【府中牝馬ステークス2025】過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

府中牝馬ステークス2025の概要

開催日

2025年6月22日

グレード

GⅢ・3歳以上牝馬

コース

東京芝1800m

概要と歴史

「府中牝馬S」と言えば多くの方が、エリザベス女王杯の前哨戦として10月に行われるレースを思い浮かべるだろう。それの時期が変更になった……と見せかけて、実は違う。従来の「府中牝馬S」は名称を「アイルランドトロフィー」に改めて、今年も10月に行われる。

ではこの「府中牝馬S」は何かというと「マーメイドSの条件&名称変更」という立ち位置の重賞だ。ハンデ戦であるところに名残が見受けられる。また、時期設定とコースの面では(今年から5月に移動した)エプソムCに近い条件ともいえる。

府中牝馬ステークス2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬14頭

アスコルティアーモ
ウインエーデル
ウンブライル
エリカヴィータ
カナテープ
カニキュル
グランスラムアスク
シングザットソング
セキトバイースト
タガノエルピーダ
フィールシンパシー
ミアネーロ
ラヴァンダ
ラヴェル

府中牝馬ステークスの基本データ(過去10年)

※出典:TARGET frontier JV。「人気と配当の傾向」および「前走について」は過去10年のマーメイドSを、「枠順と脚質の傾向」は2015~2024年のエプソムCを参照する

人気と配当の傾向

配当傾向については一応「マーメイドS」を参照するが、正直ナンセンスなのでサラっと。牝限ハンデ戦の例に漏れず1~10番人気あたりが大混戦で、必然的に中穴帯の回収率が高くなっている。ただ、意外にも11番人気以下は【0-0-0-50】と馬券絡みがなかった。

平均馬連配当は6985円。最高馬連配当は1万9380円(19年サラス→レッドランディーニ)、最低馬連配当は1000円(23年ビッグリボン→ウインマイティー)。

枠順と脚質の傾向

「枠順と脚質」は条件が酷似している昨年までのエプソムCを参照。1~2枠が不振で8枠が複勝率30.8%、複回収率も191%と高い数字になっている。全体として外枠有利だ。途中何回か仮柵の移動があるとはいえ、4月末から続く連続開催の最終盤。インは悪化していることが多い。

4角位置別に見ると5番手以内馬の回収率が非常に高い。不良馬場だった2020年(いずれも4角4番手以内の前残りで9-5-18番人気決着)が跳ね上げていて、それを除けば多少は差が縮まるものの、全体的に人気薄先行馬の残り目が多いのは事実だ。

前走について

前走については再びマーメイドSのデータを軽く述べる。

ハンデ戦でもあり「牝馬は格より勢い」の格言を体現したレース。前走2勝クラス組が【1-1-2-16】でその勝ち馬【1-1-2-12】複回収率115%。前走3勝クラス組が【6-4-1-45】、その4着以内馬【5-4-1-25】複回収率104%。下級で近走着順がよかった馬には警戒が必要だ。

OP・リステッド組は【2-1-2-11】複勝率31.3%、複回収率94%の好成績。不思議なもので、こちらは前走4着以下【2-1-2-7】同41.8%、125%に好走馬が偏っている。

前走重賞組は【1-4-5-48】で1勝しかしていない。なかでもGⅠ組は【0-0-0-8】だ。ただし今年は東京芝1800mで施行され、ヴィクトリアマイルと条件的に近い。傾向が変わる可能性は大いに考えられる。

府中牝馬ステークス2025の参考レース

参考レース① ヴィクトリアマイル

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:やや外有利(ただしイン空け)
展開:ハイ、2番手以下は実質ミドル
→東京芝は朝から直線イン数頭分を避ける競馬。最内はダメっぽいが、そこは誰も使わないので結果としてバイアスはさほど感じなかった。

ペースはアリスヴェリテの大逃げで前半3F33.9秒。ただし離れた2番手集団では前後半推定46.1-46.0のイーブンくらい(※画角の問題で測りにくいので参考まで)。勝ち時計1:32.1もVMとしては極端に速くも遅くもない。結果的に追い込みが台頭しているが、ある程度能力通りの決着だったと評価する。

10着シングザットソング【流れ込む】
中団の外目を追走。直線も目立った脚はなく、かといって完全に止まったわけでもない。ジリジリと走り続けて流れ込むだけだった。力負け。

12着ラヴェル【完敗】
ゲートで半歩出負け。中団馬群の中を追走し、直線も半ばまでは頑張っていたが、最後は脚が鈍った。マイルだと現状こんなものか。

参考レース② 阪神牝馬S

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:やや内有利
展開:スロー
→イフェイオンの逃げで前後半は47.5-45.3のスローペース。イン前有利なレースだったと評価する。

3着ラヴァンダ【上がり最速】
出遅れて道中は10番手からの競馬。4角で手が動き始めるも、直線は馬群を捌き切って最高速に達し、上がり最速32.7秒の鬼脚で勝ち馬とハナ+ハナ差まで追い込んできた。展開も向かない中で素晴らしい切れ味を発揮した。

7着タガノエルピーダ【適性外?】
インの3番手で馬場も展開も向いたが、直線は伸びずバテずで流れ込むだけ。新馬戦以降は速い上がりに対応できておらず、こういう高速馬場のスローペースは適性外か。

10着ウンブライル【展開も馬場も向かず】
出遅れてほぼ最後方から。4角は大外を回り、展開も馬場も全く向かなかった。自身も上がり33.1秒はマークしている。

参考レース③ 福島牝馬S

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:内有利
展開:ミドル
→福島芝はまだまだ内が有利。戦前は逃げ候補が多数いたが、いざフタを開けてみるとアリスヴェリテに行く気がなく、アスコルティアーモの逃げになった。前後半は59.2-59.0のほぼミドル。内を通った馬が恵まれたレースと評価する。

3着フィールシンパシー【最高に上手く乗った】
2枠4番の好枠を生かしてアドマイヤマツリの背後、内ラチ沿いを確保。そのまま勝ち馬の後ろをピッタリ回ってきた。最高に上手く乗った結果でここまで。

9着アスコルティアーモ【ハナ切るも】
外枠から押してハナを切り、枠の不利を消す騎乗。この判断はよかったと思うし、ペース的に無理したわけでもないが残れなかった。

10着セキトバイースト【チグハグで参考外】
今日は控える競馬を選択。しかし序盤で折り合いを欠き、初角では狭くなって外に持ち出し、3~4角は内から5~6車線目を回ってトラックバイアスに大きく逆行した。あまりにもチグハグ。参考外でいい。

11着グランスラムアスク【後方流れ込む】
ゲート自体は五分だったが、両隣から寄られて後方に下がる。そのまま最後方のインでじっくり運び、最後まで目立つ脚はなく流れ込むだけだった。完敗。

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