新潟記念2025の概要
開催日
2025年8月31日(日)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
新潟芝2000m(外)
概要と歴史
サマー2000シリーズの最終戦にあたる古馬の芝中距離重賞。1965年に創設され、これまでハンデ重賞として施行されてきたが、今年から別定に改められた。
近年はGⅠまでの出走間隔を空けるローテーションが隆盛となっており、秋GⅠに向かう上で9月中山阪神や10月の前哨戦ではなく、ここを叩いて直行するルートができつつある。2018年にここから菊花賞へ向かったブラストワンピースあたりが代表例だ。その風潮を受けてかハンデ→別定に条件変更。より実績馬が出走しやすくする措置が採られた。メンバーレベルのさらなる向上が予想される。
新潟記念2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬17頭
アスクカムオンモア
アスクドゥポルテ
エネルジコ
クイーンズウォーク
グランドカリナン
コスモフリーゲン
サスツルギ
シェイクユアハート
シランケド
シンリョクカ
ダノンベルーガ
ディープモンスター
ナムラエイハブ
バレエマスター
ブレイディヴェーグ
リフレーミング
ヴェローチェエラ
新潟記念の基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV
人気と配当の傾向

1番人気の勝利は1回だけ(2018年ブラストワンピース)。2番人気が4勝、6番人気が2勝2着2回、8,10,12番人気が各1勝と波乱が多い。
平均馬連配当は6998円。最高馬連配当は2万8250円(22年カラテ→ユーキャンスマイル)、最低馬連配当は1250円(18年ブラストワンピース→メートルダール)。
枠順と脚質の傾向

夏の新潟最終週に行われるレースで、だいたい最後は外ラチ沿いまで目いっぱい使っての追い比べになるが、イメージに反して外枠有利の傾向はない。3枠と4枠が好走率、複勝率ともに高く、8枠がそれに続く。

一方、4角通過順別成績では6番手以下の馬の方が複勝率、単勝回収率、複勝回収率いずれも優勢となっている。夏競馬屈指の差し有利重賞と考えていい。
前走について
前走条件戦組は【1-1-1-21】複勝率12.5%、複回収率37%と苦戦。好走した3頭いずれも春の中山や東京開催で3勝クラスを勝った馬だった。前走新潟、福島組は合計【0-0-0-12】。
オープン・リステッド組は【0-1-2-13】で、複勝率18.8%はちょうどこのレースの平均(18.5%)ぐらい。こちらはオープン特別大敗で人気を落とした馬がたまに大穴を開けるため、複回収率は100%を軽く超えている。
前走GⅢ組は【5-5-7-69】複勝率19.8%。当然ながらサマー2000シリーズ内での連戦というパターンが多い。七夕賞組【1-2-1-15】複回収率40%が低調。小倉記念【2-0-2-14】複勝率22.2%、函館記念【1-2-0-11】同21.4%も信頼度は別に高くないが、後の2つは人気薄の好走例があって回収率が高い。
前走GⅡ組は全て目黒記念組で【0-1-0-12】。2023年ユーキャンスマイルの2着だけが好走例だ。
前走GⅠ組は【4-2-0-17】複勝率26.1%、複回収率99%。一概に「着順が良ければOK、悪いとダメ」という傾向ではないが、GⅠで5着以内だった馬は【3-0-0-1】と好成績を残している。
新潟記念2025の参考レース
参考レース① ヴィクトリアマイル
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや外有利(ただしイン空け)
展開:ハイ、2番手以下は実質ミドル
→東京芝は朝から直線イン数頭分を避ける競馬。最内はダメっぽいが、そこは誰も使わないので結果としてバイアスはさほど感じなかった。
ペースはアリスヴェリテの大逃げで前半3F33.9秒。ただし離れた2番手集団では前後半推定46.1-46.0のイーブンくらい(※画角の問題で測りにくいので参考まで)。勝ち時計1:32.1もVMとしては極端に速くも遅くもない。結果的に追い込みが台頭しているが、ある程度能力通りの決着だったと評価する。
2着クイーンズウォーク【力出し切る】
外の13番手追走から終始馬場のキレイな外を通し、直線もそのままスムーズに脚を伸ばしてきた。残り100mあたりでアルジーヌと接触する場面はあったものの、おおむね力は出し切った。ベストは1800~2000mかと思うが、牝馬どうしなら能力でなんとかなった。
3着シランケド【じっくり溜めて】
道中はじっくり後方待機。4角17番手で直線へ向いた。上位2頭が大外を選択してスムーズに追い出すのと対照的にこちらは馬群を捌く選択をし、直線半ばでわずかに進路を探す場面もあった。失敗したとは思わないが、結果がクビ+ハナだけに惜しまれる。スムーズだったら勝っていたかも。
6着シンリョクカ【伸びずバテず】
チークピーシズを着用し、スタートからガンガン押して積極策。道中4番手でレースを運んだ。直線は馬場の中ほどで最後まで伸びずバテず粘っていた。もう少し長い距離で、バテない強みを生かす競馬がしたい。
参考レース② 安田記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利
展開:ややスロー
→この日の東京芝は人気薄の内前残りが目立つトラックバイアス。スプリント路線から出張してきたマッドクール、ウインマーベルの2頭が先団を形成して前半3F35.0秒は遅めのペース。中盤で11.7-11.7と若干緩み、残り3Fから再加速するオーソドックスなラップ構成となった。ただ、戦前に書いた通り安田記念は「スロー=前有利」の図式が通じないレース。わずかに内が有利な以外、大きなバイアスはなかったと評価する。
4着ブレイディヴェーグ【トラックバイアス逆行】
五分にゲートを決めて中団追走。外枠と長い向正面を利用して徐々にポジションを改善させ、先頭から3馬身圏内くらいの外目で直線に向いた。いざ追い出すとソウルラッシュにやや伸び負ける形でこの着順。こちらもトラックバイアス逆行だが、与えられた枠での最善はできた。
参考レース③ 青葉賞
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや内有利
展開:ミドル、3番手以下実質ややスロー
→2回東京開幕日でも極端に内がいい馬場ではなかった。なお天候発表は曇りだが、レース中は雨が降っていた。ガルダイアが後続を離して逃げ、前半1000mは59.9秒。ただしその後13.3が入るなど中だるみが大きく、ラストのレースラップは11.9-11.3-11.2。先行した2~3頭を除く馬群は実質ややスローくらいか。おおむね能力通りに決着したレースと評価する。
1着エネルジコ【加速ラップを差し切る】
スタートはいまひとつで後方から。直線は目の前にいたファイアンクランツを目標に脚を伸ばし、ラスト100mほどは目立つ脚でクビ差とらえた。加速ラップを後方から差し切る好内容。ポテンシャルは高い。