ファルコンステークス2025の概要
開催日
2025年3月22日(土)
グレード
GⅢ・3歳
コース
中京芝1400m
概要と歴史
1987年に「中日スポーツ賞4歳ステークス」という名称で創設された重賞(馬齢は当時の表記であり、今でいう3歳戦にあたる)。第1回から第9回までは1800m戦で、1996年からは6月の芝1200m重賞に変更された。
2006年からは3月に時期変更。そして2012年に中京競馬場がリニューアルしたタイミングで距離を1400mに変更して今に至る。NHKマイルCの前哨戦は他に良質なもの(たとえばアーリントンC、ニュージーランドT、毎日杯など)があるため、ここはメンバーが手薄になりやすい。現行条件になってからの勝ち馬でその後GⅠ馬になったのはミスターメロディ1頭だけである。
ファルコンステークス2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬26頭
アーリントンロウ
ウィルサヴァイブ
ウインマスカレード
キャッスルレイク
クラスペディア
シルバーレイン
スマッシュアウト
タイセイカレント
タガノアンファン
チムグクル
チューラワンサ
デリュージョン
トータルクラリティ
ニタモノドウシ
バニーラビット
パンジャタワー
メイショウタマユラ
モジャーリオ
モズナナスター
モンタルチーノ
モンドデラモーレ
ヤンキーバローズ
ライツユーアップ
ラパンチュール
リリーフィールド
ロヴィーサ
ファルコンステークスの基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向

ここ10年間で1番人気馬の勝利はなし。馬券絡みも4回に留まっており、信頼度は高くない。3番人気【3-2-0-5】以下、だいたい8番人気あたりまでは互角にチャンスがある。
波乱頻発の一因が道悪の多さ。過去10年で良馬場は5回、稍重~不良が5回という内訳だった。良馬場時に限れば8番人気以下【0-0-0-44】と派手な荒れ方はしていない。
平均馬連配当は6587円。最高馬連配当は2万4640円(15年タガノアザガル→アクティブミノル)、最低馬連配当は750円(21年ルークズネスト→グレナディアガーズ)。
枠順と脚質の傾向

元々内枠有利になりやすい中京コース、かつハイペースの年が多い重賞で、データ的にも内枠優勢。好走率、回収率ともに1-3枠あたりが狙い目だ。対照的に馬番11番から外は【2-2-2-59】複勝率9.2%、単回30%、複回25%と苦戦を強いられている。

脚質面では4角5番手以内の馬が5勝、同6番手以下が5勝。極端な傾向は見られない。むしろ前半3F33秒台の年が5回もあった割には、案外差しが届いていないか。
前走について
前走新馬からの出走はなく、未勝利戦からだと【0-0-1-8】。唯一の好走は14番人気3着サウザンサニーで、中山ダ1200mを勝ち上がってこれが初芝だった。
1勝クラス組は【2-3-2-49】で全体的にやや低調。1着馬に限っても【2-2-2-29】複勝率17.1%、複回収率57%。絞りに絞って「前走1400mの1勝クラスを上がり3位以内で勝った馬」に限ると【1-1-2-4】複勝率50.0%となる。ミスターメロディ、グルーヴィットは東京ダ1400mからの転戦で好走した。サウザンサニーの例とあわせ、ダートを使われてきた馬も無視できない。
OP以上はレース別にチェックする。出走数が多いクロッカスSは【4-2-0-18】で、好走馬はもちろん、大敗した馬の巻き返しもしばしば。個人的な解釈としては、クロッカスSの内容の良しあし問わず、単に「ファルコンSでいい枠を引いて展開がハマった馬」が好走している印象を受ける。
朝日杯FS組は【0-4-3-14】で勝ちこそないが好走率は高い。阪神JF組【0-0-1-0】、全日本2歳優駿組【0-0-1-0】を含め、マイルGⅠ(JpnⅠ)からの短縮が奏功する。うち、前走4角5番手以内なら【0-3-4-7】。先行していた馬を狙いたい。
ほか、シンザン記念【3-0-0-6】、フェアリーS【1-0-0-2】、京成杯【0-1-0-0】などもサンプルは少ないが好成績。「重賞からの距離短縮ローテ」に注目しよう。
ファルコンステークス2025の参考レース
参考レース① 朝日杯FS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内から2~3頭目有利
展開:スローペース
→馬場は事前の想定と近く、この日も内から2~3車線目を回ってきた馬が活躍。直線イン突きはダメだが、外すぎてもイマイチだった。道中緩んでスローペースからの2ハロン戦。前に行った馬が恵まれたと評価する。
6着クラスペディアは先団の一角で手応えよく進めたが、直線は前に突き放されて流れ込むだけ。マイルが致命的に長いとは思わないが、1400mの方がベターか。
9着ニタモノドウシは後方待機から、直線は内目を突く競馬。あまり伸びない進路をとったとはいえ、上位陣には上がりでも負けている。強調できる負け方ではない。
12着パンジャタワーは中団馬群の一角で運び、4角まで手応えもありそうだったが、いざ追い出すと脚をあまり使えなかった。血統的にやはり距離が長いように映る。
13着トータルクラリティは道中はやや行きたがる面を見せながらも、なんとか我慢して外3番手で直線へ。展開も進路取りも問題なかったと思うが、直線は全く伸びを見せず沈んだ。敗因が分からない。強いて言えば、休み明け+12キロで重めが影響した可能性はあるか。
15着タイセイカレントは大外枠から延々と大外を回されてあまり競馬になっていないが、それにしても振るわなかった。
参考レース② クロッカスS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利
展開:超スロー
→少頭数で前後半36.7-33.6の遅い流れ。前有利で後ろはノーチャンスだった。
1着クラスペディアはこの遅いペースで楽逃げを打ち、そのまま押し切った。いくらなんでも展開が楽すぎた。参考外の一戦。
5着スマッシュアウトは楽なペースの2番手だったが直線で差された。物足りない。
参考レース③ シンザン記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利
展開:ややハイ
→金杯の週に比べれば多少はフラットに寄ったが、初角まで近い1600mではまだまだ内が有利な馬場コンディション。前後半46.8-47.8のややハイペースで流れた。内で溜めた差し馬が有利だったと評価する。
5着タイセイカレントは内枠を利してインの3番手で進めた。直線は逃げ馬が失速し、隣の馬もスペースを与えてくれず、押圧して進路をこじ開けた。やや展開が向かなかった部分はあるが、とはいえインで立ち回った割には物足りない。
15着アーリントンロウは労せず先行できたのに4角で早くも後退。直線で不利を受けてはいるが、それがなくとも大敗していた。距離が長かったのもあるが、現状は力負け。