オークス(優駿牝馬)
ステレンボッシュ
能力評価:★★★★★
得意条件:叩き良化型?
臨戦過程:直行で臨んだ桜花賞から中5週。順調
《寸評》
札幌芝1800mでの新馬勝ちは数字と相手こそ目立たないが、初角で逸走した馬のアオりを大きく受けており、それでも勝った点は素晴らしい。2戦目サフラン賞2着の内容がイマイチだったが、その後パフォーマンスを上げて阪神JF2着。使ってよくなるタイプか。
桜花賞は序盤少し追っつけながらのレースで中団を確保。4角では内からアスコリピチェーノを押し出すと、あとは伸びるだけ。勝ち時計1:32.2も非常に優秀だった。直線外伸びのトラックバイアスに順行した面はあるが、それは他の上位勢も同じこと。別に嫌う理由にはならない。レースぶり的にも血統的にも距離が延びることに不安はなく、仮説通りなら叩いての前進も期待できる。死角は乗り替わりくらいか。
スウィープフィート
能力評価:★★★
得意条件:直線長いコース
臨戦過程:桜花賞組だが、2歳8月のデビューから大きな休みなく使われて8戦目。短期放牧明けとはいえ、他に比べてややタイトなローテ
《寸評》
出遅れ癖のある大箱向きの追い込み馬。白菊賞でドスローを差し損ね、阪神JFは出遅れから延々外を上がっていく競馬、エルフィンSは伸びない内を突いての2着。永島騎手には申し訳ないが、正直どれもよくない騎乗だった。
乗り替わったここ2戦は1着、4着と上昇気流。ただ、チューリップ賞はメンバーレベルがさほど高くなかったし、桜花賞は後方でじっとして直線は有利な大外という戦法がハマった上での4着。父スワーヴリチャード、母母スイープトウショウの血統的に距離が延びるのはプラスだろうが、ステレンボッシュを逆転するのは難しいか。
ライトバック
能力評価:★★★★
得意条件:マイルのハイペース
苦手条件:折り合い怪しく、距離延長は?
臨戦過程:エルフィンS→桜花賞と歩んで中5週。1週前追いで大先着
《寸評》
新馬戦は1800m戦で上がり32.8秒の脚を使って差し切り。桜花賞は上がり最速32.8秒で3着。脚が溜まれば素晴らしい伸びを見せる。ただレース単体の評価としてはスウィープフィートと同程度で、ステレンボッシュを逆転するまでは難しいと見る。
また、アルテミスSとエルフィンSでは序盤引っかかった。2400mへの距離延長は大きな課題となる。上位人気から1頭消すならここか。
クイーンズウォーク
能力評価:★★★★★
得意条件:1800m以上は欲しい、大箱向き
苦手条件:マイルは多少忙しかった
臨戦過程:クイーンC→桜花賞と歩んで中5週。こちらも特に不安なし
《寸評》
新馬戦は勝ち馬のドスロー逃げで術中にハマった2着取りこぼし。2戦目は阪神外回りとしては極めて珍しいラスト11.4-11.2の加速ラップを計時しての完勝だった。オークス向きのタイプながらクイーンCを大外一気で圧勝するなど、ポテンシャルの高さは世代でも1・2を争うレベルにある。
桜花賞はなんといっても内枠がアダとなった。終始インを回り、直線も前がやや壁になって伸びないインを突くしかなかった。見直せる。ちなみに同週阪神牝馬Sでイン突きをして6着のテンハッピーローズが次走ああなった点も書き添えておきたい。距離延長は明確なプラス材料。逆転候補筆頭。
チェルヴィニア
能力評価:★★★★★
得意条件:スローの上がり勝負?
臨戦過程:脚部不安で阪神JFを回避。5か月ぶりだった桜花賞はさすがに完調手前だったか。使った分の上積みは順当に見込める
《寸評》
新馬戦はボンドガールの強烈なパフォーマンスに屈したが、のちの重賞馬コラソンビートには差を見せて2着確保。2戦目の新潟芝1800mはレコードに0.5秒差と迫る好タイムを、自身の上がり33.0秒(≒スローペース)で出すという怪物じみた内容だった。アルテミスSも加速ラップ&好時計の勝利で、能力はGⅠ当確級と言って差し支えない。
年末の阪神JFを脚部不安で回避し、ぶっつけとなった桜花賞は18番枠。主戦のルメールもアクシデントで欠いた。これまでやってきていないタイトなペースで脚が溜まらず、初の右回りで直線は右にモタれた。全てが上手くいかなかった。臨戦過程も条件も鞍上も、今回は何もかもが好転する。当然軽視できない1頭。フタ開けたら2番人気とかになっていそうで、それだとさすがに味がない気もするが。
タガノエルピーダ
能力評価:★★★
得意条件:内回り系?
臨戦過程:チューリップ賞4着で痛恨の権利取り失敗。そこから忘れな草賞にスライド、中5週でここへ。距離経験を積み、負担の小さいレースをしたという点で桜花賞に出るよりはいい過程か
《寸評》
新馬戦は全体時計1:34.3、後半1000m57.9秒、ラスト11.0-11.0と極めて優秀な数値を叩き出した。2歳の京都芝1600m内回りでいうとラヴズオンリーユーやミッキーアイルあたりが比較対象になってくる数字。文句なしに強い。2着クランフォードも後に1勝クラスを圧勝している。朝日杯FSはハイペースを先行し、自身とジャンタルマンタル以外全て差し決着というなかを3着に残した。2歳時のパフォーマンスは非常に高い。
2歳での2戦に比べると、チューリップ賞は枠に泣いたとはいえやや物足りない4着。忘れな草賞は完勝だが、実質1勝クラスのようなメンバー構成で強調点には欠ける。これをどうとらえるかが悩ましい。
なまじ先行力があるので、オークスだとステラリアやアートハウスのように形よく前受けして甘くなるパターンに陥りやすい。内回りの中距離でセンスを生かす競馬が合う。秋華賞向き。