札幌記念2025 上位人気想定馬の評価
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ホウオウビスケッツ
《寸評》
昨年の毎日王冠2着、天皇賞(秋)3着の実績馬。ただ、毎日王冠は1000m通過59.4秒から上がり3F33.7秒のスローペース、天皇賞(秋)も1000m通過59.9秒から上がり3F33.7秒と、どちらも前有利な展開の恩恵はあった。中山金杯は59.5kgの斤量もあったとはいえGⅢで9着敗退。能力的に突出しているわけではない。
大阪杯では先行して5着と健闘。ただ、この時も内有利な高速馬場で、暴走したデシエルトを除いてミドル(前後半推定58.3-57.9くらい)の流れをイン2で立ち回っており、上手く乗った結果ではあった。
今回のやや手薄なメンバーなら能力上位ではあるが、近走は展開や馬場の恩恵を受けたレースが多いことには注意。1番人気で全幅の信頼まではどうか。
ステレンボッシュ
《寸評》
昨年は桜花賞勝ち、オークス2着、秋華賞3着、香港ヴァーズとすべて好走。距離、コース形態を問わず安定して結果を出した。
ただ、今年に入ってからの2戦が振るわない。大阪杯は内有利馬場の外枠でトラックバイアスの不利もあったとはいえ13着に大敗。自分の隣にいたすぐカラテにも先着されており、進路取りのロスを差し引いても物足りないパフォーマンスだった。ヴィクトリアマイルも8着と、本来の走りには程遠い。
エピファネイア産駒の有力馬には突如原因不明のスランプに陥って戻ってこない馬がちらほらいる。エフフォーリア、アリストテレスが代表格で、ブローザホーンも昨年春の走りが急に失われてしまった。その点でも春の2敗はイヤな感じ。もっと人気を落とすならまだしも、なお上位人気なら信頼度は低め。
コスモキュランダ
《寸評》
弥生賞を制し、皐月賞でもジャスティンミラノとタイム差なしの2着と好走した実力馬。ロングスパート巧者で消耗戦には強い。
昨年セントライト記念は内有利馬場を外からマクって2着。菊花賞は距離が長すぎて折り合いを欠いた。中日新聞杯は3歳でハンデ58キロの不利があり、内有利馬場の外々をマクって不発。AJCCでは対ダノンデサイル0.1秒差と、近走の内容も総じて悪くない。
前走の大阪杯は1分56秒2のレコードが出た通り、馬場が速すぎた。洋芝の札幌なら高速といっても1分58秒台くらいはかかるはずで、スタミナを生かしたいこの馬にとっては条件が大幅に好転する。また、札幌記念の過去データを見ても中山の芝GⅡ~GⅠで連対歴のある馬が好成績。その点にも合致する。重い印を打つ予定。
ヴェローチェエラ
《寸評》
昨年11月に条件戦を勝った後、3戦は結果が出なかったが、前走函館記念でレコードV。負けたレースの敗因は明確で、日経新春杯は左回りに苦労したもの、阪神大賞典と大阪-ハンブルクCは距離が長かった。半姉オックスリップは1200mで活躍していた馬で、こちらもレースぶり的に2400m以上だとちょっと長い。右の2000mがベスト。
函館記念は外伸びのトラックバイアスが味方した面もあるが、残り800mくらいから自らマクリに動き、そのまま押し切ってレコード勝ち。早めに仕掛けた上でラスト11.7-11.6と加速ラップでもあった。優秀な勝ち方といっていい。
基本的に函館記念→札幌記念のローテは格段に相手強化となるため、通用しない年が多い。ただ、今年はGⅠ馬が1頭しかいない。過去10年の札幌記念において、GⅠ馬が1頭以下だったのは2017年(0頭)だけで、その年は函館記念で大敗したサクラアンプルールとナリタハリケーンのワンツー。例年ほど相手強化は気にならない。
ハヤテノフクノスケ
《寸評》
ヴェローチェエラと同じく函館記念組。GⅠは菊花賞、天皇賞(春)どちらも大敗に終わったが、函館記念2着と重賞通用のメドを立ててきた。
その函館記念は、先に書いた通り外伸びのトラックバイアス。前後半58.1-59.5のハイペースでもあり、この馬以外の1~6着馬はいずれも外枠の差し馬だった。3番枠から先行して2着という内容はなかなかに評価できるもの。0.3秒差でもヴェローチェエラと同格くらいの能力はあると思う。オッズ妙味込みで狙ってみたい1頭。
ココナッツブラウン
《寸評》
陣営曰く「輸送が苦手」らしく、馬体重を大きく減らしてしまうとのこと。実際、過去に2度だけ4着以下に敗れた際はそれぞれマイナス14キロ(ローズS5着)、マイナス16キロ(斑鳩S10着)だった。となれば滞在が合うのは当然の帰着で、前走クイーンSは馬体重+20キロで出走して2着。前が詰まっていなければ勝っていただろう。
2走前の錦Sのラップも秀逸だった。稍重馬場でラスト11.0-10.9の加速ラップを後方から差し切り勝ち。京都芝1600m、ラスト1F10秒台のレースは昨年水無月S(ジュンブロッサム→その後富士S勝ち)しか例がなく、これが2つ目。重賞級の力があるのは間違いない。
今回も滞在で臨めるのはいい材料だが、牝限のGⅢ→牡馬混合の定量GⅡで相手関係は一気に上がる。また、折り合い面からベストは1600-1800mと思われ、200mの距離延長も歓迎とはいえない。そのあたりがどうか。