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【新潟2歳S】コートアリシアンを筆頭に好素材集結 有力馬の調査レポート

新潟2歳S2024 上位人気想定馬の評価

コートアリシアン

能力評価:★★★★★

得意条件:現状は荒削り、広いコースがいい
苦手条件:ゲートと折り合い不安あり、多頭数やスローペースだと?

臨戦過程:6月2週目の東京マイル新馬を勝って中10週。左回り経験は強み

《寸評》
レース内容はこちらの記事にも書いたので詳細は譲るが、ざっくり言うと出遅れ→行きたがって中団へ→直線突き抜けて5馬身差勝ちだった。

勝ち時計1:35.1自体もこの時期の2歳馬としては優秀だが、目を引いたのが後半5F12.0-11.9-11.5-10.9-11.4の57.7秒という数字。「2歳7月以前」「1600m以上」「レース上がり5F57.9秒以下」というレースは8例しかなく、その勝ち馬はワグネリアン、グランアレグリア、セリフォス、ジオグリフ、リバティアイランド、ボンドガール、そして今年のコートアリシアンとクロワデュノール。数字上はGⅠでの活躍が約束されたといっても過言ではない。

また新潟2歳Sというレース自体、過去10年の連対馬20頭は全て「左回り経験」があった。左回り未出走は【0-0-5-25】と3着が精いっぱいであり、経験値がキーになる。その点、左回りのマイル戦を経験しているのは相対的に強みといえる。

シンフォーエバー

能力評価:★★

得意条件:不明

臨戦過程:新潟2週目の新馬戦を勝って中2週。中間はソフト調整

《寸評》
新馬戦は他馬の出脚が遅く、押し出されるように先頭へ。逃げるとただペースを落とすのが戸崎騎手のクセであり、前半3F36.9秒、5F62.6秒の超スローペースに持ち込んだ。直線に向いてもなかなか仕掛けず、内回りとの合流点(≒残り358m)から本格的にスパート。ラスト2F10.7-11.0を踏んで逃げ切った。

確かに上がりは速いが、内容としてはドスローの逃げ切りであり、1:35.9の時計も同日アルレッキーノが1:33.3で駆けた馬場を考慮すると低調と言わざるを得ない。コーナーと直線でやや右に張る若さも見せており、気性的な課題も残す。今回は見送りが賢明と見る。

スターウェーブ

能力評価:★★★★

得意条件:不明

臨戦過程:2歳戦開幕週の新馬を勝って中11週。初戦時に比べると時計は控えめ

《寸評》
新馬戦は好発を切ったが抑えて5番手から。前半3F36.7秒の超スローペースでも折り合いはつき、直線に向くと軽く仕掛けただけで反応鋭く馬群を割り、早々と先頭に立つ。そのままラスト11.3-11.3-11.2の加速ラップでまとめて押し切った。能力があるのはもちろん、レースセンスも高い。

あのスローペースで我慢できるなら今回の200mの延長はさほど苦労しないと見る。どちらかといえばハイペースになった時に脚が溜まるかが不安。ただ新潟2歳S自体、テンから飛ばして削り合い……みたいな重賞ではない。堅実に走ってくるだろう。

プロクレイア

能力評価:★★★

得意条件:不明

臨戦過程:新潟開幕週の新馬を勝って中3週。こちらも中間はソフトに

《寸評》
新馬戦はゲートが決まらずやや後方から。外を回って手応え十分に直線へ向くと、先に抜け出したダンケルドを差し切った。この日は開幕週のややイン有利な馬場と直線向かい風の影響で総じて前残り傾向が見られており、差しでの勝利はそれなりに価値が高い。同じコースを経験したのも強み。チャンスのある1頭。

トータルクラリティ

能力評価:★★★★

得意条件:不明

臨戦過程:6月京都の新馬勝ちから中9週。左回り未経験

《寸評》
ゲートの出方は若干バランスが怪しかったが、ダッシュはついて3番手から。同日マーメイドSで1:57.2が出た高速馬場にしては、前半3F37.0秒、5F通過62.4秒はあまりにも遅く、(この馬に限らず)折り合いに苦労していた。直線に向くと大外から伸び、ラトラースとの追い比べを制して新馬勝ち。ラストは11.4-10.9の強烈な数字が記録された。

高速馬場とドスローを差し引く必要はあるが、それにしてもラスト10.9はある程度の能力がないと出せない。一定の価値は感じる。

またバゴ産駒の新馬勝ちは比較的珍しく、JRAでは通算20回目。「新馬戦を勝ったバゴ産駒」20頭からはトロワボヌール、クリスマス、コマノインパルス、クロノジェネシス、ステラヴェローチェと5頭の重賞馬が出ており、25%で重賞を勝つと思えば、確率としてはそこそこ高い。

今回は左回り未経験という点がレースの傾向に反しており、買い時としてはイマイチか。ただ、逆に言えばここでしっかり走れるようなら将来は明るい。

ジョリーレーヌ

能力評価:★★★

得意条件:スローなら切れる

臨戦過程:東京での新馬勝ちから中8週。2週前から美浦Wで好時計マーク

《寸評》
新馬戦はやや出負け気味で中団馬群の中を追走。前半3F39.2秒、5F65.4秒の超スーパーウルトラスローペースという感じで、さすがに道中少し行きたがった。直線は外に持ち出されると、ノーステッキで余力ありげの追われ方で差し切り。ラスト11.4-10.9のラップを記録した。

あまりにもペースが緩かったせいで勝ち時計1:39.9も極めて遅く、レースというより芝400mを騎手騎乗で追い切ったようなもの。能力判断のしようがない。この手の新馬戦だと全体時計1:39.0(ラスト10.8-10.7)から出世したナミュールの例があり、大物の可能性も秘めているが……。今回は良くも悪くも未知の部分が多い。オッズ次第で「ポテンシャル買い」を一考する。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。