【宝塚記念】高速馬場ならロードデルレイにGⅠ獲りチャンス 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

宝塚記念2025 上位人気想定馬の評価

ベラジオオペラ

能力評価:★★★★★

得意条件:オールラウンダー
苦手条件:夏

《寸評》
距離は1800~2500m、高速馬場も道悪も、ハイペースもスローペースもこなす。レベルの高い合格点を超える走りをオールウェイズ出してくれる。操縦性が非常に高く、横山和生騎手に「僕のやりたいプランを叶えてくれる馬」と言わしめる。何でもできる分、東京のようなシンプル能力勝負の舞台より、立ち回りの上手さがモノを言う条件の方が相対的に有利。大阪杯連覇がこの馬のキャラを象徴している。

唯一の弱点は「暑さ」。3歳秋は神戸新聞杯の予定が夏負け回避→12月復帰となったし、昨年も天皇賞(秋)時に「夏負けが尾を引いた」というコメントがあった。その点で6月は絶好の時期といえないが、今年から宝塚記念の日程が2週前倒しになったのは僥倖である。

有馬記念は「スロー先行で残れなかった」と思われがちだが、残り1000mから11.3-11.4と踏む早仕掛けでむしろ先行勢には厳しかった。当時逃げて3着だったダノンデサイルがドバイSCを勝ったことで「有馬記念先行組」の価値は証明された。一方、大阪杯のレコードVに関してはやや内有利&高速馬場の阪神芝2000mで内枠を引き、イン3から最高の立ち回り。上手く行きすぎた感はある。

今回もいつも通り高い水準でまとめてくるとは思うが、なにもかも絶好だった前走との比較では強調点が減る。ただ、他の人気馬に道悪イマイチ(あるいは未経験)の馬が多く、馬場が渋れば相対的に浮上する。

レガレイラ

能力評価:★★★★★

得意条件:上がりかかるコース、2200~2500m
苦手条件:ゲート△

《寸評》
2歳時にはシンエンペラーを破ってホープフルSを制覇。3歳シーズンは皐月賞が上がり最速届かず、ダービー上がり最速届かず、ローズS上がり最速届かず、エリザベス女王杯直線不利と踏んだり蹴ったりだったが、最後の最後に有馬記念でようやく結果が出た。

その有馬記念もゲートは半歩出負け気味だったが、スローペースと周囲の兼ね合いもあって5~6番手につけられた。向正面で先団が早めにペースを上げてくれ、その分直線で鈍ったダノンとベラジオを一列後ろから捕まえるだけ。今までの不運が揺り戻すように全てが完璧に運んだ。レース単体としては展開に恵まれた側だが、それでもダノンデサイルやベラジオオペラら超ハイレベルなメンバーを破った点で価値は高い。

冬の中山でGⅠを2勝したように、上がりがかかるレースの中で相対的に伸びる脚を持っており、阪神芝2200mのコース形態とメイショウタバルがいるメンバー構成には好印象。追い切りには骨折の影響も感じさせない。ただし、本格的な道悪は未経験。あまり馬場が渋ってよさそうなタイプには見えず、そこは不安点か。

ロードデルレイ

能力評価:★★★★★

得意条件:高速馬場
苦手条件:道悪は?

《寸評》
デビューから馬券圏内を外したのは神戸新聞杯だけ(それも0.1秒差4着)で、2200m以下では【6-3-0-0】という素晴らしい戦績。アンドロメダSと中日新聞杯ではデシエルトに屈したが、日経新春杯は展開がハマったとはいえショウナンラプンタ相手に3馬身差完勝。勝ち時計2:09.8も速かった。

大阪杯はやや内有利の馬場で7枠13番から外々を回される競馬。バイアス不利を跳ね返して2着は確保した。強い。進路取りの差を加味すればベラジオオペラとも能力的に遜色ないか、むしろそれ以上の内容だった。

ただしこれまでの良績は高速馬場に偏っており、道悪でどんな走りができるか未知数。母は重馬場で勝利歴があり、2頭の兄がダートで勝っていることから、悪路も全くダメではないだろうが……。時計が出る馬場なら厚く評価したい。

アーバンシック

能力評価:★★★★

得意条件:消耗戦
苦手条件:コーナー加速△

《寸評》
昨秋のセントライト記念は内有利馬場で終始内ラチ沿いを通っての勝利。菊花賞は逆にやや外有利の馬場で外枠を引き、他の人気馬が内でゴチャゴチャするのを尻目に突き抜けた。この2戦は展開と馬場の恩恵があった。

有馬記念はゲートが開く前に突進して出遅れ。内から挽回して一応中団には付けたが、外には出せない形。下がってきたスターズオンアースをパスして、4角~直線もやや不利な内目をジワジワ伸びて6着。上手く立ち回れなかった。ただし自分の内からジャスティンパレスにも差されてはいる。古馬一線級との対戦で天井が見えた部分もある。

日経賞は道悪で後方勢がなかなか差せない馬場。クビ+クビ差の3着なら悲観する負け方ではないが、相手関係を思えばやはり高い評価ともいかない。

能力比較の部分で有馬記念や大阪杯の上位陣と比べて一枚劣るという見立て。また、右回りだとコーナーで瞬時に加速できないウィークポイントを抱えており、阪神内回りのコース形態もよくはない。あまり食指が動かない。

ドゥレッツァ

能力評価:★★★★

得意条件:スローの上がり勝負

《寸評》
昨年は天皇賞(春)で15着大敗したが、熱中症の症状&骨折判明で参考外。インターナショナルSも欧州遠征で参考外というほかない。直近2走を手掛かりにするしかない。

その2戦だが、ジャパンCは1000m通過62.2秒からレース上がり33.4秒。GⅠとしては極度のスローペースだった。ドウデュースが能力で無理やり差してきただけで展開としては前残り。逃げ粘っての2着同着はさほど評価できない。

ドバイSCは前半1000mが65.08秒、後半1000mが57.53秒。勝ったダノンデサイルが上がり32.50秒、上がり最速カランダガンで32.28秒というような超スローペースの瞬発力勝負だった。3番手追走からの3着でこれも展開に大きく恵まれた。レベルスロマンスを捕まえた点は立派だが……。

菊花賞でタスティエーラとソールオリエンスを完封したようにGⅠ通用の能力はあるが、古馬になってからは参考にならないレース内容ばかり。展開恵まれ好走×2のあとで筋としては買いたくないタイミング。

ヨーホーレイク

能力評価:★★★★

得意条件:内回り系の持続力勝負
苦手条件:東京などの瞬発力勝負

《寸評》
屈腱炎による2年以上の休養を挟んで昨年3月に戦線復帰。初戦の金鯱賞は1000m通過58.4秒のハイペースを先行し、いきなりプログノーシス、ドゥレッツァの3着に入る強い内容だった。その後、鳴尾記念や京都記念を勝った一方、新潟大賞典はGⅢ級の面々に敗れ、毎日王冠でも7着止まり。使える上がりがせいぜい33秒台中盤までで、瞬発力勝負になるとモロい。そういう意味で阪神内回りはフィットする。

大阪杯はスタートで半歩遅れて後方から。岩田望来騎手が一目散に内ラチ沿いまで潜り、その後も終始インを離さず乗ってきた。出負けした中では最高に近い騎乗。トラックバイアスを味方に3着までギリギリ間に合った。

着差0.3秒の勝ち馬ベラジオオペラ、外を回して2着だったロードデルレイに比べると能力的にはひとつ下の評価が妥当か。有力馬の一角ではあるが、上手くいった後の一戦で妙味は微妙。道悪はOK。

タイトルとURLをコピーしました