CBC賞2025の概要
開催日
2025年8月10日(日)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
中京芝1200m
概要と歴史
サマースプリントシリーズの第4戦にあたる古馬のハンデ重賞。1965年に砂1800mで創設され、その後芝に変更、距離も1400m、1200mへと短縮してきた。1990年からは2005年にかけてGⅡとして施行されていた。
2006年から時期が6月、斤量がハンデ、グレードがGⅢにそれぞれ改められた。昨年は中京と小倉の施行時期入れ替えに伴って8月に施行され、今年からはその開催順が通常日程になる。2016年の勝ち馬レッドファルクスは次走でスプリンターズSを、21年の勝ち馬ファストフォースはのちに高松宮記念を制している。
CBC賞2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬19頭
インビンシブルパパ
エイシンワンド
カリボール
カルチャーデイ
クラスペディア
グランテスト
シュトラウス
ジャスティンスカイ
ジューンブレア
テイエムリステット
ドロップオブライト
バルサムノート
バンドシェル
ベガリス
ポッドベイダー
ミルトクレイモー
メイショウソラフネ
ヤマニンアルリフラ
ワイドラトゥール
CBC賞の基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV。「枠順と脚質の傾向」は中京施行の7回を対象とする。
人気と配当の傾向

1番人気が【1-1-1-7】とやや苦戦気味。その分2番人気馬の成績はいいが、より注目したいのは6~8番人気【3-3-3-21】の方か。ハンデ戦らしく中穴馬の台頭が多い。
平均馬連配当は2万1201円。最高馬連配当は13万8600円(20年ラブカンプー→アンヴァル)、最低馬連配当は1170円(15年ウリウリ→ダンスディレクター)。
枠順と脚質の傾向

枠順と脚質については中京開催の7回分でデータを見る。元々内枠有利の中京芝1200m、主に開幕週開催だったにもかかわらず、1-2枠の成績が案外よろしくない。ホットなのは4枠【2-3-1-7】複勝率46.2%。次点が3枠。8枠は【0-0-0-17】と全滅だ。

ただし、位置取り別ではやはり前がベター。好走率自体にもそこそこ差はついているが、人気薄の好走例も多くが先行馬の残り目だった。
前走について
前走2勝クラス組が【1-0-1-1】、3勝クラス組が【2-3-0-12】。どちらも単複回収率が100%を超えていて、昇級馬あるいは格上挑戦馬も軽ハンデを味方にしばしば好走する。
それに比べるとOP・リステッド組の【6-2-3-68】複勝率13.9%は数こそ多いが率としてはイマイチ。そのうち、前走11着以下【0-0-0-21】を除けば多少は改善するが。
重賞組は【1-5-5-38】で可もなく不可もなく。複数の好走例があるのは京王杯SC【0-2-1-7】と高松宮記念【0-1-3-10】だが、これまでサマースプリントの(非・北海道組にとっての)端緒だったレースが今年は4戦目。同じ意味合いとしては扱いにくい。
CBC賞2025の参考レース
参考レース① 函館SS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内有利
展開:ハイ
→開幕週らしく馬場は明確に内有利で高速。インビンシブルパパの逃げで前後半32.5-34.1とペースは速く、内追走の差しが有利なレースだったと評価する。
2着ジューンブレア【トラックバイアス恩恵強く】
絶好の最内枠。他馬が飛ばしてくれたのもあってイン3で折り合いがつき、4角で外に出してスムーズに伸びてきたが、最後の最後でカピリナに内から差された。結果的にはもう一列後ろの馬に展開が向いた形だが、この馬自身もトラックバイアスの恩恵は強く受けている。
4着インビンシブルパパ【芝こなせた】
初芝ではあったが、父Shalaaは欧州の芝1200mGⅠ勝ち馬であり、もともと別にダート血統ではない。前半3F32.5秒のハイペース逃げでも、展開面のキツさよりトラックバイアスの有利が勝っての4着。着順以上には評価できないが、芝をこなせることは分かった。
6着カルチャーデイ【3着とタイム差なし】
1枠2番の絶好枠からハナを狙って行ったが、インビンシブルパパとの争いに敗れる形で外の2番手へ。最後は鈍ったが、3着まではタイム差なしだった。結果論になるが、無理に争わずイン3でよかったのかも。
参考レース② 北九州記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや外有利
展開:ハイペース
→少頭数戦が多く馬場の判断は難しかったが、前日と変わらずほぼフラットか若干外がいいくらいのバイアスと見る。外枠からシロンが強気に出して行き、前後半3F32.5-35.3はコース形態を差し引いてもハイペース。外差し有利なレースだったと評価する。
1着ヤマニンアルリフラ【好騎乗】
五分のスタートから促しながらの追走で中団馬群を進む。4角出口で外に振ってヨシノイースターを上手く押し出し、早め先頭に立ってそのまま押し切った。距離ロスを抑えつつ、展開を味方につけ、馬場のいいところを通し、進路取りもスムーズ。完璧に近い騎乗だった。重賞でもやれるメドを立てたが、2着馬と比べて3キロのハンデ有利があったことには留意したい。
6着ドロップオブライト【流れに乗れず】
スタートは悪くなかったが、速いペースに対応しきれない感じで道中徐々にポジションを落として行った。直線は外からジワジワ盛り返した。牝馬でハンデ56キロを背負っていたことも加味すれば悪い内容ではなく、もう少し序盤落ち着いて入れる条件ならGⅢで勝ち負け可能。
7着ミルトクレイモー【斤量恵まれて】
道中は内の最後方付近を追走。コーナーでは外に張る面もあったが、直線はそこそこ伸びていた。ただ、牡馬54キロで斤量の恩恵はあった。
11着カリボール【前塞がる】
道中は中団の内ラチ沿いを追走。直線は前が塞がって追えなかった。
12着エイシンワンド【詰まったが】
内目先行で展開と馬場に逆行。直線入り口で前が塞がってブレーキをかけた。ただし、進路ができてからもさほど伸びてはいなかった。
13着メイショウソラフネ【流れ込むだけ】
中団追走からそのまま流れ込んだだけ。前半が速くなる小倉、高速馬場だと追走で脚が削がれる印象。
17着クラスペディア【無理逃げ玉砕】
前走の再現を狙って強引にでもハナを取ったが、ペースが速かったし、内前を取り切るメリットがある馬場でもなかった。
参考レース③ 愛知杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや外有利(直線外伸び)
展開:ハイ
→道中はイン追走でも問題ないが、直線は外に出した方が伸びる馬場。テイエムスパーダとリバーラが飛ばして前後半32.7-36.0のハイペースだった。外差し有利なレースだったと評価する。
1着ワイドラトゥール【展開ハマる】
スタートは出遅れたが、北村友一騎手らしく慌てず騒がず後方3~4番手でじっくり待機。この判断が功を奏し、直線は鈍った先行勢を大外一気に飲み込んだ。今日は展開がハマったことに尽きる。再現性は低い。
4着グランテスト【健闘】
ずっと1200mを使われてきた馬だけあって、このペースでも促すことなく先行。控えて6番手に収まった。直線はしぶとく脚を使って4着。他の先行勢の大敗ぶりと比べれば、この着順でも大健闘といっていい。
9着ベガリス【ハイペースもよく粘る】
テイエムスパーダ、リバーラと競り合う形で外3を追走。4角で内の2頭をパスし、直線半ばまで先頭のシーンを作った。最後はさすがに止まったが、ほかの先行勢がもっと大敗を喫しているわけで、地味に強い内容。条件戦時代から一貫して左回りの1400mが得意。