【京成杯AH】重ハンデのアスコリピチェーノを脅かす存在は? 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

京成杯AH2024 上位人気想定馬の評価

アスコリピチェーノ

能力評価:★★★★★

得意条件:デビューから全て大箱のマイルで連対率100%

臨戦過程:春は桜花賞とNHKマイルCの2戦。中17週で始動戦。本番はまだ先だが、1週前追い切りはさすがの動き

《寸評》
阪神JFを1:32.6のレースレコードで制し、桜花賞は4角でステレンボッシュに内から弾かれてしまった分の2着、NHKマイルCは直線で狭くなる致命的な不利があっての2着。能力起因の負け方はまだなく、ジャンタルマンタルと並んで現3歳世代トップのマイラーである。今回はGⅢ善戦級の古馬、あるいは3歳馬が中心のメンバー構成であり、能力が2~3枚抜けている。

中山は初コースになるが、レース巧者なので特段大きな問題もなくこなすと思う。問題はハンデ。55.5キロは古馬牡馬換算で59.5キロ相当。3歳牝馬が古馬重賞で55.5キロ以上を背負うのはレーヴディソール(12月の愛知杯)以来13年ぶり、12月を除くと1986年以降で初めての例となる。実績からすれば妥当だが、重いのは重い。それでいて単勝1倍台なら取りこぼしの可能性も考えてみたい。

ディオ

能力評価:★★★

得意条件:オールラウンダー。条件は特に選ばない

臨戦過程:米子S、関屋記念連続2着から中3週。勝てばサマーマイルシリーズ優勝

《寸評》
よくも悪くもオールラウンダーで、大きな得意条件、苦手条件を持たない。デビューから【5-9-3-4】複勝率81.0%と安定感がある反面、2勝クラスで惜敗を続けていたように、決定力をやや欠く。

米子Sはやや外有利馬場、前後半46.6-44.9のスロー前残りを外枠先行しての2着。関屋記念も前後半47.7-45.2のスロー前残りを先行して2着。ここ2走は展開に恵まれた部分が大きい。57.5キロも能力に比して見込まれた。今回は食指が動かない。

コラソンビート

能力評価:★★★

得意条件:1400mベターだが、マイルもこなす
苦手条件:春2戦物足りず、早熟だった説も

臨戦過程:桜花賞大敗後、葵Sを目指していたが「トモの疲れ」で回避。5ヶ月ぶりの実戦でどこまでやれるか

《寸評》
2歳時は京王杯2歳Sをレコード勝ち、レコード決着の阪神JFでも0.2秒差3着と世代のトップクラスで互角に戦っていた。

しかしフィリーズレビューは有利な最内枠からソツなく立ち回った割にエトヴプレを捕まえきれず2着まで。桜花賞は道中で折り合いを欠いた影響もあるが、最後は完全に止まって16着に敗れた。その内容からマイルは若干長い印象だし、そもそも早熟だったという説も。アスコリピチェーノの陰に隠れて、こちらも古馬牡馬58キロ相当の重ハンデ。厳しいのでは。

エエヤン

能力評価:★★

得意条件:中山マイル【3-1-0-0】
苦手条件:それ以外【0-0-1-7】

臨戦過程:マイラーズC大敗から中19週。条件的に本気度は高そうだが……

《寸評》
3歳時に中山マイルで3連勝。その後東京や京都阪神、中山芝1800mなどを使ったがことごとく大敗し、2走前ダービー卿CTで2着好走。マイラーズCは17着と再び大敗した。中山マイルに特化した馬で、舞台設定はベストといえる。

ただし昨年NZTはレースレベルに疑問符が付くし、今年のダービー卿CTも前後半46.8-46.1と速い逃げではなかったのに後続が放置してくれて大逃げの形。展開の利が大きかった。重賞で好走するには諸々恵まれる要素が必要となる。

ディスペランツァ

能力評価:★★★★

得意条件:スローの瞬発力勝負
苦手条件:ペース締まるとキレ削がれる?

臨戦過程:NHKマイルC7着のあと、休み明けの関屋記念から叩き2戦目

《寸評》
世代屈指のハイレベル戦だった京都2歳Sで6着。シンエンペラーと0.2秒差、ダノンデサイルと0.1秒差で走った。その後マイルに転向すると初戦で1:33.4、自身の上がり33.1秒というGⅠ級の好記録を残して勝利。続くアーリントンCでも上がり32.4秒をマークして重賞初制覇を飾った。阪神外回りの切れ味勝負なら強い。

近2走は連敗したが、まずNHKマイルCは直線不利(それにしても伸びなかった感はあるが)。関屋記念はドスローに上がり32.8秒で追い込み届かずなので、展開不利で片づけてよい。この2戦は悲観しなくていい。差しが届くコンディションなら反撃可能だろう。

オーキッドロマンス

能力評価:★★

得意条件:1400m以下
苦手条件:マイルは長い?

臨戦過程:パラダイスS勝ちから中10週。2歳7月以降は一貫して1400m以下で8戦し、未勝利戦6頭立て5着以来のマイルへ

《寸評》
マイルでデビューしてゴンバデカーブースの3着、2戦目はコラソンビートと対戦して1.1秒差、6頭立て5着に敗れた。これを受けて距離を短縮すると、以後芝では【3-2-1-1】。前走は古馬相手にOPを勝った。この経緯に加え、母エキナシアは現役時代1000mで2勝、1200mで1勝のスプリンターという血統背景もあり、マイルに戻るのは大きなマイナスだろう。

前走パラダイスSも前後半35.5-34.1の緩流で、4角1-3-5番手が残る競馬だった。メンバーレベルも手薄なリステッドらしいもので、正直あまり評価していない。見送り。

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