【函館SS】アサカラキングに懸念事項あり 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

函館SS2024 有力馬の評価

アサカラキング

能力評価:★★★★

得意条件:マイル以下で【4-1-0-0】。短距離合う

臨戦過程:高松宮記念除外からモルガナイトSにスライドして勝利。そこから中8週

《寸評》
以前は中距離で先行して味なく後退するだけのレースが続いていたが、12月に距離をマイルへ詰めると変わり身を見せて勝利。さらに1400mで連勝し、阪急杯タイム差なし2着。さらに短縮した前走は悠々逃げ切った。短いところで才能が開花した。

ただ、阪急杯は開幕週の阪神芝1400mで例年通りインが非常に有利な馬場状態。1~3着はいずれも内ラチ沿い走行であり、ここでの逃げ2着はやや下方修正して解釈する必要がある。前走時も福島芝1200mは平場含めてほとんどイン決着が続いており、最内枠から逃げたらそりゃ勝つでしょ、という条件ではあった。1番人気ならやや疑いの目。もっとも、今回も開幕週の函館で、すんなり逃げれば利は大きそうだが……。

サトノレーヴ

能力評価:★★★★

得意条件:1200mなら連対率100%。洋芝の重馬場でも勝ち鞍

臨戦過程:5歳にしてまだキャリア8戦目。リステッド勝ちから中7週

《寸評》
デビューが3歳4月と遅く、その後も2度の長期休養を挟んでまだキャリア7戦。それでも5勝を挙げ、1200mでは【4-1-0-0】とまだ底を見せていない。

阪急杯は前記の通り、開幕週で1~3着を道中内ラチ沿いにいた馬が占める決着。これを外3から抵抗しての0.4秒差4着、中身は非常に濃い。2着アサカラキングとも(1400mで)実力差はあまりない。春雷Sも着差こそわずかだが、高速馬場の中山芝1200mで4角内から4頭目を押し上げての勝利であり、内容はよかった。重賞でもヒケをとらない。

ビッグシーザー

能力評価:★★★★

得意条件:不明

臨戦過程:高松宮記念から中10週。どうやらサマースプリント照準ではなく、賞金加算してスプリンターズSが目標らしい

《寸評》
2歳~3歳春は相手の手薄なところを使われて7戦4勝。セントウルSでは1番人気に推されたが、それはそもそも過大評価の感。10着に大敗し、続くオパールS、京阪杯も敗れ、一度壁にぶつかった。

しかし年が明けて淀短距離Sを制し、オーシャンSでは4角で他馬と接触する場面もありながら対トウシンマカオ0.2秒差。ここに来て徐々に力をつけつつある。高松宮記念は内を通った馬が軒並み上位進出する馬場でインを利用しての7着なのでさほど褒められるものではないが、ローカルのGⅢなら好勝負可能。

ジャスティンスカイ

能力評価:★★★

得意条件:高速馬場、距離短縮ローテ
苦手条件:「集中力に課題」とのコメントをよく見る

臨戦過程:初の1200mだった前走を勝ち、中4週で続戦

《寸評》
デビューから2000mで3戦して2勝。その後マイルに転じて3連勝した素質馬で、マイラーズCではシュネルマイスターに次ぐ2番人気の支持も受けたが見せ場なく大敗。そこから不振に入った。

マイルでも味がなくなり、前走でさらに距離短縮して1200mを使われ、いきなり勝利。ただし鞍馬Sのメンバーレベルがかなり低調だったことは念頭に置くべし。また、前々から「集中力が続かない」という趣旨のコメントがたびたび出ていて、短縮ローテがマッチする馬。“劇薬”の400m短縮をしてしまった以上、この距離もじきに集中できなくなっていくのでは。買い時は前走だったように思う。

ゾンニッヒ

能力評価:★★★

得意条件:小回り
苦手条件:使える脚が短く、乗り方に制約

臨戦過程:モルガナイトSから中7週。ひと月在厩で乗り込まれて態勢整う

《寸評》
昨年の京王杯SCあたりが象徴的だが、手応えの割に使える脚が一瞬だけ。直線の短い1200m戦がもっとも適した条件。実際、マイル以上を使っていたころも含めて勝ち鞍は小倉、中山、函館と直線が短い競馬場に集中している。

淀短距離Sでビッグシーザーに0.5秒差つけられたこともあり、重賞で勝ち切るとなるとやや分が悪い感も。ただ、前走はイン有利馬場の外枠から大外進出する不利な立ち回りで、逃げたアサカラキングと0.5秒差。筋として「次走で狙いたい」と思わせたのはこちらだった。函館芝1200mはベスト条件でもある。魅力的な1頭。

ウイングレイテスト

能力評価:★★★★★

苦手条件:中9週以上【0-1-0-6】。休み明けは?

臨戦過程:サウジ遠征から中14週。理想はひと叩きしてからのタイプで

《寸評》
2歳時から松岡騎手の評価が高く、デイリー杯2歳S2着、NZT3着など重賞でも善戦していた。その後は3勝クラスで長らく足踏みするも、5歳10月にしてようやくOP入り。昨秋からブリンカーを着用するようになり、京成杯AH2着からスワンSを制した。

京成杯AHはソウルラッシュとのクビ差。スワンSはウインマーベルやグレナディアガーズ、ロータスランドといった1400mのGⅡ級が集まった好メンバーを破って1:19.9の好時計。8着に敗れた阪神Cも0.3秒差で、メンバーレベル、不利な17番枠、テン33.1秒の超ハイペースを逃げたことなどを加味すれば上々の内容だった。単純な能力比較では断トツの存在と言える。

ただし懸念材料も多い。1200mが初めてで、斤量は他馬より2キロ重い59キロ。そもそも休み明けはあまり走らない馬でもある。そのあたりを能力でカバーできるかが焦点。

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