阪神大賞典2025の概要
開催日
2025年3月23日(日)
グレード
GⅡ・4歳以上
コース
阪神芝3000m
概要と歴史
創設は1953年。当初は2000mの重賞だったが、1974年から現行の芝3000mに定着。その後1987年からは天皇賞(春)の前哨戦として時期が変更され、今ではすっかりおなじみのステップレースとなった。1着馬には天皇賞(春)の優先出走権が与えられる。
「日本一堅い重賞」という異名もつくほどで、波乱はなかなか起こらない。前年のクラシックやGⅠ戦線で活躍した実績馬が出走して順当に勝つシーンが多い。1995年には単勝元返しのナリタブライアン→2番人気ハギノリアルキングで馬連150円(マヤノトップガンとのマッチレースはその翌年)、2000年はテイエムオペラオー、ラスカルスズカ、ナリタトップロードの3強決着でワイド3通り全て元返しという出来事もあった。
以降も2006年のディープインパクト圧勝、2012年オルフェーヴル逸走からの2着、2013~2015年はゴールドシップが3連覇など、一介のGⅡとは思えないほど名シーンに富んだ重賞である。
阪神大賞典2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬11頭
ウィープディライト
ウインエアフォルク
コパノサントス
ゴールデンスナップ
サンライズアース
ショウナンラプンタ
ブローザホーン
マコトヴェリーキー
リンフレスカンテ
ワープスピード
ヴェローチェエラ
阪神大賞典の基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向

1番人気【5-1-2-2】はさすがの安定感で、以下3番人気までで全10勝を占める。回収率的にも1-3番人気で単回124%、複回123%なので、無理にひねらず人気馬を信頼するのが吉。連対馬は全て7番人気以内だった。
平均馬連配当は1635円。最高馬連配当は3720円(20年ユーキャンスマイル→トーセンカンビーナ)、最低馬連配当は140円(17年サトノダイヤモンド→シュヴァルグラン)。
ちなみにこの140円はJRA重賞史上4位の記録。1-3位はいずれも130円(07年チューリップ賞・ウオッカ→ダイワスカーレット、18年中山GJ・オジュウチョウサン→アップトゥデイト、19年神戸新聞杯・サートゥルナーリア→ヴェロックス)だった。
枠順と脚質の傾向

1-2枠が未勝利で、7-8枠が合計6勝。ただ複勝率ベースで見るとどの枠も20~30%の範囲に収まっており、枠順の有利不利は大きくない。能力通りに決まりやすい。

脚質別に見ると4角5番手以内の馬が全勝だが、「前が有利」というより「4角までに勝負はつく」という表現が妥当。実際「初角の通過順」でいえば5番手以内【3-2-5-44】複勝率18.5%、同6番手以下【7-8-5-44】複勝率31.3%と完全に逆転する。能力のある馬が序盤ゆっくり入り、2周目4角までに進出してそのまま上位入線する。そんなイメージだ。
前走について
前走が条件戦~リステッドだった馬は【0-2-1-28】。全体的に“格下”の馬は苦戦を強いられている。
好走の大半を占める重賞組【10-8-9-57】はレース別にチェック。最も成績がいいのは有馬記念組【4-5-2-6】複勝率64.7%で、2桁着順からの反撃もある。最優先にマークだ。ジャパンC組も【1-0-1-2】で、総じて格高GⅠで戦ってきた勢力は強さを見せる。
ダイヤモンドS組は【1-2-2-14】と悪くない。4着以内【1-2-2-4】複勝率55.6%、複回収率385%で同5着以下【0-0-0-10】と明暗が分かれている。上位馬だけ警戒しよう。
反対に、AJCCや中山金杯といった中距離重賞で大敗した馬からはゴールドシップ、ディープボンドが一気に着順を上げて勝利した。長距離実績馬が距離不足の2000~2200mで負けてきたケースはむしろ妙味ありだ。
阪神大賞典2025の参考レース
参考レース① 有馬記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや外有利
展開:スローぺースだが早仕掛け
→この日の中山芝は有馬までに5戦行われ、マイル新馬を除く4戦で7-8枠が勝利。外からの押し上げが利くトラックバイアスだった。前後半62.8-57.9なので全体としてはスローだが、残り1000mから(風もあるとはいえ)11.3-11.4とペースアップが早く、そして急激過ぎた。中団で仕掛けを待ち、直線は外に出した差し馬が恵まれたレースと見る。
12着ブローザホーンはスタートから促していったが先行できず、馬群の中で折り合いを欠きながらのレースになった。2周目の3~4コーナーでピッチが上がるとついていけず、見せ場なく12着大敗。結局、秋シーズンは何かがおかしくなったまま復調できずに終わった。
参考レース② 日経新春杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:超ハイペース
→中京芝はだいたい内から2~4頭目を通った馬が伸びているが、決定的なバイアスではない。メイショウタバルが暴走して1000m通過57.7秒の超ハイペース。その後も落ち着くどころか11.2-11.4と踏んで1400mが1:20.3だった。前は厳しく、とにかく消耗を避けた差し馬が有利な競馬だったと評価する。
2着ショウナンラプンタは後方3番手で脚を溜めてシンプルな外差し。鈍った馬を回収してG前で2着に浮上した。展開が向いたもので特に評価は上がらない。
4着ヴェローチェエラも後方待機で展開が向いた1頭。前のマイネルエンペラーを差せず、後ろからショウナンラプンタに差されて完敗。4角は外に膨れており、左回りに対応できなかった部分も。右回りがベターか。
16着サンライズアースは先行して1000m通過は推定58秒台中盤。しかも1角、2角、向正面とずっと鞍上が促していた。いくらスタミナがあるといっても、これでは脚が溜まるわけもなく、スタートからメリハリなく一生懸命走って終わっただけ。話にならない競馬。次走注リスト入り。
参考レース③ 京都記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや内有利
展開:スローペース
→稍重でスタートした京都芝は乾き際。8レースと9レースはどちらも4角最内組のワンツースリーになるなど、若干イン有利の傾向が見られた。レースは1000m通過62.9秒と古馬GⅡにしてはかなり遅い流れ。残り4Fからのコーナー急加速戦となった。内前有利な一戦だったと評価する。
3着マコトヴェリーキーはハイペースの2000mを経験してきた後とあって、今回はスタートから全くの馬なりで外3に付けた。3~4角中間でチェルヴィニアの動きに呼応してピッチを上げ、4角ではセイウンハーデスに寄られて外に膨れる不利あり。それでも直線はステッキに反応して再加速しており、インベタだったリビアングラス、バビットとの比較ではこちらを上と評価する。