北九州記念2025の概要
開催日
2025年7月6日(日)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
小倉芝1200m
概要と歴史
サマースプリントシリーズの第2戦にあたる夏の短距離ハンデ重賞。1966年の創設当初は芝2000mが舞台で、第4回からは長らく1800mで施行されていた。中距離戦としての最終年だった2005年にはメイショウカイドウが優勝。この年のメイショウカイドウは小倉大賞典、北九州記念、小倉記念をいずれも制し「小倉三冠」を達成した。北九州記念が1200mに変更されたことで、今後この記録を達成する馬はまず現れないだろう。
2006年からは8月中旬の1200m戦として確立していたが、昨年は変則開催に伴う中京と小倉の時期入れ替えがあって6月30日に施行。そして今年から恒常的に小倉→中京の開催順となり、このレースも6月末~7月上旬に引っ越す。
北九州記念2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬22頭
アスクワンタイム
アブキールベイ
エイシンワンド
オタルエバー
カリボール
キタノエクスプレス
クラスペディア
ショウナンハクラク
シロン
スリーアイランド
タマモブラックタイ
ドロップオブライト
バースクライ
ミルトクレイモー
メイショウソラフネ
モズメイメイ
ヤマニンアルリフラ
ヤマニンアンフィル
ヨシノイースター
レッドヒルシューズ
ロードフォアエース
ロードベイリーフ
北九州記念の基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV
人気と配当の傾向

ハンデ戦らしく波乱の目立つレース。この10年間で1番人気は勝利がない。10年どころか、1番人気が最後に勝ったのは2008年のスリープレスナイト。1200m戦になってからはこれが唯一の勝利だ。
2022年には16番人気のボンボヤージが大穴を開けた。軽ハンデ馬や小倉実績のある伏兵には要注意だ。
平均馬連配当は9220円。最高馬連配当は4万6190円(22年ボンボヤージ→タイセイビジョン)、最低馬連配当は920円(15年ベルカント→ビッグアーサー)。
枠順と脚質の傾向

施行時期が変わるのであくまで参考記録だが、枠順と脚質の傾向も一応見る。1枠の単回収率が異常に高いのは前記ボンボヤージの影響。複勝率ベースだと外枠がやや優勢で、複回収率を基準にすれば互角。ただし今年は開幕から2週目が舞台。これまでよりインが有利になる可能性はある。

開催終盤で差しがポンポン届くイメージもあったのだが、意外にも4角5番手以内馬が好走率、回収率ともに圧倒的だった。昨年はピューロマジックが前半3F32.3秒で飛ばしても4角1-2-5番手の決着。ハイペース耐性のある先行馬がいい。
前走について
前走別データも参考程度にチェックしていこう。
前走3勝クラス組は【1-1-0-12】とやや苦戦。そこで3番人気以下だった馬は【0-0-0-9】とさっぱり振るわない。ハンデ戦だが、意外に昇級馬が走れていない。
OP・リステッド組は【2-3-3-49】複勝率14.0%と全体では低調だが、3着以内馬に限れば【1-3-3-13】同35.0%、単回108%、複回104%とそこそこ買える数字になる。
出走馬の大半を占めていたGⅢ組は【7-5-5-66】で、大半はCBC賞やアイビスSDから続戦というパターン。今の日程だとそれがなくなるわけで、時期変更で最も影響を受けるデータと言える。なんとも参考にできない。
GⅡ組【0-0-0-5】で、GⅠ組【0-1-2-9】。具体的には高松宮記念組が【0-1-2-6】複回収率283%。この回収率は昨年16番人気3着のモズメイメイが跳ね上げただけだが、GⅠ組はそこで大敗した馬も侮れない、とは意識しておきたい。
北九州記念2025の参考レース
参考レース① 高松宮記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:外有利(3~4角向かい風影響あり)
展開:ミドル~ややスロー
→土日通じて直線は外の伸びが目立つ馬場。また、3~4角向かい方向に7mの風が吹いていたらしく、その負荷もあって先行勢は余計に厳しかった。ペースは前後半33.8-34.1でGⅠにしてはやや緩いくらいだが、外を通った差し馬が恵まれたレースと評価する。
8着ドロップオブライト【差は感じる】
外枠からトラックバイアスに順行する中団外目追走。ママコチャの後ろで直線に向いたが、そこからの加速で上位勢には差を見せつけられた。とはいえGⅠでこの着順ならやはり中京は得意。
13着モズメイメイ【力不足】
スタートから積極的に促して先行し、内から2車線目を通して直線に向いたが、全く伸びずに最後は後退した。ここでは力が足りない。
15着キタノエクスプレス【上手に乗ったが】
道中はじっくりと脚を溜め、4角の出口から伸びる大外へ持ち出す好騎乗。それでも伸びず完敗だった。GⅠでは能力的に厳しかった。
参考レース② 葵S
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:不明
展開:実質ややスロー
→直線は内を避けてのレースが繰り広げられた1日。しかし人気薄の逃げ切りやイン突きが決まるレースもあって、必ずしもインがダメでもなさそう。カオス。クラスペディアが強気に逃げて前後半33.5-34.8はやや速いが、縦長馬群の5番手以下は34.5-33.8とむしろ後傾。上がり5位以内を出した差し追い込み勢が掲示板にも届いておらず、前目にいなければチャンスがなかったレースと評価する。
1着アブキールベイ【評価難しい】
結果的にギリギリ射程圏内だった6番手を追走。直線は馬場の真ん中で鋭く脚を伸ばし、ゴール寸前で2着馬を差し切った。ただ、馬場も展開も特殊だっただけに評価は難しい。
2着クラスペディア【逃げ粘る】
馬群に入ってチグハグだった前走を踏まえてか、今回はしっかり主張してハナを取り切った。自身はやや前傾ペースだが、後続がゆっくり構えすぎていて展開にはだいぶ恵まれた。距離は1200mがベスト。
参考レース③ 春雷S
トラックバイアス:やや外有利
展開:ミドル
→NZT翌日。この週の中山芝は9鞍行われて逃げ馬の馬券絡みがなく、やや外伸びのバイアスを示した。前後半33.5-34.5はこのコースの古馬OPとしては特段速くも遅くもなし。外目を通った馬がやや恵まれたレースと評価する。
1着ヨシノイースター【完勝】
たまにゲートをやらかす馬だが、今日はしっかり出て外3へ。直線は外目にいた分の利もあったが、追い比べをあっさり抜け出して完勝。単独トップハンデの57.5キロでも力の違いを見せた。
2着ロードフォアエース【好発から先行するも】
好スタートから労せず外2をとったが、終始ヨシノイースターからピッタリとマークされる形。直線の伸びで見劣り、最後は失速しながらカラくも2着を確保した。安定して先行できるスピード、馬場不問の対応力は立派だが、能力的にやや底が見えてきた感も。
5着ショウナンハクラク【得意な馬場で】
枠なりに中団内目を追走し、4角4番手でいざ直線。際立った伸びはないが、徐々に前との差を詰めつつ0.3秒差で入線した。稍重だった昨年の北九州記念で上がり最速5着があるように、少し渋った馬場は得意な模様。
7着カリボール【ラストは目立つ】
後方追走から4角も外を回し、直線もそのまま外を追い込む形。射程圏外だった印象はあるが、ゴール前はそれなりに目立つ脚を使えた。
9着ミルトクレイモー【流れ込む】
スタートから出して行っても6番手までで、道中の追走にも余裕がなかった。そのまま流れ込むだけの9着。OPに上がってから先行できるでもなく、末脚が使えるでもなく、決め手を欠く競馬が続いている。