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【阪神JF】ボンドガールを脅かす馬はいるのか? 有力馬の調査レポート

阪神ジュベナイルフィリーズの有力馬レポ

ボンドガール

能力評価:GⅠ級

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:新馬戦は見事な数字でチェルヴィニア撃破。2戦目のサウジアラビアRC以来中8週。余裕を持ったローテーション。

《寸評》
新馬戦が「どう考えてもGⅠ馬です」みたいな内容。2歳6月東京マイルで1.34.6、後半1000m57.5秒がとてつもなく優秀な数字なのだが、それに加え2着チェルヴィニア(アルテミスS)、3着コラソンビート(京王杯2歳S)など破った馬たちも続々と活躍し、この馬に箔を付けている。

サウジアラビアRCは鞍上のコメントが出ないので敗因が判然としないが、勝ち時計1.33.4は文句なしの水準であり、結局「ゴンバデカーブースがもっと強かった」という話だろう。3着シュトラウスが東スポ杯2歳Sを制した点も、この組のレベルの高さを示唆する。牝馬どうしなら能力は抜けている。

コラソンビート

能力評価:GⅠ好走級

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:京王杯2歳Sはやや相手が手薄ではあったがレコードV。ラフィアンらしいコンスタントな出走でこれが4戦目。初の関西圏、初の右回り。

《寸評》
新馬戦ではボンドガールとチェルヴィニアの後塵を拝したが、その後は順調に3連勝。強い相手にぶつけていないのは事実で初戦の実力差を埋める根拠がない。ただ、スワーヴリチャード×オルフェーヴルで近親にウインマリリンなどがいる血統面から、GⅠらしくスタミナも問われるような展開になれば相対的に浮上するだろう。

余談だが、過去10年の阪神JFで高回収率の血統はステイゴールドとサドラーズウェルズ。そういう重厚なエッセンスが入っていた方がいいのかもしれませんね。まあ血統のプロじゃないので、あまり深くは突っ込まないが。

サフィラ

能力評価:GⅠ好走級

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:アルテミスSはチェルヴィニア相手になすすべなし。中5週で地元に。

《寸評》
デビュー戦は進路取りに苦慮し、狭い内を突こうとしたところラチに接触するアクシデントで敗戦。2戦目は1800mの少頭数で力通りの圧勝。3戦目となったアルテミスSは先行したチェルヴィニアに上がり33.3、レースラップ11.4-11.2-11.0でまとめられては為すすべがなかった。

ボンドガール>チェルヴィニアだった例の新馬を信じるのであれば、ボンドガール>チェルヴィニア>サフィラという序列が出来上がってしまう。しかし操縦性という点ではボンドガールより高そうだし、継続騎乗の利もある。あとはホームアドバンテージで差をどこまで詰められるかが焦点。

アスコリピチェーノ

能力評価:GⅢ~GⅡ級

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:8月で早々に賞金を確保して、そこからの直行。有力馬の中で最も余裕を持ってきたローテーション。

《寸評》
明らかにハイレベルだったボンドガールの新馬とは対照的に、アスコリピチェーノの新馬はまだ勝ち上がりが5着ニシノコイゴコロだけ。負かした相手には疑問。とはいえ2戦ともスロー寄りのペース、前残りになってもおかしくない展開を差し切った点はそれなりに評価する。

ステレンボッシュ

能力評価:GⅠ好走級?

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:サフラン賞が案外な敗戦。赤松賞からの中2週となると、なんとなくナミュールのことがチラつく。

《寸評》
札幌での新馬戦は初角で膨れてきた馬のアオりを受けたが、そこからレースに復帰すると、きっちり差し切って勝利。まあ見た目には素晴らしい。ただ、6頭立てで他が弱かった面も否めない。サフラン賞がもうひとつ弾けなかったが、赤松賞は1.33.8の時計で勝利。単純比較だがボンドガール(1.33.7)やサフィラ(1.33.9)に匹敵する時計で走っているわけで、蓋を開けたらこの馬が強かった、というシナリオも考えられる。ちなみに、阪神JFは札幌芝1800mで新馬勝ちした馬がよく走るレースでもある。

キャットファイト

能力評価:GⅠ級?

得意条件:ハイペース?

近走内容と臨戦過程:アスター賞が圧巻V。ゆとりあるローテは好印象。あとは初の関西輸送がどうか。

《寸評》
6月時点ではボンドガール、コラソンビートらに決定的な差をつけられたが、道中引っかかって頭を上げていたし、自身も上がり33.7秒の脚は使ってはいた。

なにしろ強烈だったのはアスター賞。稍重馬場ながら2歳コースレコードの1.33.1、5馬身の着差がついたわけで、展開や馬場を差し引いてもGⅠ級の内容と言っていい。おそらくハイペースの方が折り合い的に楽で、キレ不足も補える模様。ボンドガール組から一発狙うなら良くも悪くも着実なコラソンビートより、ひと夏越して覚醒した可能性があるコチラではないか。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。