超前残りコース『福島ダ1150m』がやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!

愛すべき前残りコース「福島ダ1150m」

過去5年で【59-24-16-64】勝率36.2%、連対率50.9%、複勝率60.7%、単回収率462%、複回収率184%。

これが何の成績か分かるだろうか。

タイトルからお察しの通り。そう、福島ダート1150mにおける「逃げた馬」の成績である。

当コースでは163レースが施行され、59レースで逃げ切りが決まっている。割合にして実に36.2%だ。さらに広げて「4角3番手以内」の馬が勝ったのは124レース。ここまで広げると76.1%にまで上る。中央競馬屈指の超前残りコース、それが福島ダ1150mの真の姿なのである。

こういうデータを見ると、なんとかこのコースで楽して儲けられないか、と考えるのが馬券野郎の性というものだろう。しかしながら、同じく過去5年、当コースにおける「前走逃げた馬」の成績を見ると、単回収率36%、複回収率68%しかない。前走実績の通りに逃げ馬を選んでいるだけでは好ましい結果は得られない。それどころか、他の馬券野郎たちも同じようなことを考えるからか、期待値が低くなってしまっている。

そこで、前走脚質に頼らずに使える、回収率の高い条件を3つほど探してみた。

まず一つ目は「前走1000m戦で3着以内」。一般論として近走でより短い距離のレースを経験している馬の方が序盤のダッシュ力で優位に立ちやすい。このコースにおいては必然的に、距離延長=前走が1000mだった馬となる。そのうち、その1000m戦で3着以内の結果を残していれば【6-2-4-23】で複勝率34.3%、単回収率100%、複回収率105%と黒字圏内に入る。

続いては「1枠」。同じぐらいの出脚であれば内枠の方が逃げやすいから、だろうか。1枠の成績は【20-30-19-226】で複勝率23.4%、単回収率126%、複回収率115%。特に注釈なしでも黒字圏内なのだが、稍重~不良馬場に限ると単回収率200%、複回収率146%とさらに上昇する。ただでさえイン前有利なのに、雨が降って馬場が高速化すればもはや1枠天国だ。

最後が「ルーキー除く減量騎手」。前残りを象徴するように減量騎手の遮二無二先行が狙い目だ。減量騎手全体でも単回収率102%でなんとか黒字なのだが、このうちルーキーを除くと同124%になる。まあこれはこのコースに限らずたびたび思うことなのだが、「デビューから数か月しか経ってない騎手と、1年と数か月経って通算29勝してる騎手がどっちも▲3キロ減なら、当然後者の方が圧倒的に有利じゃない?」という話だ。あ、ついでに具体名を出しておくと永島まなみ騎手は当コースの平場では勝率が2割を超えていて、かなり優秀です。

以上紹介した3つの条件を参考に、先行できそうな馬を探して、ぜひ福島ダ1150mの金鉱脈を掘り当ててみてはいかがだろうか。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。