能力評価:★★★★
得意条件:高速馬場
苦手条件:マイルへの対応に不安
臨戦過程:ドバイ遠征を飛節の腫れ、新潟記念を筋肉痛でそれぞれ回避。11ヶ月ぶり実戦となった府中牝馬Sを勝ち、キャリア最短の中4週
《寸評》
デビューから6戦して全て連対。新馬戦で上がり32.3秒を使って差しこぼしたのを除けば、ローズSのマスクトディーヴァにしか先着されていない。
昨年エリザベス女王杯は内有利な決着に順行してのGⅠ勝ちで、内容的にそこまで強調点はなかったが、前走府中牝馬Sは毎日王冠より速い勝ち時計1:44.7、ラスト11.4-11.0の加速ラップを差し切るインパクト大の勝ち方だった。ただし先着した相手は3勝クラスを勝ったばかりのシンティレーション、レース後に故障が判明したマスクトディーヴァ、1800mは若干長いフィアスプライドという面々で、今回に比べてずいぶん軽かったのも否定できない。
そして最大の焦点は初のマイル戦となること。これまで1800m以上のレースをほぼ中団~後方で運んできた。自身が経験したレースのテン3F最速はローズSの34.4秒で、前走は35.1秒の10番手にいた。位置は取れそうにない。マイルのスペシャリストたちに混ざり、1番人気は若干見込まれた印象もある。
能力評価:★★★★★
得意条件:京都
臨戦過程:安田記念から直行で中23週。今は連戦も苦にしないが、元々は休み明けがベターだった馬。間隔が空くことにマイナスはなし
《寸評》
2歳時から非凡な末脚は見せながらも、連戦すると馬体が減り、パフォーマンスも下げるウィークポイントを抱えていた。しかし4歳秋に完全覚醒。富士Sを1:31.4の好時計で勝ち、鬼門だった中3週のマイルCSで待望のGⅠ制覇。ラスト11.5-11.2の加速ラップを叩き出した。さらに中2週で香港という、以前だったらまず無理だったはずのローテを踏み、そこでも外々を回ってゴールデンシックスティから0.4秒差の3着と大健闘した。実にたくましくなった。
春シーズンもドバイで男馬相手に小差2着。帰国初戦のVMは出遅れが響いて伸びきれなかったが、中2週の安田記念で上がり32.9秒の豪脚を繰り出し、ロマンチックウォリアーに食らいついた。強い競馬だった。
この馬自身は東京でも問題なく走るが、ハービンジャー産駒一般の傾向としては4Fスパートになる京都の方が相性はいい。脚質的に差し届かないリスクはあるが、軸としての信頼度なら一番だろう。
能力評価:★★★★★
得意条件:道悪、上がりのかかるレース
苦手条件:極度の瞬発力勝負
臨戦過程:秋始動戦の富士Sを叩いて中3週。順調
《寸評》
3歳末からマイルに転向。稍重~重馬場で3連勝してマイラーズCを制したが、その後はコンスタントに上がり33.5~33.7秒の脚を使いながら、届いたり届かなかったり。道悪やハイペースなどの理由で上がりがかかると相対的に浮上するタイプだった。
3走前マイラーズCはまさに道悪とハイペースで自分の勝ちパターンにハマったものだが、驚いたのは安田記念。中団待機から自己ベストとなる上がり33.1秒をマークし、勝ち馬から0.1秒差、ナミュールとハナ差。安田記念は3度目の出走にして初めて馬券に絡んだ。6歳にもかかわらず、前よりさらに強くなっている。富士Sは2着に敗れたが、休み明けと斤量1キロ不利を考えればジュンブロッサムとの差はないに等しい。
一般的に東京マイルよりは京都の方が全体時計も上がり3Fも遅い傾向があり、その点でソウルラッシュにとっては条件好転といえる。週末若干ながら雨予報も出ており、それも後押しとなる。今年も侮れない。
能力評価:★★★★★
得意条件:不明
臨戦過程:10月にアスコットでQE2世S(芝1600m)を勝って参戦。6日に来日して三木ホースランドパークで調整中
《寸評》
アイルランド産、イギリス調教馬。父ダークエンジェルの産駒は日本だとマッドクールやシュバルツカイザーがいる。今年に入ってから7戦5勝2着2回と勢いに乗っており、前走はドバイターフ勝ち馬ファクトゥールシュヴァルを破った。欧州トップマイラーといってよく、格としてはここでも最上位クラスだ。
日本の馬場への対応はやってみないと分からない。一応ジャックルマロワ賞を1:33.98で勝ってはいるが、前走はアスコットの重馬場、マイルで1:45.98のレースも勝った。軽い芝はこなすにせよ、プラス材料ではないだろう。
ちなみに1986年以降でJRAの芝1600m以下GⅠに出走した欧州調教馬の成績は【0-0-3-19】複回収率35%。サプレザ(2回)とドルフィンストリートの3着しかない。香港馬ロマンチックウォリアーが安田記念を勝ったのと同列には扱えない。
能力評価:★★★★★
得意条件:高速馬場のワンターン
苦手条件:道悪
臨戦過程:富士Sを使って中3週。上積みというよりはキープ程度か
《寸評》
これまで良馬場のマイル戦には8回出走して【3-2-1-2】。自身の上がりは全て33.3秒以下で、32秒台も5回マークしている。軽い馬場での末脚という意味では爆発的なものがある。
3走前の水無月Sがインパクト大の内容。高速馬場とはいえ勝ち時計1:31.5、ラスト11.6-10.9をマークした。マイル戦で「ラスト1F10秒台」かつ「勝ち時計1:32.5以下」だったレースはモーリスのダービー卿CT、アスコリピチェーノの京成杯AHとこのレースしかない。数字上はGⅠ級といって差し支えない。2走前はスローペースを大遅刻でノーカウント、前走はソウルラッシュ、セリフォスを破った。能力面はここでも足りる。
一方、道悪は3度走って4着、6着、5着と結果が出ておらず、雨は避けたい。ソウルラッシュとの序列や天気や当日の馬場を見て決めてもいいか。
能力評価:★★★★
得意条件:瞬発力勝負
苦手条件:ハイペース
臨戦過程:富士Sを使って中3週。どちらかと言えば1度使われた方が折り合いはつきやすい
《寸評》
2歳時はデビュー3連勝から朝日杯FSでドウデュースの2着。3歳で富士SとマイルCS(阪神)を連勝した。4歳安田記念までにソウルラッシュと4度対戦していずれも先着したが、逆に4歳マイルCS以降は5度対戦して全て先着された。中内田厩舎、2歳時から一線級だった馬だけに、若干のピークアウト感は否めない。
また、最近は折り合いに苦労するシーンがしばしば見られる。元々ハイペースだと若干ラスト甘くなるタイプなのに、スローペースも引っかかるとなると、どういう展開が今の理想なのかイマイチ分からない。とはいえ、近2走も33秒台前半の上がりを使って0.4秒差5着、0.4秒差4着と大敗はしていない。大きな強調点はないが、他馬に不発があれば圏内はあっても。