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セントライト記念は「とりあえずソール」に、低速上がり実績馬を添えて

セントライト記念は話が速い。

皐月賞の好走馬が出てきたらもう軸が決まるからだ。

同じ中山を舞台に行われる一冠目で3着以内に入っていた馬は【4-2-1-1】。この着外の「1」というのも直線どん詰まりだったタイトルホルダーの13着なので、進路さえあれば馬券圏内には来てくれる、と計算が立つ。

言うまでもなく、今年は皐月賞馬ソールオリエンスがいる。うん、話がとってもクイックだ。とりあえずビールならぬ、とりあえずソール。あとは何をアテに呑むかをじっくり考えよう。

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【グリーングリーン。中山ではララ、緑がもえる】

ところで、セントライト記念で上がり33秒台を出した馬は史上2頭しかいない。どちらも17年の1着ミッキースワロー、2着アルアインで、この年がかなりの異端だった。残り1200mあたり、おにぎりのテッペン付近から下り坂に入るコース形態で、どうしたってロングスパートになる。溜めて溜めてスパっと切れるような脚はあっても宝の持ち腐れだ。

この傾向に呼応して、低速上がりが得意……もとい、「低速上がりで実績があった馬」の活躍が目立っている。いとまを作って枚挙してみよう。

上の表にだいたいの解釈をつけるならこんな感じだ。

◎「上がり35秒後半以上での重賞連対歴」
▲「上がり34秒台中盤以上での重賞・OP勝ち、またはGⅠ好走」
☆「極端に上がりが遅い1勝クラス勝ち」

これを今年の登録馬に当てはめてみる。

グリューネグリーン→◎京都2歳S1着、上がり35.7
ソールオリエンス→◎皐月賞1着、上がり35.5
ドゥラエレーデ→▲ホープフルS1着、上がり35.0

あれ? 意外にも3頭しかいないぞ? しかもその内1頭は既にオーダーしたソールだ。おお、もうゴールは目前じゃないか。

グリューネグリーンは皐月賞でイン死馬場の内枠からハイペース先行、ダービーで不得手なスロー上がり勝負の憂き目。そもそもの京都2歳Sが色々恵まれていた感はあったものの、やれるとしたら中山のGⅢ~GⅡだろう。兄貴はこのコースでGⅡを2勝したヴェルデグリーン。その主戦だった田辺Jを召喚して、ゲンはとってもいい。余談だけど、馬名意味は「緑(独)+冠名」。要するにグリーン+グリーンということなんですな。

ドゥラエレーデは非常にハードルの高い3歳宝塚にチャレンジして果敢な先行から10着。1000m通過58.9秒のハイペースで後ろがゴッソリ飛んできた展開を考えれば、内容は悪くない。3歳どうしのここならあっさり勝ち切っても不思議じゃない。

強いて候補を増やしておくなら、2勝クラス阿賀野川特別を上がり35.5で2着したウインオーディンは一考の余地がある。逆にレーベンスティールやキングズレイン、シャザーンあたりの見るからにキレッキレな方々は、オッズ的な観点も踏まえて見送ってみたいかな。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。