

4角通過順別では5番手以内が7勝。決定的な偏りとはいえない。こちらも先ほどと同様で「とにかく超高速イン前」の年なのか、「開幕週だけど外差しが届く」年なのかをチェックしたい。
前走について
前走条件戦組はざっくり紹介すると、未勝利【0-0-0-7】、1勝クラス【2-1-3-57】複勝率9.5%、2勝クラス【1-2-1-17】複勝率19.0%、3勝クラス【0-0-0-2】。どれも大してよくないが、「北海道の芝2勝クラスで連対した馬」だけは【1-2-1-1】と上々の成績だった。
前走OP・リステッド組も【0-0-0-7】と不振。ということで、基本的には重賞組を中心に考えたい。
その前走重賞組は【6-7-6-39】複勝率32.8%。レース別の内訳を見るとやはりオークス【4-6-4-22】複勝率38.9%が中心で、10着以下馬【2-2-2-13】も走る。結果はともかく「オークス出走まで辿り着いた」という実績を評価したい。先に述べたオッズのデータを組み合わせて「前走オークス」かつ「単勝オッズ15倍未満」なら【4-6-3-10】複勝率56.5%、複回収率116%だった。
紫苑ステークス2025の参考レース
参考レース① オークス
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:ミドル
→懸念した雨の影響は限定的で、直前のフリーウェイSでは外2→イン3→逃げの決着が見られるほど。内外のバイアスはなかった。エリカエクスプレスがガッチリ抑えて逃げたが、それでも1000m通過は60.0秒。過度のハイペースではないが、距離不安を抱える馬多数&直線が長いオークスらしく、差し有利の決着だったと評価する。
5着リンクスティップ【仕掛け早いが】
ゲートを決めて前半はじっくり折り合い専念。先頭から1秒ちょっと離れた位置での追走になった。向正面12.9-12.9と続いた3コーナー付近で鞍上が追って8番手まで進出。直線もひと脚は使ったが、カムニャックにあっさりかわされ、最後は鈍って前で粘る馬たちと脚色が一緒になった。溜めに溜めたタガノアビーが3着に台頭した流れを考えても、結果的にもっと待った方が着順はよかったと思う。なおレース後に骨折が判明した。
8着ケリフレッドアスク【先行勢の中では粘る】
17番枠から積極的に2番手追走。直線半ばで上位争いからは脱落したが、そのあとも大バテはせず粘っていた。道中7番手以内にいた馬のなかではアルマヴェローチェに次ぐ着順であり、悪い負け方ではない。
17着サヴォンリンナ【大敗】
引っかかり気味に先行し、4角で既に余力がなく、勝ち馬から2.4秒差の大敗を喫した。今年は忘れな草賞の数字も低調だったのでシンプルに力負けだろう。距離も長い。
参考レース② フローラS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや内有利
展開:ややスロー
→ロートホルンが逃げ、向正面でエストゥペンダのマクりもあったが、前後半は59.9-58.7秒でやや後傾。道中やや緩みもあってのレース上がり3F34.2秒なのでラップ的にはそこまで後ろ有利の感はない。結果として差し勢が台頭してはいるが、タテの有利不利は限定的、内を通った馬がやや有利なレースだったと評価する。
4着エストゥペンダ【枠順厳しく】
大外枠で序盤ハギノピアチェーレに内から張られる場面もあり、初角は内から6~7頭目を回されて距離ロス大。折り合いにも苦労し、向正面で動いてハナに。直線半ばまで粘っていたが、最後はさすがに力尽きた。今回は枠順がかわいそうだったし、距離もやや長かったか。1600~1800mがよさそう。
6着ロートホルン【1800mまで】
1枠2番の絶好枠からジワリとハナへ。折り合いが危ういところにハギノピアチェーレ、次いでエストゥペンダが絡んでくる嫌な展開だったが、暴走せずに2番手で直線へ向いた。ただ、エストゥペンダをかわせず、ラスト100mくらいは失速。2000mはギリギリアウトっぽく、マイルか1800mがよさそう。
18着マイスターヴェルク【外々回り】
7枠14番の枠順がそもそも厳しかったのもあるが、中団追走から終始枠なりに馬群の一番外を回らされ、あまり競馬になっていない。18着は負けすぎの感もあるが、おおむね参考外。