【しらさぎステークス2025】過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

しらさぎステークス2025の概要

開催日

2025年6月22日

グレード

GⅢ・3歳以上

コース

阪神芝1600m

概要と歴史

今年から施行される古馬のマイルGⅢ競走。昨年まで行われていたリステッド「米子S」の名称を改めたレースで、サマーマイルシリーズの初戦を務める。

阪神マイル重賞は世代限定戦だと阪神JF、朝日杯FS、チューリップ賞、チャーチルダウンズC、桜花賞など豊富にあるが、古馬のレースは昨年まで阪神牝馬Sのひとつだけ。マイラーズCが京都に移った2012年以降、改修工事等による例外を除いて4歳以上の牡馬が出走できる重賞はなかった。そういった意味では貴重な番組ともいえる。

しらさぎステークス2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬15頭

キープカルム
グランスラムアスク
コレペティトール
シヴァース
タシット
ダイシンヤマト
ダディーズビビッド
ダンツエラン
チェルヴィニア
デビットバローズ
ニホンピロキーフ
ボルザコフスキー
マテンロウオリオン
ラケマーダ
レーベンスティール

しらさぎステークスの基本データ(過去10年)

※出典:TARGET frontier JV。データは米子Sを参照。「枠順と脚質の傾向」は京都代替時を除く

人気と配当の傾向

オープン特別時代は「少頭数で堅い」という傾向のレースだった。しかしリステッドに格付けされ、サマーマイルの初戦になったあたりから頭数も集まるようになり、同時に波乱傾向が増してきた。7~11番人気はいずれも複回収率が100%を超えている。

平均馬連配当は6576円。最高馬連配当は4万4370円(23年メイショウシンタケ→ラインベック)、最低馬連配当は640円(21年ロータスランド→スマートリアン)。

枠順と脚質の傾向

枠順と脚質は京都代替だった昨年を除く9回分で見る。6-7枠の活躍が目立っており、回収率ベースだと外枠が断然優勢。梅雨時の開催終盤戦、ワンターンの阪神マイルなら馬場のキレイな外を走れる方が有利なのだろう。

位置取り的には4角5番手以内馬の方が複勝率でまさっているが、回収率では大きな差がない。展開ひとつで外差しも間に合うレースといえそうだ。

前走について

今年はGⅢ昇格でチェルヴィニアやらレーベンスティールやらのビッグネームが出走を予定しており、そもそも「リステッド・米子S」の傾向に意味があるかは微妙だが……。一応データは見ていく。

前走障害未勝利だったベステンダンクが単勝31.5倍の大穴を開けたほか、2勝クラス勝ちから格上挑戦したロータスランドも勝利。3勝クラス組と併せて「前走条件戦」とくくれば【3-0-2-4】複勝率55.6%、複回収率176%に達する。

OP・リステッド組も【3-6-7-63】で単回134%、複回102%と上々だ。中でも同コースの六甲S組は【1-1-1-6】とつながりを見せている。なおそこでの着順は不問。

GⅡ~GⅢ組は【2-2-1-27】で複回収率40%と低調。その6着以内馬【0-0-0-6】なので、重賞好走馬であっても飛びつけない。

前走GⅠ組は【2-2-0-6】。ただし内訳を見るとオークスから2年の休養明けだったチェッキーノほか、1年以上の休み明けだった馬が計3頭混じっている。出走間隔が半年未満の(つまり前走で春GⅠを使った)馬なら【2-2-0-2】で悪くない。

しらさぎステークス2025の参考レース

参考レース① AJCC

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:フラット~やや外有利
展開:ハイペース(早仕掛け)
→前日とは馬場傾向が変わってこの日はほぼフラット~微妙に外優勢くらいのコンディション。1000m通過60.6秒もコース形態からすれば速めの部類だが、残り1200mからコスモキュランダが動いたこともあって11.9-11.7-11.3-11.8と早仕掛けの展開になった。最後は12.2-12.6と減速する消耗戦であり、スタミナ型の差し馬が有利だったと評価する。

12着レーベンスティール【消耗戦はダメ?】
序盤少し行きたがったのはオールカマーと同様で許容範囲。ダノンデサイルのすぐ内で脚を溜め、スムーズに回ってきたが直線半ばで脚がなかった。上手く運んだオールカマーに比べて着順を落としたのは仕方ないが、それにしても負けすぎ。ここまで負けると能力以外の敗因を探したくなる。

状態面でないとすると「消耗戦が合わない説」か。同舞台とはいえセントライト記念勝ちはラスト11.7-11.7-11.0でレース上がり34.4秒だったし、オールカマーは同34.7秒だった。レース上がり35秒を超える競馬での実績は未勝利V、1勝クラスでセオの2着、ラジオNIKKEI賞3着しかない。後半6Fロングスパート、ラスト11.3-11.8-12.2-12.6の我慢比べは適性外だったか。

参考レース② ドバイSC

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:不明
展開:スロー
→序盤はシンエンペラーがハナに立つも、それを2角あたりでレベルスロマンスが制して逃げた。1000m通過は65.08秒、後半1000mは57.53秒で、勝ったダノンデサイルが上がり32.50秒、上がり最速の2着カランダガンが同32.28秒という超スローペースだった。前有利なレースだったと評価する。

6着チェルヴィニア【瞬発力勝負不向き】
ゲートがいまひとつでこのスローペースの割に行きっぷりも案外。外目4番手で運んだが、いざ直線追い出しても前に迫ることができなかった。負け方としてはジャパンCの時と似ていて、こういう極限の瞬発力勝負は合っていない。ただしハッピーパス牝系の馬は総じて早熟傾向があり、古馬になっての連続凡走は今後に向けて不安を残すものでもある。

参考レース③ エプソムC

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:やや外有利
展開:ハイ
→メイショウチタンが何故か強引にハナを主張するが、もちろん折り合いのつかないシュトラウスが絡んでいってテン3F34.2秒、1000m通過57.3秒のハイペース。外差し有利なレースだったと評価する。

9着デビットバローズ【展開不向き】
道中は外目の5番手を追走。直線に向いてひと脚は使ったが、ペースが速かった分、最後は止まってしまった。展開が厳しかった。

12着コレペティトール【地力劣勢】
スタート直後は積極的に促したもののポジションがとれず、道中は14番手から。向正面でも手応えが悪く、特に見せ場なく後方入線となった。重賞だと地力劣勢か。

15着ラケマーダ【負けすぎ】
スタートはそこそこ決まったが、焦らずじっくり後方待機。直線は左にササる面も見せ、特に伸びもなく最後は止まった。やや距離が長いようには見えるが、それを差し引いても負けすぎ。

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