【愛知杯2025】5分で予習! 過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

愛知杯2025の概要

開催日

2025年3月23日(日)

グレード

GⅢ・4歳以上牝馬

コース

中京芝1400m

概要と歴史

「愛知杯」は1963年に中京砂2000mのハンデキャップ競走として創設。その後芝2000mに変更され、長らく「父内国産馬限定戦」として施行されてきた。2004年からは牝馬限定戦に生まれ変わり、2016年以降は1月に行われてきた。

今年から条件が大きく変わって3月の中京芝1400mが舞台となり、同時にハンデ戦→別定戦に変更。なお厳密に言うと、国際グレード上の都合で「愛知杯の条件変更」ではなく「京都牝馬Sの条件&名称変更」という扱いになる。近年の京都牝馬Sはナムラクレアやロータスランドなど高松宮記念の前哨戦としても使われていたが、今般の時期変更による、それがほぼ不可能(連闘)になる。一方、6歳3月引退の規定があるクラブの牝馬にとっては、ラストランとしてうってつけの番組といえそうだ。

愛知杯2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬21頭

イフェイオン
エトヴプレ
エポックヴィーナス
オードリーバローズ
カピリナ
クランフォード
グランテスト
コラソンビート
シングザットソング
スウィープフィート
セントメモリーズ
テイエムスパーダ
ドナベティ
ナナオ
ベガリス
マサノカナリア
モリノドリーム
ヤマニンアンフィル
リジル
リバーラ
ワイドラトゥール

愛知杯の基本データ(過去10年)

※人気と配当の傾向、前走については「京都牝馬S」を参照。枠順と脚質の傾向は過去10年、3月の中京芝1400m、3勝クラス以上の16レースを参照する。

人気と配当の傾向

条件が変わりすぎてデータは参考程度にしかならないが、まず人気と配当は「京都牝馬S」のデータを眺めてみる。

1番人気が【4-3-0-3】の好成績だが、2番人気以下はだいたい9番人気まで横並び。波乱傾向の強い重賞といっていいだろう。

平均馬連配当は1万2407円と高い。最高馬連配当は8万6460円(15年ケイアイエレガント→ゴールデンナンバー)、最低馬連配当は650円(24年ソーダズリング→ナムラクレア)。

枠順と脚質の傾向

枠順と脚質については3月の同舞台、3勝クラス以上の16レースを対象とする。

1枠【4-1-3-17】が勝率、複勝率、単回収率、複回収率いずれもトップ。特に単回381%、複回194%は優秀だ。1-4枠と5-8枠で半分に分けても明確に内枠優勢。やはり中京の上級条件は内有利になりやすい。

脚質は前が多少いいかなという程度で大きな傾向なし。前後の位置取りより、内外の方がファクターとして重要だと考えよう。

前走について

前走に関しても「京都牝馬S」を参照して軽く紹介する。

まず前走条件戦だった馬が【0-4-4-16】で複回収率131%。格上挑戦馬(前走で2勝クラス勝ちor3着クラス負け)に限っても【0-0-2-3】同310%と決して侮れない。ハンデ戦でもないのに格上挑戦が刺さりうる稀有なレースだ。

OP・リステッド組は【1-2-2-49】と総じて低調で、特に1200mからの延長組は【0-0-1-24】と振るわない。進んで買うほどでもないが、狙うなら距離短縮【1-1-1-10】の方が好ましい。

重賞組も前走1200m組が【0-1-0-21】と振るわない。唯一の馬券絡みがスプリンターズS3着のナムラクレアなので、それくらいの実績がない限り延長は消しでいいか。

個別のレースでいえば「ターコイズS5着以内馬」が【3-1-1-7】複勝率41.7%と比較的好成績だが、1か月以上施行時期が遅くなったため、従来通りに考えていいかは微妙。重ねてになるが、このレースに関して言えばデータは参考程度にしかならないだろう。

愛知杯2025の参考レース

参考レース① シルクロードS

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:フラット?
展開:ハイペース
→この日の京都芝は外も使えていたが、内回りの芝1200mに関しては極端に外有利というほどでもない。ピューロマジックが逃げて前後半33.1-35.1のハイペース。とはいえ馬群が縦長で、後ろすぎた集団は届かなかった。好位~中団あたりにいた馬が有利なレースだったと評価する。

2着グランテストは外の4番手追走から直線もしぶとく脚を伸ばした。これまでOPで2度の3着は内前有利の中京芝1200mを逃げたものだったが、今回は好位から正攻法で連対した。ただ、ハンデ53キロと斤量面は有利だった。

4着カピリナは中団の外目を追走し、直線も外からジワジワと伸びてはいた。初の重賞挑戦、関西圏への遠征を思えば悪くはない。

15着セントメモリーズはレース前にゲート突進、外枠発走となった。まともにレースができなかった。参考外だろう。

参考レース② ターコイズS

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:内外フラット
展開:ミドル
→400m延長のマメコが逃げたが前後半46.3-46.9はほぼミドルペース。展開面の大きな有利不利はなかったと評価する。

6着イフェイオンは2枠4番からスタート決まって2番手へ。4角先頭から粘り込みを図ったが、直線の追い比べでわずかに遅れた。0.2秒差なので悪くはないが、この展開なら押し切りたかった。

9着シングザットソングは8枠15番で終始外を回される競馬。4角では外に膨れるロスもあった。着順は悪いが、0.4秒差と大きくは負けていない。

10着ワイドラトゥールは中団馬群の一角で進め、シングザットソングが膨れたスペースを利用して進路もスムーズに確保した。ただ、そこからは伸びそうで伸びず。1400mの方がキレる。

参考レース③ スワンS

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:外有利
展開:ややハイ
→京都芝は開催4週目で外伸びのバイアスあり。前半3F34.0秒はそこまで強烈に速いわけでもないが、アグリが絡んで4F目からも11.5-11.5-11.5と息を入れさせず、ラスト12.0を要して差し馬台頭の展開になった。外差し有利な一戦だったと評価する。

5着シングザットソングは先行策。4角やや膨れて加速にモタついたが、ゴール前までジワジワ伸び続けて最後はウインカーネリアンとアグリを捕まえた。まずまずの内容。

13着クランフォードは発汗が目立った。バイアスに反する内目先行で最後は失速した。とはいえ0.6秒差と着差はそこまで離れていない。牝馬限定の重賞なら巻き返しが利くだろう。

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