スプリングS2025 上位人気想定馬の評価
キングスコール
能力評価:★★★★★
苦手条件:気性に課題
《寸評》
新馬戦はパドックで気の悪さを見せて放馬のアクシデント。ただ、レース自体はそこそこ常識がかっていて、2番手追走で変に引っかかることもなく折り合い、3角手前で他馬の動きに呼応して先頭に立ち、直線はノーステッキのまま後続を3馬身突き放した。
勝ち時計1:47.8はレコードで、ソダシが札幌2歳Sで樹立した旧レコードを0.4秒上回る快記録。まず、当時とは馬場の速さも相似(同日芝1200mの2勝クラスがどちらも1:08.8)。そして例の札幌2歳Sは1000m通過59.2秒からラスト11.9-12.0-13.0のハイペースだったのに対し、こちらは1000m通過61.5秒からラスト11.7-11.6-11.5と加速しながらマークした。数字の単純比較ではソダシを凌駕している。末恐ろしい。3馬身離した2着テリオスララが阪神JF3着に入り、レースレベルの高さを裏付けた。
今回は骨折休養明けで、陣営も「8分」とコメント。元々気性にも不安がある。全幅の信頼とはいかないが、重賞にしては相手が手薄なのも確か。普通に走れば好勝負になる。
ピコチャンブラック
能力評価:★★★★
苦手条件:消耗戦か多頭数?
《寸評》
新馬戦は手薄なメンバー相手のスロー逃げ切りにすぎないが、ラスト1F11.3は優秀。福島芝の2歳戦としてはコメートのきんもくせい特別以来で2例目の記録だった。アイビーSは全体時計1:45.8、ラスト11.3-11.2とラップが素晴らしく、勝ち馬マスカレードボールはその後共同通信杯も勝った。この2戦は高評価。
解せないのがホープフルSの大敗。3番手追走でスムーズに回ってきたように見えたが、4角を迎える前に脚がなくなっていた。走れていなさすぎる。考えられることとしては消耗戦が合わないか、それとも多頭数で出入りのある展開になってメンタル的に嫌気を出したか。
いずれにせよ今回は少頭数の1800mで相手も緩和され、消耗度の高い競馬にもならないだろう。能力評価でいえばキングスコールとの一騎打ちムード。力を出し切れさえすれば。
ダノンセンチュリー
能力評価:★★
得意条件:瞬発力勝負
《寸評》
新馬戦は前半3Fを36.2秒で入った後、13.4-13.6-13.6と大きく緩めて1000m通過63.2秒の単騎逃げ。その割に後ろがついてこず、ラスト11.7-11.0-11.0と踏んで逃げ切った。ラスト2Fの数字だけ見れば上々だが、開幕週の馬場と展開に大きく恵まれた勝利であり、むしろクビ差まで詰め寄られた点に不満すら感じる。勝ち時計1:50.5も同日セントポーリア賞より2.3秒遅い。
今回は重賞で相手が上がり、初の右回り1周、ハナを切れなかったときに対応できるかなど課題が多い。食指が動かない。
マテンロウバローズ
能力評価:★★★
得意条件:マイル
《寸評》
半兄にマテンロウオリオンがいる血統。父はダイワメジャーからロジャーバローズに変わったが、このロジャーバローズも現役時代の実績に反して産駒はマイル以下を主戦場としている(芝1600m以下=勝率9.2%、芝1800m以上=勝率2.5%)。レースぶりから距離延長にも対応はできると思うが、プラスの材料ではない。
新馬戦は中団追走から馬群を捌いてラスト11.8-11.4の差し切りと素質の片鱗を見せた。2戦目こぶし賞は内目を捌いてクビ差勝ち。ただし6頭立ての少頭数であったし、2着オンザムーブは次走の1勝クラスで8頭立て6着止まり。勝ち時計1:35.3も同週の未勝利戦と0.2秒しか変わらない。レースレベルはあまり強調できない。
フクノブルーレイク
能力評価:★★
得意条件:1800mベター?
《寸評》
新馬戦は1:32.8が出たファンダム新馬で7着に敗れたが、そこからは4戦連続の馬券圏内。2走前はラスト11.3-11.3、内にモタれて追いづらくなりながらも差し切った。ただ、同日葉牡丹賞で1:58.8が出る高速馬場で、勝ち時計2:02.1は特に目立つものではない。
フリージア賞は中団を手応えよく運んで直線いざ追い出したが、内にいたダノンシーマに伸び負け、ラストの50mほどは脚が上がった。折り合い面からも2000mは気持ち長く、1800mの方が弾けそうな印象はある。現状見せたパフォーマンスだとキングスコールやピコチャンブラックには及ばない。距離短縮の分でどこまで上げられるかがカギ。
ジェットマグナム
能力評価:★★
得意条件:福島・中山
《寸評》
新馬戦でリトルジャイアンツを破り、2戦目コスモス賞は心房細動を発症して参考外。3戦目芙蓉Sを勝った。メンバー中唯一のOP勝ち馬。ただし芙蓉Sの勝ち時計2:02.8は同日の未勝利戦(サトノラポール)より0.6秒遅いもので、レベルは評価できない。
ホープフルSはイン前有利の馬場と展開に恵まれて精一杯の7着。きさらぎ賞は稍重馬場の1000m通過58.7秒でやや展開が厳しかったとはいえ、2.1秒差と大きく離された。相手緩和と良績のある中山1周替わりで条件は多少好転するが……。