能力評価:★★★★
得意条件:消耗戦、長距離戦
苦手条件:高速馬場の中距離戦は?
臨戦過程:宝塚記念を制して中14週での始動戦。当然メイチではないだろうが、まずまず仕上がる
《寸評》
デビューから全6勝のうち、4勝は稍重~不良馬場で挙げたもの。残る2勝はレース上がり35.6秒、レース上がり36.4秒で「消耗戦に強い道悪巧者」というキャラクター。
宝塚記念はロングラン開催と大雨が重なり、外差し有利のトラックバイアス・重馬場という条件下で行われた。GⅠ勝ちの実績はもちろん立派だが、外的要因がこの馬に味方した部分も大きい。
後述するプラダリア、ディープボンドにも言えることだが、今回はどういう馬場になるかがまず焦点。春は徹底的に傷んだ京都芝が3か月の休養でどこまで回復しているか。年末までの3ヶ月連続開催を見据えた開幕週なので、硬め速めに作りたいのがJRAの本音だと推測しているが……。高速馬場ならやや信頼度は下がる。
能力評価:★★★
得意条件:広いコースの少頭数戦
苦手条件:器用さ求められる条件
臨戦過程:目黒記念4着から中18週空けて秋初戦、休み明けは苦にしない
《寸評》
京都新聞杯と神戸新聞杯を制覇。どちらも鞍上が豪腕で動かしてカラくも勝たせたものであり、操縦性はあまりよくない。広いコースがよい。
前走の目黒記念は前後半推定61.8-58.7のスローペース。後方一気を決めたシュトルーヴェの強さが目立った一方、それ以外はおおむね前残りの決着だった。4番手追走からシュヴァリエローズやクロミナンスに最後競り負けての4着はあまりいい内容とはいえない。ただ、別定戦に替わって斤量面は好転する。阪神芝2400mのレコードホルダーでもあり、高速馬場なら相対的にこの馬の評価が上がる。
能力評価:★★★★
得意条件:2200m~2500m、道悪
臨戦過程:宝塚記念から中14週で秋初戦。1週前は格下に遅れてやや不安残す
《寸評》
3歳時に重馬場の2400mで1.1秒差の圧勝。昨年も京都大賞典を重馬場で勝つなど道悪が合う。距離は2200~2500mが理想。大阪杯はどちらかというとマイラー寄りのタイプがよく来る条件で、0.4秒差6着はむしろ健闘した方だろう。
宝塚記念は距離も馬場も得意な条件ではあったが、結果的にはもっと外、差しに構えた馬たちの競馬になった。ブローザホーンとも着差ほどの決定的な差はないと見る。ただ、今回は休み明けでどうも陣営のトーンが上がっていない。デキがどうか。
能力評価:★★★★
得意条件:京都コース、道悪、消耗戦、3000m級
苦手条件:瞬発力勝負
臨戦過程:宝塚記念から中14週で秋初戦
《寸評》
長距離戦や道悪など、上がりがかかってスタミナが生きるレースが合う。国内のGⅡ以下にフォーカスすると「レース上がり35.4秒以下」で【0-1-0-4】に対し、同35.5秒以上で【4-0-2-1】と明暗がくっきり分かれている。
下り坂加速でズブさを補える京都外回りコースは得意だが、スローペースの瞬発力勝負になると分が悪い。バビット単騎の少頭数戦であまりペースが上がってくれる見込みもなく……。
能力評価:★★★
得意条件:道悪OK
臨戦過程:天皇賞(春)以来、中22週での一戦。8月中旬から在厩で豊富に乗り込まれる
《寸評》
後方一辺倒の脚質で3歳春は差し損ねが多かったが、神戸新聞杯は上がり最速32.9秒の脚で6着。今回再戦するサトノグランツから0.3秒差だった。
天皇賞(春)は不利な17番枠だったものの、スタート直後すんなり内ラチ沿いまで潜り込めた。2周目4角で大外へ行ったブローザホーンとは対照的に内でじっと我慢し、直線イン突きを完璧に決めて4着まで。ブローザホーン、ディープボンドと比べると内容面でやや見劣る。成長と仕上げ、斤量でどこまで差を埋められるかの一戦。
能力評価:★★★
得意条件:2200m以上
臨戦過程:目黒記念から中18週で秋初戦。ポン駆けするタイプで
《寸評》
デビューから年初の白富士Sまで26戦全て2000m以下を使われていた。しかしOPの1800~2000m路線だと押しても位置が取れず、その上ジリ脚なので決め手を欠いてきた。京都記念で2200mに延ばすと4着と進境を見せ、ここ2走はさらに延ばして3着、2着と好走。ようやく適距離に辿り着いた感はある。
ただその京都記念ではプラダリアから0.5秒差離されたし、目黒記念ではサトノグランツに先着したとはいえ、当時2.5キロ軽かった斤量差がなくなってしまう。純粋な能力比較だと一枚落ちる。先行策なら展開の利はある。