【大阪杯】「世代レベル」だけじゃない、タスティエーラの不安点 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

大阪杯

タスティエーラ

能力評価:★★★★

苦手条件:瞬発力勝負はやや見劣り

臨戦過程:有馬記念が前走比+18キロの出走で、それ以来の実戦。休み明けでも仕上げる陣営だが、あまり増えていると?

《寸評》
三冠で2着、1着、2着の実績は素晴らしいが、やはり現4歳牡馬の世代レベル論がつきまとう。日本ダービーは実質超スローペースを先行抜け出しで評価しづらく、菊花賞はドゥレッツァに完敗だった。ただ、有馬記念は直線で挟まれる致命的な不利から盛り返して6着。3歳馬有利のレース傾向を考えれば物足りないが、当時の1~5着馬が今回いないわけで、今回のメンバーなら威張れる実績になる。

ひとつ気になるのは、有馬記念は序盤でムーアがかなり積極的に促したにもかかわらず9番手までしか行けなかったこと。さらに500m短縮となる今回は位置取りが犠牲になる可能性が高い。元来、末脚の爆発力というより立ち回りとしぶとさで勝負するタイプなので、この序盤力の低下は中距離GⅠを戦う上で痛い。個人的には3200mの方がよかったように思う。

プラダリア

能力評価:★★★★

得意条件:2200m~2500m、道悪

臨戦過程:前哨戦の京都記念を制して中6週。しばしば泣きが入る馬だが、この中間はコメント良好

《寸評》
3歳時に重馬場の2400mで1.1秒差の圧勝。昨年も京都大賞典を重馬場で勝つなど、道悪が合う。距離も2200~2500mが理想。そもそも大阪杯というレース自体、マイラー寄りのタイプがよく来ているわけで、スピード不足の感が否めない。

さらに言うと3走前は開幕週のイン前馬場でイン3をとって完璧な競馬。2走前有馬記念は今回再戦となるタスティエーラ、ソールオリエンス、ハーパーらに水を開けられた14着、前走は得意の距離・得意の荒れ馬場で、相手関係もほぼベラジオオペラと一騎打ちだった。特に今回買いたい要素がなく見送り。

ソールオリエンス

能力評価:★★★★

得意条件:左回りの広いコース
苦手条件:右の小回り

臨戦過程:休み明けの中山記念をひと叩きしてここへ

《寸評》
京成杯は少頭数と力の違いで勝ち、皐月賞はインが死に切った馬場とハイペースに乗じて後方一気が決まった。この2戦もコーナリングはめちゃくちゃで、右回り、小回りは明らかに苦手としている。

ここ4走はいずれもレース起用に疑問符。前走中山記念は全く合わない条件かつ酷いイン前有利なところ、後方から大外ぶん回して4着。強い内容ではある。しかしこの大阪杯もまた阪神内回りで立ち回りがモノを言うレース。また「負けて強し」になりそう。

ローシャムパーク

能力評価:★★★★★

得意条件:やや東京ベターの印象も、他コースもこなす

臨戦過程:間隔を空けながら使われ、今回も香港C以来中15週

《寸評》
昨年1月の2勝クラス勝ちが既に同日中山金杯と同等以上の内容で、むらさき賞勝ちまではある意味当然。その後非常にタフな馬場だった函館記念を制し、オールカマーは相手が休み明けとはいえタイトルホルダーを撃破。アルゼンチン共和国杯勝ち、香港ヴァーズ2着のゼッフィーロも負かした。

前走の香港カップ8着はドスローを後方から行ったもの。似たような位置から0.6秒差付けられたプログノーシスとは実力差を感じる結果だが、そのプログノーシスが金鯱賞圧勝、こちらは元々末脚特化のタイプでもないわけで、さほど悲観しなくていいのでは。中団くらいで運べれば。

ベラジオオペラ

能力評価:★★★★

得意条件:不明。ここまではオールラウンダー

臨戦過程:昨秋はチャレンジCの1戦だけ。京都記念をひとつ叩いて中6週

《寸評》
デビューから2戦はスローを先行抜け出し、スプリングSは1周競馬の重馬場をクリア、ダービーでは上がり33.0秒を使ってタイム差なし4着、チャレンジCは後半6Fすべて11秒台の持続力勝負を制するなど、ここまで非常に多彩な経験をしながら安定して結果を出している。この対応力の高さは評価されていい。

前走の京都記念は序盤少し行きたがった。勝ち馬プラダリアは前記した通り距離短縮がマイナス方向で、逆にこちらはおそらく2000mがベスト。逆転する可能性は高い。上位陣では不安が最も少ない。

ステラヴェローチェ

能力評価:★★★

得意条件:芝中距離なら馬場不問

臨戦過程:屈腱炎による長期休養明けを2戦したのち、4か月空けて前走を勝利。そこから中3週

《寸評》
クラシックでエフフォーリアやシャフリヤールとしのぎを削った実力馬。4歳ドバイシーマクラシックの後に屈腱炎などあったようで1年7か月休み、昨年富士Sで復帰した。

その富士Sはそもそも距離適性外かつ、外伸び馬場のハイペースを先行しての7着。悪くない負け方だった。武蔵野Sは言うまでもないが、ダートのため参考外。前走大阪城Sは58.5キロのトップハンデを物ともせず勝利。ただ、リステッドの相手関係、内有利の馬場で内枠を引き、労せずイン3をとった以上、勝たなければいけない競馬ではあった。「勝ったから復活」と単純に言うことはできない。アタマ差はむしろ物足りないくらい。枠順とオッズ次第でヒモに入れるかどうか。

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