【アイビスサマーダッシュ2025】過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

アイビスサマーダッシュ2025の概要

開催日

2025年8月3日(日)

グレード

GⅢ・3歳以上

コース

新潟芝1000m

概要と歴史

サマースプリントシリーズの第3戦。新潟競馬場の名物である直線競馬、その唯一の重賞にあたるレース。新潟競馬場は1999年から2001年春にかけてコース改修工事が行われ、それまでの右回りが左回りに変更、そして直線の芝1000mが設けられるなど大規模なリニューアルがあった。そのリニューアルに際してこの重賞も新設された。

以前はスプリンターズSでも有力視されるような実力馬の出走もあったが、近年は枠順の影響が大きすぎる特殊な条件を嫌ってか、一流どころに敬遠されるレースになりつつある。レースレベルの低下と千直路線のガラパゴス化が顕著だ。

アイビスサマーダッシュ2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬21頭

ウイングレイテスト
エランティス
オリアメンディ
カフジテトラゴン
カルロヴェローチェ
キタノブレイド
クムシラコ
コラソンビート
シュラフ
ショウナンハクラク
シロン
スコーピオン
テイエムスパーダ
デュガ
ニシノコニャック
ニシノトキメキ
ピューロマジック
ファロロジー
ブーケファロス
マジカルガール
モズメイメイ

アイビスサマーダッシュの基本データ(過去10年)

※出典:TARGET frontier JV

人気と配当の傾向

1番人気が5勝7連対の好成績。2番人気も1勝止まりながら6連対だ。後述するように枠順でおおむね絞り込めるレースということもあり、結果として人気になった馬の信頼度は低くない。その傍らで7~9番人気の中穴勢も3勝を挙げている。

平均馬連配当は3158円。最高馬連配当は1万2570円(23年オールアットワンス→トキメキ)、最低馬連配当は360円(16年ベルカント→ネロ)。

枠順と脚質の傾向

散々「外枠有利」と言われるコースだが、アイビスSDに関してもその例外ではない。8枠が【4-2-2-18】で、7枠と合わせて計6勝だ。しかし複回収率のトップは1枠。1枠は平均オッズ110.8倍と全く人気がなく、走った時の配当が大きい。「逆手をとって内枠」という作戦もナシではない。

直線コースなので4角通過順別はないが、一応JRAの公式データとして残り600m地点での通過順は存在するため、それをチェックする。好走率と複回収率ではさすがに前が断然優勢。しかし近3年は道中14番、13番手、7番手の馬が勝利しており、以前よりは差しが決まるようになった印象もある。

前走について

先に「千直のガラパゴス化」とも書いたが、近頃は千直への適性を見込んで条件戦から格上挑戦してくる馬も珍しくない。前走1勝クラス組はさすがに【0-0-0-4】だが、2勝クラス組は【0-0-2-5】、さくらんぼ特別7着から臨んだバカラクイーンの14番人気3着という成功例が存在する。

3勝クラス組は【0-1-2-17】。一見して成績はよくないが、6~7枠を引いた馬【0-1-2-4】(※8枠は該当馬ゼロ)なので、枠順さえよければ侮れない。

OP・リステッド組は【4-7-3-72】で、実質的なステップにあたる韋駄天S組が【4-7-1-35】複勝率25.5%。その4着以内馬【4-6-1-15】単回252%、複回100%に対し、同5着以下【0-1-0-20】。順当に好走馬を選べばいい。これも外枠勢に限ればもっと成績は向上する。

重賞組はCBC賞【3-0-1-14】だったが、今年は時期が変わってアイビスSDより後になった。北九州記念組(※7月開催時)が【1-0-1-3】とまずまずで、葵S組【1-1-0-1】も軽視禁物。一方、函館SS組は【0-1-1-9】ともうひとつ振るわず、その連対馬【0-1-1-1】、3着以下馬【0-0-0-8】であった。

アイビスサマーダッシュ2025の参考レース

参考レース① 高松宮記念

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:外有利(3~4角向かい風影響あり)
展開:ミドル~ややスロー
→土日通じて直線は外の伸びが目立つ馬場。また、3~4角向かい方向に7mの風が吹いていたらしく、その負荷もあって先行勢は余計に厳しかった。ペースは前後半33.8-34.1でGⅠにしてはやや緩いくらいだが、外を通った差し馬が恵まれたレースと評価する。

13着モズメイメイ【力不足】
スタートから積極的に促して先行し、内から2車線目を通して直線に向いたが、全く伸びずに最後は後退した。ここでは力が足りない。

16着ウイングレイテスト【徐々に衰え?】
1枠2番から積極的に押して行ったが、ビッグシーザーが絡んできたので引いてイン3に。直線は伸びないインを突いたのもあって最後はパッタリ止まった。前年秋から徐々にパフォーマンスを落としている感。

参考レース② シルクロードS

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:フラット?
展開:ハイペース
→この日の京都芝は外も使えていたが、内回りの芝1200mに関しては極端に外有利というほどでもない。ピューロマジックが逃げて前後半33.1-35.1のハイペース。とはいえ馬群が縦長で、後ろすぎた集団は届かなかった。好位~中団あたりにいた馬が有利なレースだったと評価する。

9着ピューロマジック【斤量響く】
1枠2番からいつもの通り抜群のダッシュ力を見せてハナへ。直線に向くまで手応え快調に見えたが、ラスト200mあたりで脚が鈍って飲み込まれた。斤量56.5キロの不利もあったし、スピードで押し切れない冬場の稍重馬場という条件もこの馬には合わなかったか。千直は高確率でベスト条件。楽しみどころの騒ぎじゃない。

14着シロン【完敗】
ピューロマジックから2~3馬身ほど離れた2番手を追走したが、直線入り口で早々に脚が鈍り、最後はバタバタになった。ペースが速かったのは確かだが、それでも粘ったピューロマジック(56.5キロ)に比べ、こちらは53キロで完敗だった。

参考レース③ 韋駄天S

トラックバイアス:外有利
展開:ミドル

1着テイエムスパーダ【しぶとさ発揮】
8枠15番の絶好枠から出ムチを2~3発ほど入れてハナへ。1200mでも行き切ればしぶとい馬だが、千直でもそのしぶとさを遺憾なく発揮し、最後はリードを3馬身まで広げた。枠の恩恵はあったが、牝馬56キロの実質トップハンデを背負って完勝。昨年アイビスSD3着の実績が示す通りこの条件は合う。

3着クムシラコ【力差ある】
2枠4番から鞍上が抑えて一目散に外ラチ沿いへと横移動。前がなかなか開かなかったが、腹をくくってリバーラの後ろ、外ラチ沿いを通し切った。もう少し早く捌けていればとも思うが、対勝ち馬では斤量(実質)2キロの有利があって0.6秒差。力差はある。

4着シロン【軽斤量も完敗】
スタート直後の出脚は速かったが、ハナにこだわらず2~3番手を追走。脚を温存して乗った感じだったが、後半はテイエムスパーダにむしろ突き放された。斤量差も加味すると完敗。OPでは苦戦が続く。

7着ブーケファロス【流れ込む】
外目中団馬群の一角でレースを進め、いざ追っても伸びずバテずで流れ込んだだけ。これといった特記事項なし。

16着ファロロジー【ハンデ有利も】
3枠5番から馬場の真ん中あたり(つまり千直としては内目)を走り、最後はパッタリと失速して最下位。ハンデ52キロの恩恵があった上で歯が立たなかった。

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