Categories: 中央競馬予想

【チャンピオンズC】有力馬の調査レポート

調査レポート

チャンピオンズCの想定1~6番人気馬についてレポートを記載します。

レモンポップ

能力評価:文句なしにGⅠ級。春より強くなった可能性も

得意条件:1400m、スピード馬場
苦手条件:不明

近走内容と臨戦過程:南部杯を大差勝ちして中7週。秋2戦目でフレッシュなローテ

《寸評》
2歳時にカトレアSでタケルペガサスとマッチレースを演じ、3着以下を10馬身突き放した大器。その後1年以上の休養を挟んで実践復帰すると、3戦目あたりから再び軌道に乗り出した。

今年のフェブラリーSは有力馬がほとんどサウジ~ドバイ遠征のため不在。正直なところ「鬼の居ぬ間」という感があった。そのパフォーマンスからすると南部杯でイグナイターやタガノビューティーらを2秒千切った走りは驚愕で、春時点よりは力をつけている可能性が高い。

反面、スピード馬場の盛岡を舞台とする南部杯は過去にもヒロシゲゴールドやノボバカラなどが2着に入ったように、1400m志向の短距離馬でも対応できてしまうレース。あれを以て「もう200mくらい伸びても大丈夫でしょ」と判断するのは危険。

もうひとつの懸念は馬群に入れる競馬をほぼしてきていないこと。根岸Sを見るに「砂被りNG」というわけではなさそうだが、インで溜めてスパっと加速する形をとれるかは未知。立場も考えると外先行になるだろう。中京コースで外先行は、特にハイペースになったときかなり不利な作戦となる。そのあたりの懸念材料とオッズを照らしてどう判断するか。

セラフィックコール

能力評価:GⅠ級。脚力は全くヒケを取らない

得意条件:広いコース、外差し馬場
苦手条件:小回り、内枠?

近走内容と臨戦過程:3勝クラス、みやこSどちらも大外ぶん回しの豪快な競馬で他馬を一蹴。秋3戦目、キャリア最短の中3週。

《寸評》
出遅れから道中苦しそうに見えた八王子特別はラスト12.0-12.0のラップを差し切る強烈な内容。昇級の壁もなんのその、みやこSでも外からの不器用な追い込みで3馬身差勝利を収めた。上がりは次位より0.7秒も速く、まさに1頭だけ違う競馬。能力はGⅠでも最上位クラスにある。

その一方で、以前よりますます道中のモタつきが目立ったのも事実。大外ぶん回しのスタイルで大丈夫な競馬場やトラックバイアスが合い、そうでないと不利になるクチだろう。東京→阪神→京都と来ての中京替わりはマイナス材料に違いない。

また、これまで5戦中4戦が7~8枠、残り1戦が5枠。外枠のおかげで早めに追い始める競馬ができていた面もある。内枠を引くと極めて競馬が難しくなる。

クラウンプライド

能力評価:GⅠ好走級。派手さはないが総合力高い

得意条件:立ち回りの巧さが生きるレース
苦手条件:大箱の脚力比べ

近走内容と臨戦過程:帝王賞は馬場に沿ったイン3利用で好走。メンバー的に勝って当然のコリアCを圧勝した。遠征帰りとはいえ韓国なら近場だし、レース内容的にも3か月あればダメージは全回復しているはず。

《寸評》
3歳時にUAEダービーを制し、国内ではJBCクラシック2着、チャンピオンズC2着、帝王賞2着と惜敗が続く。いずれの2着も展開や馬場を味方につけたものではあるが、先行力があって馬群にも入れるので、理想的な作戦を遂行しやすいということ。

ワンターンのサウジCや超ハイペースのドバイWCでやや見劣ったように、スピードにしろスタミナにしろ身体能力勝負になって位置取りが意味を持たなくなると若干分が悪い。そういう意味で、日本国内なら大井や東京より中京が合うだろう。

メイショウハリオ

能力評価:GⅠ級もムラあり

得意条件:右回り、広いコース、夏?
苦手条件:左回り、冬?

近走内容と臨戦過程:春はかしわ記念と帝王賞をともに強い内容で圧勝。JBCクラシックは休み明けで先を見据えた始動だったとは思うが、それにしても伸びを欠いた。上積みはあるだろうが……?

《寸評》
帝王賞ではチュウワウィザードやオメガパフューム、テーオーケインズ、クラウンプライドといった強敵を破っている馬だが、どうも冬場の走りがもうひとつ。

昨年東京大賞典は展開が向かなかったにせよノットゥルノに先着を許し、前走JBCは休み明けとはいえ見せ場なく1.4秒差の4着。夏馬なのでは?

左回りが全くダメなわけではないが、右の大箱、つまり大井がベストなのも事実。近走よりはかなり条件悪化する。どこまで。

テーオーケインズ

能力評価:全盛期はGⅠ圧勝級。現状でもまだ通用する

得意条件:馬体重プラスor維持
苦手条件:馬体重マイナス

近走内容と臨戦過程:ドバイWCで4着に健闘して、帰国後2戦は3着、3着。叩いて2戦目の今回は久々に言い訳のない過程。

《寸評》
陣営は一貫して「広いコースがいい」と言っているが、チャンピオンズC圧勝を含む中京コース3勝。個人的にはあまり気にしていない。

それよりも状態面がパフォーマンスに直結するタイプで、厩舎or松山騎手の泣きが入るとよく飛ぶ。それがまさに昨年このレースで、今年はなかなかトーンがいい。

※たとえばこの記事とか。(サンスポさんの記事に飛びます)

これに関連してか、馬体重マイナス時は7戦未勝利という特性も持つ。JBCはマイナス12キロであり、力を出していないと見ていいだろう。

ハギノアレグリアス

能力評価:GⅡ級~GⅠ好走級

得意条件:やや持続力勝負型?

近走内容と臨戦過程:帝王賞は内有利馬場での外早め押し上げが裏目になって4着。前走は休み明けをトップハンデで快勝。叩いて2走目、中8週と順調に来た。

《寸評》
屈腱炎で1年半の休養を挟みながら、復帰初戦で敗れた後は【3-3-0-1】と素晴らしい成績で来た。いわば「どの条件でも走るので現状得意不得意が分からない」という感覚で、まだ特徴を掴み切れていない。

単純な能力比較に話を戻すと、帝王賞は上位3頭から0.8秒離された4着。勝ちに行った分を考慮してもやや実力差を感じる内容だった。

平安Sでは斤量1キロ差をもらってグロリアムンディと対戦。残り1000mから12.3-12.2と入り、ラスト12.9-13.0-13.5を要する展開になったが前を行く相手を捕まえられず。0.4秒差の完敗を喫している。GⅠだと相手がやや上手。

戦績のキレイさや血統面(中京ダ1800mはキズナ産駒が非常によく走る)から中上位人気に推されそうだが、まず実績的にチャレンジャーであることは押さえておく必要あり。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。