中京記念2024 上位人気想定馬の評価
エルトンバローズ
能力評価:★★★★
得意条件:レース巧者タイプで1周小回り合う
臨戦過程:安田記念時は検疫の関係で東京競馬場での調整。前走より調整はしやすいだろう
《寸評》
昨年の毎日王冠は人気2頭(ソングラインとシュネルマイスター)が進路取りをかなりミスったのと対照的に内をスルスル抜けてきて勝利。その前のラジオNIKKEI賞も開幕週のイン前競馬をイン3から抜け出したものであり、重賞の勝ち方自体はあまり強調点がない。とはいえ昨秋マイルCS4着、前走の安田記念で0.6秒差8着の実績から、このメンバーなら格上なのもまた事実だろう。
操縦性の高さで勝負するタイプで、東京マイルの切れ味勝負は本質からズレる。安田記念はさらに海外遠征帰りで現地調整というハンデもあり、条件としてよくなかった。今回の方があらゆる点で好印象。他馬との比較だとハンデ59キロも別に重くない。ローカルGⅢ・1勝のエピファニーと1キロ差なら妥当のひとこと。嫌う必要なし。
エピファニー
能力評価:★★★
得意条件:ハイペース
苦手条件:折り合い難しく、延長ローテやスローペース合わない
臨戦過程:大阪杯10着敗戦から中15週空けてここへ。1週前は美浦で追い切り、その後栗東滞在中。
《寸評》
2歳のころから折り合いは怪しかったが、OP入りしてから三度の好走時が1000m通過58.4秒、57.1秒、57.2秒。ハイペースになった時だけ気分よく走れて直線弾けるという戦績になっている。
中山金杯はスローペースの内枠で引っかかり&初角ゴチャつきでまともな競馬ができず。小倉大賞典は得意のハイペースで勝利、大阪杯はゲート内で前掻きして出遅れ、直後に両隣からガッツリ挟まれ、道中は折り合いもつかなかった。あれで0.7秒差なら悪くない。距離短縮は歓迎で、小倉大賞典と同様にセルバーグがいてくれるのも嬉しい材料。魅力的。
セオ
能力評価:★★
苦手条件:夏?
臨戦過程:3勝クラスと都大路Sを連勝し、中9週空けての参戦。順調とのこと
《寸評》
レーベンスティールを撃破した実績馬、という触れ込みをちらほら目にしたが、当時は不良馬場かつレーベンスティール騎乗の戸崎騎手が仕掛けを遅らせすぎて失敗したことに注意。またラジオNIKKEI賞で16着に敗れた際に「夏負けで……」というコメントもあり、夏場が得意でもなさそう。
2走前は3勝クラスとしてはメンバーレベルが低調、前走は1000m通過59.8秒からのレース上がり33.6秒を先行して展開に恵まれた部分があった。相手強化かつセルバーグやテーオーシリウスといった逃げ馬がいるメンバーに替わり、今回は少々厳しいか。
ニホンピロキーフ
能力評価:★★★
得意条件:平坦コース。小倉は3戦3勝
苦手条件:2000mは気持ち長かった?
臨戦過程:鳴尾記念12着から中6週。動き良好
《寸評》
デビューから直線平坦コースで【4-2-1-1】に対し、坂アリコースで【0-1-2-3】という平坦巧者。小倉でも3戦3勝と適性の高さを示している。
マイラーズCでソウルラッシュ、セリフォスに次ぐ3着と善戦したが、鳴尾記念は序盤行きたがりながら外4を回されて上手く運べていなかった。そもそも母ニホンピロアンバーは1200mで2勝、フィリーズレビュー2着馬で、血統的に2000mはやや長い。距離短縮はプラス材料。ハンデ56.5キロも手ごろ。軽視できない。
アルナシーム
能力評価:★★★
得意条件:右回りベター?
苦手条件:折り合い難しいが、マイルは結果出ず
臨戦過程:エプソムC5着から中5週。陣営は折り合いの改善を強調
《寸評》
1800mだと多少引っかかるのに、かといってマイルだと結果が出ないキャラクター。
3走前ダービー卿CTはその不得手なマイルだったし、大逃げのエエヤン除いて実質スローを後方に構えてノーチャンス。2走前は前記したセオと(斤量1キロ不利で)対戦し、スローペースを差し届かずの2着。エプソムCは上手に立ち回ったように見えたが、陣営曰く左回りでは手前替えがぎこちないらしい。右回りに戻るのはいい。
ただ、同条件の小倉大賞典では前を差せず、後ろに捕まっての4着止まり。どちらかといえばワンターンの方が合う戦歴でもある。ベストのコースではない。
エスコーラ
能力評価:★★
得意条件:夏場、高速馬場の実績あり
臨戦過程:米子S大敗から生涯最短となる中4週での出走
《寸評》
かつては小倉芝1800mの未勝利戦を大差&日本レコード勝ちして話題を席巻したが、体質が弱く順調に使えず、わずかキャリア8戦で6歳7月を迎えている。
2走前洛陽Sは外有利の馬場で外へ持ち出したが、ジワジワと伸びるだけで7着まで。前走はスローの前残りで展開が向かなかったとはいえ、近くにいた馬と比べてもさほど目立つ伸びはなかった。
以前の強さに比べると正直、能力が落ちていると思う。夏馬で小倉の鬼……という可能性もなくはないが、近走内容を素直に捉えれば手を出しにくい。