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【高松宮記念】得意パターンが分かれる上位人気勢 有力馬の調査レポート

高松宮記念

ナムラクレア

能力評価:★★★★★

得意条件:道悪OKの強みアリ

臨戦過程:休み明けの京都牝馬Sをひと叩きして本番へ。順調なローテ

《寸評》
1200mでは【5-1-2-1】。着外は3歳時スプリンターズSの5着だけで、この時はインが反則級に有利な馬場で外を回って追い上げ、メイケイエールが膨れたことでさらに外を走らされる不利があった。最も強い競馬をしていた。

昨年のスプリンターズSは最内枠でやや出負け。3角で外目に出そうとするも、ママコチャに進路を譲ってもらえず後手を踏んだ。とはいえラスト1F12.3の区間で前と脚色は一緒になっており、ある程度力は出し切った上での負けだった。

京都牝馬Sは叩きの一戦で+10キロ、ベストとはいえない1400m戦での2着なら始動戦としては申し分ない。ママコチャとの序列は馬場と枠順次第だろう。こちらは昨年不良馬場で2着。低速決着を苦にしないのは(後述する)他の人気馬にない強み。

トウシンマカオ

能力評価:★★★★★

得意条件:軽い馬場のキレ味勝負
苦手条件:道悪、消耗戦

臨戦過程:こちらも休み明けのオーシャンSを叩いて本番。中2週は初めてだが、昨年京阪杯で中3週はクリアしている

《寸評》
あまりにも枠運の悪い馬だが、それでも重賞3勝。一昨年京阪杯は上がり33.0秒で差し切り、昨年は32.7秒で差し切った。そもそもスプリンターズSも熱発がなければ上位人気に推されていたであろう馬。GⅢの相手なら格が違う。前走オーシャンSも不利な15番枠から難なく勝利した。

ただし不良馬場だった昨年は見せ場なく15着に敗れたほか、昨夏洋芝での2戦は3着、3着と勝ち切れていない。新馬戦を除く5勝いずれも自身の上がり34.2秒以下というように、軽い切れ味特化のタイプではある。中京の道悪なら適性とズレるか。

ママコチャ

能力評価:★★★★★

得意条件:距離短縮時は【3-1-0-0】
苦手条件:道悪は?

臨戦過程:阪神C以来の実戦。1400mのハイペースを先行してからの短縮ローテ

《寸評》
3歳時はマイルでも勝っていたが、古馬になって行きたがる面が強くなり、距離を縮めたのが奏功した。安土城Sは1:19.0、ラスト10.8-11.0の強烈な数字を残して圧勝し、北九州記念は1着と3着がインベタの競馬で外々を回って2着を確保した。強い走りだった。

スプリンターズSも馬場的には内有利で、3~4角で内から4車線目を回っての勝利は着差以上の価値がある。阪神Cはテン33.1秒のハイペースを外枠先行しての0.2秒差5着。これもかなり強い内容といっていい。

得意の短縮ローテで臨むこと、鞍上も含め信頼度は高いと思うが、強いて言えば道悪になったときに一抹の不安あり。前記の安土城Sなど高速決着にはめっぽう強いタイプで、逆にスピードが削がれる馬場だとどうか。

ルガル

能力評価:★★★★

得意条件:不良馬場で圧勝歴あり

臨戦過程:近年のトレンドに沿った、やや間隔の空くシルクロードSローテ。中7週で叩き2戦目。理想的

《寸評》
昨年の京阪杯は3番手以下が実質スローペースという競馬。後ろから差されて2馬身差トウシンマカオとは能力差を感じた。

しかしシルクロードSは57.5キロのハンデを背負ってアグリに3馬身差付ける完勝。伸び盛りの明け4歳で、もう一度やれば逆転しても不思議ない。不良馬場の橘Sで5馬身差Vの実績もあり、週末の雨予報は大歓迎。

マッドクール

能力評価:★★★

苦手条件:3走前CBC賞は夏負け大敗。夏はダメか

臨戦過程:香港スプリント8着以来で休み明けの一戦

《寸評》
重賞未勝利馬の身で出走したスプリンターズSは内有利の馬場で内ラチ沿いまで潜り込む好騎乗があっての2着。外4を回ったママコチャとはタイム差なしだが、明確な実力差があった。

その前にさかのぼっても春雷Sで対キミワクイーンのクビ差勝ち、シルクロードSではナムラクレアより実質2.5キロ軽いハンデで敗れている。成長で差が埋まった可能性も否定しないが、戦歴からの能力評価はGⅢ~GⅡレベル。好枠を引いた時に押さえるかどうか。

ウインマーベル

能力評価:★★★

苦手条件:最近は1200mへの対応に不安

臨戦過程:阪急杯から叩き2戦目で中3週。間隔が詰まるのは歓迎

《寸評》
阪神C、阪急杯と1400mの重賞を連勝してここへ臨む。阪神CはGⅠ級の好メンバーを破ったが、他の人気馬がいずれも外枠に追いやられる中、唯一2枠4番を引いた点の利はあった。前走の阪急杯は2番人気ダノンティンパニー、3番人気アサカラキングともに3勝クラス勝ちまでしか実績がない馬で相手関係はかなり手薄。かつ内枠からトラックバイアスに沿った競馬だった。さほど評価できない。

今回最大の懸念材料となるのは1200mへの対応。3歳までは1200m【3-3-3-0】、1400m以上【1-0-0-3】の成績だったが、4歳以降は1200m【0-0-0-4】、1400m【2-1-0-1】とまるっきり逆転した。適性がシフトしたように思う。休み明けを叩いた上積みはあるだろうが、1200m替わりで積極的に手を出したいとは思えず。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。