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【天皇賞(秋)】能力首位リバティアイランドに不安なし 有力馬の調査レポート

天皇賞(秋)2024 上位人気想定馬の評価

リバティアイランド

能力評価:★★★★★

得意条件:左回りベター?

臨戦過程:ドバイSCのあと「右前の種子骨靭帯に軽度の炎症」とのことで春を全休した。1週前に栗東CWでラスト11.1-10.8と仕上がりは問題なさそう

《寸評》
直線詰まったアルテミスSを除くと同世代に敵なしの快進撃であっさり牝馬三冠を達成した大器。ジャパンCはイクイノックスが強すぎたものの、現役古馬エース格のスターズオンアース、そして今回人気を分け合うドウデュースに先着を果たした。前走のドバイSCは1000m通過がだいたい63秒くらいの超スローペースでレベルスロマンス、シャフリヤールの前残りを許したもの。力負けではない。

一応故障明けということにはなるが、発表された症状からしても調整過程からしても、特にその部分の減点は必要なさそう。休み明けいきなりでも走るのが中内田厩舎のスタイルでもある。疑う要素が特にない。

ドウデュース

能力評価:★★★★★

得意条件:高速馬場、やや叩き良化型
苦手条件:道悪

臨戦過程:宝塚記念から中17週での参戦。どちらかといえば叩いてからの方がいいタイプ?

《寸評》
昨年のジャパンCはイクイノックス、リバティアイランド、スターズオンアース、タイトルホルダーらが揃った近年屈指のハイレベル戦。リバティアイランドからは0.2秒差の4着だった。続く有馬記念を制覇。地力はリバティアイランドとそう差のない2番手にいる。

本年初戦のドバイターフは出遅れ、内で進路取りに苦慮したまま終わる不完全燃焼。参考外でいい。宝塚記念は馬場に泣いた。ダービー制覇が2:21.9の高速決着、3歳秋フランス遠征では全く走れなかった経緯からしても、軽い馬場がよく、タフなコンディションになってしまうとモロい。しかも前走は外伸びの馬場で内を回らされたのも不利だった。

良馬場での反撃に期待がかかる反面、懸念は若干ながら叩き良化型のきらいがあること。2歳秋はアイビーSを太め残りで辛勝→朝日杯FS制覇。3歳春は弥生賞2着→皐月賞3着→日本ダービー制覇。4歳秋は天皇賞(秋)7着→ジャパンC4着→有馬記念1着。今年の春は2戦とも3ヶ月ぶりのレースで(他の敗因もあったとはいえ)結果が出なかった。

今年がラストイヤーで秋古馬三冠フル参戦を既に公言している。秋古馬三冠全てに出るならここはある程度余力を残して戦わないといけないし、ジャパンCと有馬記念に重きを置いた方が賞金的な旨味もある。そのあたりの事情も含め、買い時としては次回以降の方がベターと見る。

レーベンスティール

能力評価:★★★★

得意条件:不明

臨戦過程:オールカマーで始動して中4週。20日の日曜にウッドで4F50秒を切る時計を出してきた

《寸評》
新馬戦ではソールオリエンスとタイム差なし2着。その後取りこぼしたレースもあったが、おおむね順調にクラスを上げてきた。昨年の香港遠征は調整が上手くいかず(現地でスクミが出たとのこと)大敗、新潟大賞典も状態面の問題としか思えない凡走。そこから近2走は立て直して連勝してきた。

ただ、エプソムCはいかにもGⅢというメンバー構成だったし、オールカマーも内有利馬場と遅めのペースが手伝って、2着アウスヴァール、3着リカンカブールが残るような決着。内枠から4角も内を縫って多分に恵まれており、内容的にはそこまで強調点がない。格段に相手が上がる今回、想定オッズ通り2~3番人気ならさすがに過剰な感じがする。

ベラジオオペラ

能力評価:★★★★

得意条件:稀に見る万能型。欠点がないのが武器。何でもこなす
苦手条件:(レースに使ったわけではないが)夏に弱いらしい

臨戦過程:宝塚記念から中17週。昨年は夏負けで秋の始動を遅らせたが、今年も暑さの影響があったようでトーンは低め

《寸評》
2歳時からスローの瞬発力勝負、重馬場、高速馬場の持続力勝負など様々な競馬を経験し、距離も1800~2400mまでこなしてきた。万能型と呼ぶにふさわしい。レベルの高い合格点を超える走りをオールウェイズ出してくれる馬。ただ、自分のパフォーマンスが一定しているという意味で、天皇賞(秋)よりも他馬に注文がつく阪神内回り1周の大阪杯の方が相対的に勝ちやすい条件といえる。

その大阪杯はドバイに主力が流出したことでレースレベルがGⅠとしてはそこまで高くなく、外2から理想的な立ち回りを見せての勝利。宝塚記念もドウデュースやジャスティンパレスが道悪に苦しむのを尻目に自分の走りをしたら3着になりました、という結果。大箱の良馬場2000mに替わって純粋な能力勝負だと若干分が悪いか。また、夏の暑さが影響したようで陣営のトーンもあまり高くない。見送りになりそう。

ソールオリエンス

能力評価:★★★★

得意条件:左回りの広いコース、道悪OK
苦手条件:右の小回り、内有利のトラックバイアス

臨戦過程:宝塚記念から中17週。1週前はウッドでラスト10.9を計時

《寸評》
右回りのコーナリングは目に見えてモタつくが、中山や京都を中心に使われてきた。皐月賞こそ外差し馬場とハイペースに乗じて追い込みが決まったが、本質的には東京向きと見る。ダービーは大逃げのパクスオトマニカを除いて実質かなりのスローペースであり、前を捕まえ損ねた。

中山記念と大阪杯はコース形態が合わず、外々を回って競馬にならなかった。宝塚記念2着は道悪と外差しのハマるトラックバイアスが向いた面もあるが、もともと良馬場の東京新馬でレーベンスティールを破っているように、別に道悪でなくても格高GⅡ~GⅠ級のパフォーマンスは出せる。東京への舞台替わりは楽しみが大きい。

ジャスティンパレス

能力評価:★★★★★

得意条件:広いコースの良馬場
苦手条件:道悪

臨戦過程:宝塚記念から中17週。春とはパターン替わって坂路でのソフト調整

《寸評》
昨年このレースではイクイノックスが1:55.2という異次元レコードで走る傍ら2着を確保。有馬記念でも勝負所でやや立ち遅れながら0.3秒差の4着に入った。ドバイSCは1000m通過推定63秒くらいのドスローで、先頭から離れていた4番手以下は大失敗。前でレベルスロマンスとシャフリヤールが残り、リバティアイランドだけ無理やり突っ込んできた。キレ負け。悲観しなくていい。能力はリバティアイランド、ドウデュースと伍するところにいる。

宝塚記念は道悪が合わなかったことに尽きる。良馬場なら当然侮れない存在だろう。あとは調整過程の変化をどう考えるか。1週前はコースではなく坂路で追い切られ、時計も微妙。コメントを探すと「馬体がスッキリして素軽さがあったので、ウッドで長めの負荷をかけなくてもいい」という判断らしいが……。行間を邪推すると「かけなくてもいい」は「かけられない」とも読み替えられる。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。最近は単複。いつでもひと握りの遊び心を。

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