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キーンランドCは豪快に でも、内からボワっとイン突きおじさん登場があるかも?

キーンランドCは豪快に行こう。

札幌開催だった直近9年で見ると上がり最速の馬が【4-2-0-4】で、6~8枠が7勝(念押しすると「9年で」7勝です)。逆に1・2枠は【0-0-2-29】と連対がない。

結論を早々に発表しちゃうともうブラウザバックされそうだけど、外から、ド派手に、豪快にぶっ差す競馬が正解なのだ。

JRAの芝1200mで、外差しが有利なコースはほぼない。直線の長さでいえば中京だけど、中京は3・4角インアウトの差が大きくて、雑な外差しは許されない。内回りを使う京都や阪神も似たようなものだ。だからこそ、エイティーンガールのように一本筋の通った豪快タイプにとってはスゴく貴重な重賞というわけだ。

じゃあどの馬が上がり最速なのか? そんなことが事前に分かれば苦労はしない。とはいえ、前走のレース結果からある程度絞り込むことは可能だ。

前走上がり2位と3位の間にラインを引いてあげると、一目瞭然。全然違う。もう一歩踏み込むと、函館でイイ脚を見せていた馬はチョベリグだ。なんでか? それは函館が豪快なヤツに厳しい、窮屈な現代社会みたいなコース形態で、もう少しコーナーの緩い札幌、外が伸びる開催終盤の馬場への条件替わりが大きなプラスになるからだろう。うん、もっともらしいぞ。

じゃあ函館で上がり2位以内だった馬を探してみよう。登録が22頭もいるから大変だ、と思ったけど、意外にもキミワクイーン、ゾンニッヒの2頭しかいない。どっちも普通に上位人気だ。

ここでオシマイにしても悪くはない気がするけど、キミワクイーンは武史騎手の「前走ほどじゃない」という正直コメントが気になる。武史の正直は信憑性が高い。

ゾンニッヒは初の1200mだった青函Sが前後半34.6-34.7のスローペース。重賞でもう少し流れたときに戸惑わないかが心配だ。そもそも、5番手から上がり2位の34.1秒で抜け出して勝利、なんて優等生だ。豪快とはいえない。

ということで、もう少しだけ妄想を続けてみよう。

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【過去問演習のトウシン。馬場の内からボワっと、イン突きおじさん登場か?】

キーンランドCを大学受験にたとえるなら、さっきも話題に上げたエイティーンガール、つまり2・3年前に出題された問題は研究しておかなければなるまい。

5番人気1着だった2020年は重馬場で7枠14番、4角12番手からの差し切り。それまでは京都で強烈な末脚を見せながら届かず、前走のUHB賞では自分のスタイルを変えて前で運んだら伸びず、本番は追い込みに戻しての好走だった。

7番人気2着だった2021年は5枠9番、4角10番手から差してきた。この年も高松宮記念で上がり最速7着。UHB賞は上がり2位の33.6秒を使うも13着。

つまり「追い込みが届かないレースに出て、追い込んで届かなかったor勝つためにスタイルを変えたけど不発だった」姿が見えていれば、キーンランドCでの劇的ビフォーアフターが望めるのではないか?

と考えると、まずはトウシンマカオ。京阪杯は上がり33.0秒の末脚で差し切り、シルクロードSは58.5キロのハンデと15番枠で4着が精いっぱい、高松宮記念は馬場が悪くて競馬にならず、函館スプリントSは最内枠から勝つための前受けを敢行したけど伸びきれなかった。前走の負け方はエイティーンガール1回目と同パターンだ。

愚直に追い込み続けている方だとナランフレグ。マイル挑戦の前走は別として、オーシャンS、高松宮記念はどちらも上がり2位。2回目の方に似ていなくもない。

そういった意味では、上の2頭に実績では劣るもののロードマックスも仲間だ。といっても、現状は除外対象か。この3頭(おそらく2頭)がなるべく外の枠を引いてくれるよう祈っておきたい。

……ここまで書いておいて、急に手のひらを返すようになってしまうのが恐縮なのだけど。去年はこのアプローチと真逆の結果になった。外差し馬場を騎手のみなさんが意識しすぎて、内を空けすぎてしまったからだ。

「トラックバイアス」という言葉や概念が市民権を得たから、かどうかは分からないけど、内が荒れてくるとそこをポッカリ空けるレースが以前より増えた気がする。去年の北九州記念ボンボヤージや、先週の札幌記念もそうだった。結局、内からボワっと現れたトップナイフが大穴を空け、律義に外を通った方々は振るわなかった。

そっちのパターンなら、ヴァトレニwith横山和生のタッグは不気味だ。馬は去年このレースで、騎手は先週、それぞれ内を絶妙に使ってアっと言わせている。いわずと知れた洋芝巧者でもあり、想定10番人気ならアリなんじゃないか。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。