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【ホープフルS】強烈なポテンシャルの持ち主は抽選対象馬に 有力馬の調査レポート

ホープフルS

シンエンペラー

能力評価:★★★★

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:11月デビューから中2週→中4週でここへ。割とタイトなローテーション

《寸評》
新馬戦はラスト11.1-11.0の加速ラップを踏んで3馬身差の快勝。京都2歳Sはアオり気味のスタート、序盤やや折り合いを欠く場面がありながら、直線はしっかりと脚を伸ばしてG前で捕らえ切った。一定の能力は感じるが、前後半59.1-60.7の前傾でイン後方から4角までイン、直線詰まらずに脚を使わせたモレイラの好騎乗に助けられた部分も大きい。

ゲートが若干怪しく、一度使って折り合いに難しさが出たとするならば、さらなる連戦で中山の多頭数替わりはポジティブな材料ではない。そもそも京都2歳Sは前週東スポ杯に素質馬が流れる関係もあり、例年あまりメンバーレベルが高くなりにくいレースでもある。想定1番人気なら嫌う手もあり。

ゴンバデカーブース

能力評価:★★★★★

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:6月東京デビューで早々に勝ち上がり、サウジアラビアRCを勝って中11週。過程の順調さは世代トップクラス。

《寸評》
新馬戦は昨年までステルヴィオとグランアレグリアしかクリアしていなかった「6月東京マイル新馬1分34秒台」での勝利。実際2~5着馬、10着馬、12着馬が既に勝ち上がっており、レースレベルはかなり高かった。

2戦目はボンドガール、シュトラウスという2頭の強敵を撃破して2馬身差V。初戦が逃げ切りだっただけに、2戦目追い込みの形を経験したのは非常に好感が持てる。

やはり問題は400m延長と中山替わりに対応できるかどうか。こればかりはやってみないと分からないが、ジャンダルムやロードクエストも好走したように、本質的な適性がズレていても折り合いさえつけば現時点ではなんとかなる。今のところ最重視の予定。

レガレイラ

能力評価:★★★

苦手条件:ややゲート怪しく、小回り多頭数でどうか

近走内容と臨戦過程:7月に函館で勝ち上がり、間隔を十分にとりつつ3戦目。抽選対象。

《寸評》
新馬戦は出遅れから徐々に上がっていくと直線鋭く伸びてセットアップ(札幌2歳S勝ち)を撃破。2戦目も若干ゲートの出は怪しかったが、6頭立ての3番手を追走。ただ、このレースはドスローからラスト11.2-10.9-11.0で前の馬を捕まえきれなかった。

能力的に底は見せていない反面、裏付けもあまりない。ここまでは2戦とも少頭数のスローしかやっておらず、ホープフルSの条件は完全に未知数。一般論としてゲート難は多頭数替わり、中山替わりでより大きなロスをもたらすことになる。上位人気なら未知のポテンシャルよりリスクが気になる。

ヴェロキラプトル

能力評価:★★

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:6月東京、9月阪神の1800m戦で連勝。1周競馬は初めて

《寸評》
新馬戦は1000m通過63.4秒のドスローを逃げて上がり33.8秒での押し切り。負かした馬から勝ち上がりはちらほら出ており、レースレベルが極端に低いわけではないが、恵まれての勝利という感は否めない。

2戦目の野路菊Sも高速馬場とハイペースが作用して時計はいいが、ここに出走していた馬たちの以後の全成績は【0-1-0-10】。フナデが5頭立ての紫菊賞で2着になった以外は全く通用しておらず、低調な相手関係だったと言わざるを得ない。2戦2勝の戦績を買われてある程度人気するのであれば消し。

センチュリボンド

能力評価:★★

苦手条件:瞬発力勝負?

近走内容と臨戦過程:札幌で2戦して勝ち上がり、ひと休み挟んで黄菊賞勝利からの秋2戦目。初の関東圏輸送

《寸評》
新馬戦は稍重馬場とはいえ1000m通過67.0秒のレースを3角先頭も、ウールデュボヌールとウインマクシマムに0.3秒離されての敗戦。未勝利勝ちは逃げがやたら残っていた札幌最終週での逃げ切り。黄菊賞は1000m61.3秒ののち12.9-12.2-11.6-11.7-12.1。いわゆるスローの4Fスパートであり、先行勢が恵まれやすいラップ構成での勝利だった。ここまでの内容から能力面で特筆すべきものは正直見えていない。先行力としぶとさがあって冬の中山芝2000m多頭数戦という条件は悪くないが……。

そもそも母含め近親がほぼダート馬であり、ゆくゆくはダートを走っていそうな気もする。強気にはなれず。

ミスタージーティー

能力評価:★★★★

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:11月初週の京都新馬勝ちから中6週。当然ながら初の関東圏。抽選対象。

《寸評》
新馬戦はアオり気味のスタートで後方から。1000m通過63.4秒から後半11.7-11.7-11.2-11.5でかなり差しにくいラップだった上に、直線では外に膨れるような幼い面も覗かせつつ、G前一気に差を詰めて差し切った。偉い内容。2着ハヤテノフクノスケが次走0.8秒差の圧勝を収めており、負かした相手にも一定の担保がある。

レガレイラのところでも書いた通り、ゲートを上手に出られなかったときに多頭数が響くというリスクはある。ただコチラに関してはせいぜい4~6番人気くらいであり、そのリスクよりポテンシャルへの評価を優先させるのも可だろう。まずは抽選突破を祈る。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。