CBC賞2024 上位人気想定馬の評価
ピューロマジック
能力評価：★★★★
得意条件：内有利馬場、直線平坦コース
臨戦過程：葵S、北九州記念と重賞連勝して中6週。ハンデは前走より2.5キロ増
《寸評》
とにかく速い。テンの400mなら日本競馬史上最速なのではと思えるレベル。前走北九州記念も雨の影響が残った馬場ながら、ほとんど無理なく11.4-10.2-10.7で入っていた。スピードという意味では比肩する者すらおらず、今回も十中八九逃げる。
スピードに任せた逃げがハマりやすいコースで強みが最大限発揮される馬。開幕週の小倉という前走の条件はあまりにも絶好だったので、この中京替わりはややマイナスと解釈する。実際これまでの勝利は札幌、京都、京都、小倉で、直線坂ありの阪神では最後に捕まってきた。
もうひとつ大きな懸念はハンデ。3歳牝馬での55.5キロはアローワンスを考慮すると、古馬牡馬換算で59.5キロ相当。阪急杯勝ち、阪神C3着などの実績があるアグリよりも実質1キロ重い。労せず行ける逃げ馬なので軽視はできないが、やすやすと逃げ切れる条件でもない。
アグリ
能力評価：★★★★★
得意条件：理想は1400m
臨戦過程：サウジ遠征からじっくり間隔を空けて半年ぶり。安田隆行厩舎の定年に伴って杉山晴紀厩舎への転厩初戦
《寸評》
昨年の阪急杯を勝ち、スプリンターズSは内有利馬場で外を回って7着、好メンバーの揃った阪神Cでも3着など、能力面では準GⅠ級くらいのものはある。
ただ1200mだとどうしても序盤で位置がとれず、差し遅れ気味になる。理想は1400m。また、あくまでスプリンターズSに向けた叩きという位置づけでもあり、サマースプリント優勝がかかるピューロマジックあたりに比べると仕上げにも差がありそう。今回は地力頼みでどこまでやれるかという一戦。あまり積極的に手を出したいタイミングではない。
スズハローム
能力評価：★★★
得意条件：高速馬場巧者？
苦手条件：たまに原因不明の凡走あり。ムラ馬？
臨戦過程：京王杯SC以来、およそ3か月ぶりの実戦で初の1200m。1週前は栗東CWで好ラップを記録
《寸評》
古い話になるが、中山マイルの2歳未勝利戦で出遅れから外をマクり上げ、ラスト11.8-11.7の加速ラップでまとめる衝撃のレースがあり、その頃から注視してきた。（奇しくも前年にサークルオブライフが勝った未勝利戦とそっくりだったので、「サークルオブライフ2世」などと呼んだりしていた。）
その後は「ポカ」としか形容しようのない原因不明の凡走と、期待に違わぬ強い勝ち方を織り交ぜながらOP入り。京王杯SC3着で重賞に一旦のメドは立てた。ただし、当時の3着以下はあまりメンバーレベルが高くなかったことは注意したい。
初の1200mになるが、どちらかといえば折り合いに苦慮するタイプなので、短縮は不安より楽しみがまさる。アグリとの斤量差2.5キロ、ピューロマジックとは（実質）3.5キロ差。この斤量ならチャンスは大きい。
ジャスティンスカイ
能力評価：★★
得意条件：距離短縮ローテ
苦手条件：集中力に難。同距離を続けると走らない？
臨戦過程：鞍馬Sと函館SSを連戦し、そこから少し空けて中9週
《寸評》
デビューから2000mで3戦して2勝。その後マイルに転じて3連勝した素質馬で、マイラーズCではシュネルマイスターに次ぐ2番人気の支持も受けたが見せ場なく大敗。そこから不振に入った。
マイルでも味がなくなり、鞍馬Sでさらに距離短縮して1200mを使われていきなり勝利。ただしメンバーはかなり手薄だった。函館SSは10着完敗も、内有利馬場で外を回っていた分は酌量できる。
問題は今回で1200m戦も3回目となる点。前々から「集中力が続かない」という趣旨のコメントが出ていて、短縮ローテがマッチする。この距離に慣れればさらに集中できなくなっていくはずで、鞍馬S以上の買い時はもう来ないように思う。なまじリステッドを勝ったせいでハンデ57.5キロもそこそこ重い。見送る。
キタノエクスプレス
能力評価：★★★
得意条件：芝に転向してから連対率100％
臨戦過程：バーデンバーデンCを勝って中6週。特に問題なし
《寸評》
デビューからダートを使い続けて2勝クラスで頭打ちになっていたが、5走前から芝に転向すると2着、2着、2着、1着、1着でOP入り。前走は前後半32.4-34.6の超ハイペースを中団から進め、4コーナーで前の馬を早々と回収し、そのまま差し勢の追い上げを封じる強い内容だった。
芝ではまだ崩れておらず、よくも悪くも長所も弱点もつかめない。ただダート時代に左回りもクリアしているし、特段心配する要素もないのでは。ハンデ55キロなら展開と枠次第で勝負になる。
バースクライ
能力評価：★★★
得意条件：480キロ台が適正体重？
臨戦過程：北九州記念から始動してサマースプリント2戦目
《寸評》
昨夏から3連勝。3勝クラス南総Sは勝ち時計が同日OPのラピスラズリSより0.6秒速く、OPでもやれるメドは立てた。
シルクロードSは自己最高馬体重となる490キロで出走して9着に終わり、そこから10キロ絞ったオーシャンSは枠の利もあったとはいえトウシンマカオから0.2秒差の3着と健闘、休み明け＋12キロで自己最高馬体重を更新した前走は内有利馬場の18番枠も堪えて10着に敗れた。
上記の経緯からして叩き2走目で絞れてくればもう少し走れそうな感じだし、前走の大敗で人気を落とせば妙味も出る。ハンデ54キロも手ごろ。枠順次第で侮れない1頭と見る。
