キズナ産駒の特徴と傾向 主な活躍馬や買い時は?【データで見る種牡馬図鑑】

馬券研究・競馬知識

キズナの概要、現役時代の成績

父:ディープインパクト

母:キャットクイル

生産国:日本

現役時代の成績:14戦7勝

主な勝ち鞍:日本ダービー

年の離れた半姉にGⅠ・3勝の牝馬ファレノプシスがいる、ノースヒルズ産の良血馬。同牧場の世代一番馬として「キズナ」の名を授かり、2012年にデビュー2連勝を飾った。

ラジオNIKKEI賞は小差の3着、弥生賞は4角から直線にかけて進路取りに苦慮してまさかの5着と敗れ、皐月賞の権利取りに失敗。しかし毎日杯から追い込みに転じると強烈な末脚で連勝し、日本ダービーではエピファネイアを差し切って優勝した。

秋にはニエル賞で英ダービー馬・ルーラーオブザワールドを破り、凱旋門賞でも4着と大健闘。翌春の産経大阪杯で再びエピファネイアに勝利し、天皇賞(春)では単勝1.7倍の断然人気に推されたが4着敗戦。重度の骨折が判明し、翌年に復帰するも3戦未勝利で引退となった。引退後は社台SSで種牡馬入りした。

キズナの代表産駒

【リーディング順位】
2019年:37位
2020年:8位
2021年:4位
2022年:4位
2023年:4位

【代表産駒】
・ディープボンド
初年度産駒。3歳時に2200mの京都新聞杯を勝ちはしたが、古馬になってからは長距離で活躍。阪神大賞典連覇、天皇賞(春)2着3回3着1回、有馬記念2着など、GⅠ未勝利ながら7億円以上を稼いでいる。道悪の消耗戦が得意なステイヤー。

・ソングライン
左回り専門のマイラーとして、牝馬ながら安田記念連覇、ヴィクトリアマイル勝ちの実績を残した。こちらはディープボンドと対照的に上がり32秒台の切れ味勝負、高速馬場にも高い適性を見せた。

・ジャスティンミラノ
新馬戦、2戦目の共同通信杯はどちらもドスローを先行抜け出しの形で勝利。その共同通信杯ではラスト10.9-10.8という驚愕のラップを叩き出し、界隈を騒然とさせた。一転、1000m通過57.5秒のハイペースとなった皐月賞を勝ち切り、続く日本ダービーは2着。今春以降の飛躍が期待される。

データで見るキズナ産駒の特徴

【芝⇔ダート】
JRA通算で芝397勝に対し、ダート229勝。OPクラス以上では芝47勝(勝率8.6%)、ダート7勝(勝率6.4%)とやや差がついている。ハギノアレグリアス、テリオスベル、ハピなどダート馬も一定数出ているが、どちらかといえば芝向きの種牡馬といえる。

【距離適性】
1500m以下で134勝(勝率8.2%)に対し、1600m以上で492勝(勝率11.3%)。マイル以上は欲しい。それ以上の距離ならオールラウンダー的な成績で、長ければ長いほどいいわけではないが、短距離戦だけが泣き所となっている。

【その他】
そもそもキズナ産駒は条件不問の通算でも単回収率99%と高く、芝に限れば103%。馬券的に追いかける価値がある種牡馬といえる。

コースで言うと関西圏の芝中長距離が狙い目。京都と阪神の芝2200m以上単回収率134%、複回収率110%。また「芝1800m以上の2歳戦」単回収率173%、複回収率114%と活躍している。騎手別ではディープボンドの主戦でもあった和田竜二騎手単回収率181%、複回収率134%が目立つ。

逆にダートの1300m以下は単回収率57%、複回収率53%、この優秀な種牡馬にとって数少ないウィークポイントである。あと小倉競馬場は芝ダート問わずイマイチ相性がよくない。

また、以前別の記事でも紹介したように「母系がスピード色(短距離馬)」である活躍馬が多いのも特徴といえる。実例含めて記載しているので、興味のある方はぜひご一読いただきたい。

(※情報はいずれも2024年8月21日時点。データはJRAのみ)

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