能力評価:★★★
苦手条件:使える脚短い?
臨戦過程:秋華賞から中13週で再始動の一戦
《寸評》
2歳時は阪神JFこそ折り合いを欠いて大敗したが、コスモス賞ではドゥアイズに完勝。3歳クイーンCも好時計決着の3着、ハーパーとタイム差なしで走っており、現4歳牝馬の中では3番手集団(※)に位置する1頭である。
クイーンCは内で溜めて4角外へ一気に持ち出して追われ、勢いよく伸びてきた割に最後甘くなってしまった。続くNZTの負け方も見るに、キレる反面、使える脚があまり持続しないように映る。直線の短いコースで4角までインで溜める形が理想で、ここ2走はまさにそういう競馬をしている。それ以上のパフォーマンスがあるかと言われると懐疑的。距離延長がやや不安になる。
(※言うなればリバティアイランドを横綱、ブレイディヴェーグとマスクトディーヴァと大関と見たときの関脇級。ハーパーやドゥーラあたりと同格)。
能力評価:★★★★
得意条件:GⅡまでならなんでもOK
臨戦過程:宝塚記念を最後にGⅠに見切りをつけたか、京都大賞典から中7週、中6週で今回
《寸評》
GⅠは3度挑戦していずれも結果が出ず。ただしGⅡ以下なら【7-10-2-6】で、特に22年以降は【2-5-2-0】と全く崩れていない。鳴尾記念は反則級に内が有利だった日を外から押し上げての勝利。GⅢくらいの相手ならひとひねりという感じだった。2200m、中山など既にクリアしている条件であり、これといった不安要素もなし。最有力と見ていいだろう。
能力評価:★★
得意条件:不明
臨戦過程:アルゼンチン共和国杯から中10週
《寸評》
六社Sは2着以下の顔ぶれを見てもキングズパレス、ワープスピード、メイショウブレゲ、ボーンディスウェイなどかなりの好メンバー。重馬場での2.24.0という時計も優秀で、重賞でも通用するメドが立ったと評したい。
ただ、アルゼンチン共和国杯に関しては後半1600m11.9-11.8-12.0-11.9-12.0-11.8-11.6-11.8という非常にシビアなラップで、内で溜めれば溜めるほど有利、外から押し上げると不利なレース展開だった。ハンデ1キロ差、外から位置を上げていったマイネルウィルトスとは単なるクビ差以上の実力差がある。別定GⅡのここはわずかながら斤量面で条件悪化。やや分が悪いか。
能力評価:★★★
得意条件:持続力勝負
苦手条件:2000m近辺の良馬場だとやや忙しい?
臨戦過程:コンスタントに使い続けるマイネル式ローテで、ステイヤーズSから中6週かつ1400m短縮
《寸評》
22年函館記念のあとに屈腱炎が判明して休養したものの、復帰してからも函館記念4着、アルゼンチン共和国杯2着、ステイヤーズS3着など能力に陰りはない。前記した通りアルゼンチン共和国杯は内容的にも価値の高い競馬だった。ステイヤーズSはアイアンバローズ以外ほとんどの騎手がペースを読み違えた特殊レースで、こちらも上がり34.2秒を使っているのだから力負けではない。
しかし2000m近辺だと好位をとれるスピードはなく、逃げ馬不在の今回は展開不利を被る可能性が高い。さらに言えばタフ馬場に向くタイプでもあり、今の速い中山芝はちょっとストライクゾーンからズレる。強調しにくい。
能力評価:★★★
得意条件:不明
臨戦過程:札幌記念8着敗戦から毎日王冠を目指すも鼻出血で見送ってここへ。
《寸評》
昨年は中山金杯勝利、中山記念で好メンバー相手の2着といい滑り出しだったが、大阪杯11着、札幌記念8着と振るわず。特に札幌記念は他馬が必要以上に避けてガラ空きだったインを利用しても2.2秒差という完敗で、内容としても物足りない。状態の問題か、本来の力からすれば走れていなさすぎる。
距離が延びるのはいいと思うが、今回も頓挫明けで久々のレース。強気にはなれない。
能力評価:★★★
得意条件:冬
臨戦過程:昨年宝塚記念ののち長期休養に入って久々のレース
《寸評》
4歳暮れに開花して3連勝で重賞を勝った馬。当時はマイラーだったが、歳を重ねるにつれどんどんズブくなり、ジャパンC8着もあるように2200mは守備範囲になった。ただし新潟芝2000m重賞2勝から分かる通り、直線は長ければ長いほどいい。中山なら仕掛けを待たされない位置がほしい。
直近は鳴尾記念が詰まってノーカウント、宝塚記念は強敵相手にハイペースを先行しての敗戦。負け方は非常に香ばしい。
小田切オーナーがかつてTwitterで投稿していたのは「ツメ不安があり、ツメが伸びにくい冬場の方が走る」という話。一般的にそういうものなのかは存じ上げないが、この馬に関しては実際12~2月は【5-1-1-4】で、本格化した4歳12月以降なら【4-1-1-0】と無双状態。数少ない先行候補でもあり、オッズ妙味含め楽しみな存在になる。