【金鯱賞2025】5分で予習! 過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

金鯱賞2025の概要

開催日

2025年3月16日(日)

グレード

GⅡ・4歳以上

コース

中京芝2000m

概要と歴史

1着馬に大阪杯への優先出走権が付与されるトライアル競走。1995年までは主に1800mのハンデ重賞であったが、1996年からGⅡに昇格し別定戦に。「高松宮杯(※短距離GⅠに条件変更)」の後を担う形で宝塚記念の前哨戦となった。その後2012年~2016年は有馬記念の前哨戦として12月に行われ、17年から現行の時期に移って今度は大阪杯の前哨戦となった。夏→冬→春と施行時期がコロコロ変わってきた重賞だ。

1998年にはサイレンススズカが伝説の大差勝ち。ほか、03~05年にはタップダンスシチーが3連覇、16~17年にはヤマカツエースが12月→3月で変則連覇を果たした。23~24年はプログノーシスが連覇し、今年も3連覇をかけて出走を予定している。

金鯱賞2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬11頭

アスクドゥポルテ
キングズパレス
クイーンズウォーク
コパノサントス
ディープモンスター
デシエルト
プログノーシス
ホウオウビスケッツ
マイネルモーント
ライラック
ラヴェル

金鯱賞の基本データ(過去10年)

※枠順と脚質の脚質、前走については3月開催になった17年以降

人気と配当の傾向

1番人気は過去10年で【5-3-1-1】、現行時期に移ってからは【5-2-1-0】と崩れていない。紛れやすいコースだが、このレースに限っては手頃な頭数になる年が多いこともあり、実績馬が順当に結果を出している。

ただし6番人気以下も2着4回、3着6回と、人気薄も馬券圏内には絡んでくる。2021年には10頭立て最低人気、単勝オッズ227.3倍の伏兵ギベオンが前年の三冠牝馬デアリングタクトを破る波乱もあった。

平均馬連配当は3953円。最高配当は1万3570円(21年ギベオン→デアリングタクト)、最低配当は  280円(24年プログノーシス→ドゥレッツァ)。

枠順と脚質の傾向

枠順と脚質については3月開幕週に移行した2017年以降の8戦を対象とする。成績がいいのは真ん中からやや内より、3~5枠あたり。馬番でいうと3-6番が【5-4-2-21】複勝率34.4%、複回収率131%で黒字計上だ。

脚質的には前残りばっかり。昨年は前半1000m58.4秒のハイペースもあってさすがに差し優勢だったが、それでも3着には先行した6番人気ヨーホーレイクが残った。逃げ馬の成績【2-3-1-2】複勝率75.0%。ギベオンの存在もあり、単回収率2866%、複回収率463%という異次元の数字になっている。開幕週の中京芝コースで前は簡単に止まらない。

前走について

前走についても同じく3月開催の17年以降を対象とする。

まず前走が3勝クラスだった馬は【0-0-0-3】。サンプルが少ない上、1頭は格上挑戦馬なのでダメと決めつけるほどでもない。ただまあ、一般論として3勝クラス→別定GⅡへのジャンプアップはそう簡単に成功しない。

前走OP・リステッド組は【2-0-3-9】……というより白富士S【2-0-3-2】だけが好成績。さらに前走で4角5番手以内だった馬に限ると【2-0-2-0】になる。逃げ先行不利の東京芝2000m→前残りが多い金鯱賞替わりは馬券に生かしたい。

GⅢ~GⅡ組は【1-3-3-44】複勝率13.7%、複回収率41%と苦戦。特にAJCC組【0-0-0-7】や京都記念組【0-0-0-5】など距離短縮組の不振が目立つ。

GⅠ組はレース別にチェック。出走数の多い有馬記念組は【3-0-1-9】。7着以内が【3-0-1-1】、同8着以下【0-0-0-8】とキレイに分かれる。また香港カップや凱旋門賞など前走海外なら【1-3-1-2】複勝率71.4%だ。

ちなみに前走GⅠの8着以下馬は【0-1-1-11】で、巻き返し2頭は道悪の凱旋門賞大敗から帰国初戦だった。国内GⅠの大敗馬は結果を出せていない。

金鯱賞2025の参考レース

参考レース① 中日新聞杯

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

冬の中京開催2週目でまだトラックバイアスは内優勢。デシエルトが1000m通過58.8秒の締まったペースで逃げ、内で溜めた差しが有利な競馬だったと評価する。

1着デシエルトは逃げてトラックバイアスの恩恵を受けた側だが、上記の通り1000m通過58.8秒のハイペース、かつ残り1400mから11.9-11.6-11.8と道中も暴走気味にかっ飛ばした。他の先行勢はみな9着以下に沈んでおり、この逃げ切りは強いの一言。2着ロードデルレイなど次走以降の好走馬も多く、レースレベル自体も高かった。GⅠを意識できる走り。

5着キングズパレスはインの後方でじっと待機。外に回ったのは4角を出るところだけで、見た目ほどの距離ロスはない。ハイペースとはいえ残り3F地点で先頭より1.8秒後ろにおり、さすがに遠かったか。

参考レース② 有馬記念

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

この日の中山芝は有馬までに5戦行われ、マイル新馬を除く4戦で7-8枠が勝利。外からの押し上げが利くトラックバイアスだった。前後半62.8-57.9なので全体としてはスローだが、残り1000mから(風もあるとはいえ)11.3-11.4とペースアップが早く、そして急激過ぎた。中団で仕掛けを待ち、直線は外に出した差し馬が恵まれたレースと見る。

11着プログノーシスは大きく出遅れ。戦前の危惧通り折り合いを欠き、しかも伸びない最内を追走してきた。直線も大きく止まってはおらず、2500mが全くダメではなかったが、やはり本質的には2000mがベターだろう。相手緩和と得意コースで反撃を期す。

参考レース③ 中山金杯

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

中山芝は例年の進行と違ってこの週がBコース替わり(例年はCコース)。極端なバイアスはなく、フラット~やや内有利くらいだった。ただ、金杯に限れば1000m通過58.7秒かつ道中ずっと11秒台が続く締まったペースで外追走勢は不利なラップ構成。内目で脚を溜めた馬が有利だったと評価する。

2着マイネルモーントはまさに内目で脚を溜め、直線もスムーズに捌けた。展開と馬場がモロに向いた。勝ち馬より3キロ軽いハンデの恩恵もあった。さほど評価はできない。

9着ホウオウビスケッツは59.5キロの重ハンデ。2番手追走から踏ん張り切れなかった。そもそも毎日王冠と天皇賞(秋)は展開的にかなりラクだったので、ミドル以上の流れになるとこんなものか。あるいは、岩田康騎手でないと力を引き出せないのかもしれない。

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