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【小倉2歳S】能力感じるレイピア、エイシンワンド 有力馬の調査レポート

小倉2歳S2024 上位人気想定馬の評価

※エコロジークは回避(カンナS?)濃厚とみて外しています。

エンドレスサマー

能力評価:★★★

得意条件:不明

臨戦過程:函館でデビュー勝ち→中1週で重賞に挑戦し、中6週空けて中京遠征

《寸評》
新馬戦は好スタートから前半34.8秒のゆったりとした逃げに持ち込み、直線で後続を突き放して上がり最速、5馬身差で勝った。勝ち時計は同日の未勝利戦より速く、2着馬もその後勝ち上がり。展開に恵まれた面もあるが、いい勝ちっぷりだった。

函館2歳Sは最終週ながらイン有利のトラックバイアスがあった中、最内枠からインの3番手を追走。直線は逃げ馬を捕らえきれず、サトノカルナバルには差されて3着まで。上手く立ち回った上での完敗だった。

今回は関西輸送で初の左回り、坂ありコース。例年と違って小倉まで輸送しなくていいのは救いだが、引き換えにコース形態はがらりと変わる。また先行馬多数のため、前に行く形だと展開的な不利もあるだろう。どこまで粘れるか。

レイピア

能力評価:★★★★

得意条件:1200m
苦手条件:初戦は折り合い欠いた。スローは?

臨戦過程:6月初週の新馬2着から続戦して小倉で勝ち上がり。中8週

《寸評》
母母クーヴェルチュールはキーンランドC勝ち馬で、1200m戦で全5勝、アイビスSD3着のある典型的なスプリンター。母アンナトルテも唯一の勝ち鞍は芝1200m。そこにスプリントGⅠ馬・タワーオブロンドンを配合した。スピードは豊富に出たが、距離は1200mで上限一杯だろう。

1400mのデビュー戦は前後半35.9-35.2のスローペースだったこともあり、道中引っかかるシーンがあった。直線に向いてから進路を確保して脚を伸ばすも、ラスト11.7-11.5と前も止まらず2着まで。そもそも距離も合っていなかったと思われ、あえて遅い流れで控える経験を教え込んだ点は好印象。

2戦目は1200mに転じて、スピードを遺憾なく開放。ほぼ馬なりでテン33.4秒の逃げを打ち、直線も余力十分に上がり最速をマークして押し切った。着差以上に余裕があり、勝ち時計1:08.2は同日3歳未勝利や古馬1勝クラスよりも速かった。短距離なら重賞戦線で出世していきそうな馬。楽しみ。

アーリントンロウ

能力評価:★★★

得意条件:不明

臨戦過程:6月下旬の京都デビューから中4週新潟遠征→中4週で3戦目。1距離短縮

《寸評》
サマーセールでノーザンFが買ってきてシルク募集した馬。こちらもタワーオブロンドン産駒。新馬戦は宝塚記念週の外有利馬場に便乗したとはいえ、前後半37.3-34.1のドスロー、ラスト11.5-11.2の加速ラップに追い込んできた点で注目に値する。

2戦目は新潟芝1400mに転戦すると、スタートが決まって逃げを打った。後続を引き付けたまま直線に向き、そこからリードを広げて押し切った。勝ち時計1:20.6は2歳レコード。同週に他二つもレコードが出た高速馬場だったことに留意したいが、一定以上の能力を持っているのは確か。左回り経験済み、差しに回していい脚が使えるのも分かっていて、堅実に走ってきそう。

ジャスパーディビネ

能力評価:★★

得意条件:不明

臨戦過程:新潟開幕週の新馬戦を逃げ切って中4週。距離短縮

《寸評》
ジャスパークローネと同じ米国産馬、森厩舎ー加藤和夫氏ラインのFrosted産駒。

初戦は新潟開幕週の芝1400mで最内枠から逃げを打ち、そのまま逃げ切った。前後半34.5-35.2は決して速いペースではなく、勝ち時計1:21.9は前述の同週アーリントンロウより1.3秒遅い時計。トラックバイアスにも恵まれての勝利で、内容的な強調点に乏しい。重賞だと苦戦するだろう。

エイシンワンド

能力評価:★★★★

得意条件:不明

臨戦過程:同コースの新馬戦を勝って中2週

《寸評》
今回と同じ中京芝1200mでデビュー。五分のスタートから軽く促して外2を確保した。最初は少し行きたがったが、3角くらいで収まりがついてその後は手応えよく追走。直線は「いつでもかわせる」と言わんばかりに仕掛けを遅らせ、意外と逃げ馬に抵抗されたものの、見せムチと軽いステッキ一発で先頭に立ち、最後は流して1.1/4馬身差を付けた。

前後半35.5-33.7のスローペースで時計は出なかったが、ラスト11.0-11.2は優秀なラップ。当コースの2歳戦で上がり2F22.2秒は史上最速タイであった。重賞のペースで脚が溜まるかは未知だが、能力は高い。コース経験があるのも強み。有力視。

タマモティーカップ

能力評価:★★

得意条件:不明

臨戦過程:小倉での新馬勝ちから中7週。初戦時もそうだったが、CWで好ラップ連発

《寸評》
母母にタマモが誇る名牝・ホットプレイを持つ血統で、近親にはタマモベストプレイ、タマモホットプレイ、タマモナイスプレイが、きょうだいにはタマモダイジョッキなどがいる。

新馬戦は6頭立ての少頭数で行われ、ややモサっとしたスタートから促して外の3番手へ。直線は外から脚を伸ばし、ラスト12.0と前が力尽きたところをなんとか差し切った。

2着馬も次走きっちり勝ち上がっているし、勝ち時計1:09.2も悪くない。しかし今回のメンバーなら同コースで1:08.2をマークしたレイピアがいるわけで、そこを逆転しそうな根拠も見当たらない。枠や展開の助けがあってどうか、というくらい。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。