函館スプリントステークス2025の概要
開催日
2025年6月14日(土)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
函館芝1200m
概要と歴史
「サマースプリントシリーズ」の開幕を飾る短距離重賞。創設は1994年で、当時は「札幌スプリントステークス」の名称。もちろん開催場も札幌だった。1997年に名称変更して函館芝1200mに移行した。
夏場では貴重な「ハンデ戦でない」1200m重賞ということもあってか、後のGⅠ馬、あるいは既にGⅠを勝っている馬の出走が比較的多い。マサラッキ、ビリーヴ、キンシャサノキセキ、カレンチャン、セイウンコウセイ、サトノレーヴらが勝ち馬に名を連ねている。
函館スプリントステークス2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬19頭
インビンシブルパパ
ウイングレイテスト
カピリナ
カルチャーデイ
クファシル
ジューンブレア
ジョーメッドヴィン
ステークホルダー
ゾンニッヒ
ツインクルトーズ
ドンアミティエ
ナムラクレア
ビッグシーザー
フィオライア
プルパレイ
ペアポルックス
ミリアッドラヴ
モリノドリーム
レイベリング
函館スプリントステークスの基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV。「枠順と脚質の傾向」は札幌代替を除く9回を参照
人気と配当の傾向

1-2番人気の成績が若干頼りなく、その分3-5番人気が好調。7番人気が【0-1-2-7】で、2桁人気からも6頭が馬券に絡んでいる。まずまず荒れる。
平均馬連配当は6834円。最高馬連配当は1万9550円(15年ティーハーフ→アースソニック)、最低馬連配当は1010円(21年ビアンフェ→カレンモエ)。
枠順と脚質の傾向

枠順と脚質については札幌代替を除く9回でチェック。今年含め基本的に開幕週のレースだが、意外にも1-2枠の回収率が低め。逆に7-8枠はどちらも複回収率が100%を超えている。

4角通過順別で見ると、5番手以内の馬が7勝2着6回。前項とあわせ、外枠の逃げ先行馬を狙って行きたい。
前走について
前走3勝クラス組は【1-1-1-9】。「1200mの3勝クラスを2番人気以内で勝った馬」まで絞り込めば【1-1-1-1】複回収率242%にアップする。上がり馬も軽視できない。
OP・リステッド組は【3-5-2-24】複勝率15.6%で特段よくないが、同4着以内に限れば【2-3-2-18】複勝率28.0%、複回収率150%。レース別では春雷S組に好走例が集中している。
重賞組はレースごとに。まず桜花賞組【3-0-0-4】やNHKマイルC【0-1-1-4】など、春にマイル戦線を歩んでいた3歳馬には要警戒。葵Sが重賞になって多少変わったとはいえ、3歳春までは短距離馬も無理してマイルを使われるケースが多く、そういう馬たちが待望の距離短縮で躍動する。
ほか、古馬GⅠでは高松宮記念組【1-0-3-23】が意外とダメ。人気になりやすい割に大して走らず、複回収率は26%という有様だ。ヴィクトリアマイル組は【0-0-1-0】、サンプルがレッツゴードンキ7番人気3着だけ。
国内のGⅡ~GⅢだと、複数の好走例を出すのはオーシャンS【1-1-0-5】と京王杯SC【1-0-2-6】の2つ。オーシャンS組は純粋にその3着以内馬がよい。京王杯SC組は前走時点で10番人気だった馬を除けば【1-0-2-1】と信頼が置ける。
函館スプリントステークス2025の参考レース
参考レース① 高松宮記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:外有利(3~4角向かい風影響あり)
展開:ミドル~ややスロー
→土日通じて直線は外の伸びが目立つ馬場。また、3~4角向かい方向に7mの風が吹いていたらしく、その負荷もあって先行勢は余計に厳しかった。ペースは前後半33.8-34.1でGⅠにしてはやや緩いくらいだが、外を通った差し馬が恵まれたレースと評価する。
2着ナムラクレア【仕掛け待たされた分】
序盤は流れに乗せる程度で急かすことはせず、後方馬群のなかで脚を溜める。直線はサトノレーヴを信じた進路取りに賭けたが、サトノが追い出すのに少し手間取ったため、その背後でもうひとつ余計に待たされた。ラスト1F11.2秒では差せない。もう少しペースが流れるか、サトノが早仕掛けになっていれば……。しつこいようだが、上位陣は展開ひとつで入れ替わる能力差。今回の0.1秒差も展開のアヤ。
9着ビッグシーザー【逃げ受難】
ブリンカー着用で逃げの手に出たが、今日の馬場状況でその作戦は正直言って貧乏くじを引きにいったようなもの。着順ほど悪い負け方ではない。GⅠでは少し足りないが、サマースプリントあたりなら主役級だろう。
16着ウイングレイテスト【徐々に衰え?】
1枠2番から積極的に押して行ったが、ビッグシーザーが絡んできたので引いてイン3に。直線は伸びないインを突いたのもあって最後はパッタリ止まった。前年秋から徐々にパフォーマンスを落としている感。
18着ペアポルックス【流して最下位】
18番枠から外3をとるも直線に向いた時点で全く手応えがなく、流して最下位入線。展開と風の不利はあったが、それにしても走れなかった。
参考レース② 愛知杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや外有利(直線外伸び)
展開:ハイ
→道中はイン追走でも問題ないが、直線は外に出した方が伸びる馬場。テイエムスパーダとリバーラが飛ばして前後半32.7-36.0のハイペースだった。外差し有利なレースだったと評価する。
3着カピリナ【距離はこなした】
道中は中団の内目を追走。3~4角でやや手応えが悪くなり始めたが、直線も止まりそうで止まらず、残り100m付近では一時先頭の場面も作った。1400mの距離自体は大丈夫だった。シルクロードSの時もコーナーでモタつく場面があり、小回りだと立ち遅れるリスクはある。
7着モリノドリーム【序盤不利あり】
五分のスタートを決めたが、両隣から挟まれる不利があって後退。4角~直線はカピリナの後ろを狙って進路自体はあったが、伸びずバテずでハッキリした脚は使えなかった。距離には対応した。ただ、やはり本領は洋芝の1200m。
参考レース③ 春雷S
トラックバイアス:やや外有利
展開:ミドル
→NZT翌日。この週の中山芝は9鞍行われて逃げ馬の馬券絡みがなく、やや外伸びのバイアスを示した。前後半33.5-34.5はこのコースの古馬OPとしては特段速くも遅くもなし。外目を通った馬がやや恵まれたレースと評価する。
6着ジョーメッドヴィン【内枠厳しく】
2枠2番から強気に押して逃げを選択。この日の馬場では厳しい進路取りになった。4角で早くも捕まったわりに、なんだかんだで勝ち馬とは0.6秒差。そう大きくは負けていない。
12着ステークホルダー【人気先行で】
中団追走から3~4角はインを回る。直線も伸びがなく、流れ込むだけの0.8秒差12着完敗。トラックバイアスの不利はあったが、オーシャンSで2番人気、今回も2番人気とそもそも実績に比して人気先行の感はある。まだOPで通用するメドは立っていない。