能力評価:★★★★★
得意条件:軽い馬場
苦手条件:道悪に若干の不安
臨戦過程:ドバイ遠征から中11週でシーズン2戦目
《寸評》
イクイノックス、リバティアイランド、スターズオンアース、タイトルホルダーらが揃った昨年ジャパンCは(7着くらいまでは)近年屈指のハイレベル戦で、そこでの4着は高評価。有馬記念もレースレベルが高く、今回1番人気になるのも妥当だろう。前走ドバイターフは出遅れ、内で進路取りに苦慮したまま終わる不完全燃焼であり、敗戦は参考外とできる。
地力はもちろん最高クラスの評価になるが、懸念事項が2つ。ひとつは宝塚記念というレース自体、ドバイ遠征組は総じて苦戦すること。過去20年で単回16%、複回37%はかなり寂しい。もうひとつは週末の雨予報。日本の道悪は未出走ながら、基本的に高速馬場巧者で、3歳時フランスでからっきしだった。馬場が渋るのはマイナスだろう。
能力評価:★★★★★
得意条件:本質的には消耗戦向き
臨戦過程:こちらもドバイ遠征から中11週の春2戦目
《寸評》
こちらもハイレベルだった有馬記念で1番人気、0.3秒差の4着に入った実力馬で、イクイノックスが引退した今は現役トップクラスに数えられる。ドバイシーマクラシックは1000m通過が推定63秒くらいのドスローで、にもかかわらず先頭から離れていた4番手以下は大失敗。前でレベルスロマンスとシャフリヤールが残り、リバティアイランドだけ力で無理やり突っ込んできた、という決着だった。4番手にいたジャスティンパレスはキレ負け。これはあまり悲観しなくていい。
ただ、3歳時に遡れば中京芝2200mで前崩れになった神戸新聞杯を3馬身半差勝ち、ほか菊花賞、天皇賞(春)を制してハイペースの宝塚記念&天皇賞(秋)を連続好走など、本質的には消耗戦が得意。今回もスロー濃厚なメンバー構成であり、良馬場だとよさが出ないおそれはある。ドバイ遠征組の不振は当然、こちらにも言えること。全幅の信頼はどうか。
能力評価:★★★★
苦手条件:折り合い難しく、2200mは気持ち長い?
臨戦過程:一貫して間隔を取りながら使われ、今回も大阪杯から中11週
《寸評》
昨年オールカマーでは相手が(仕上がり途上とはいえ)タイトルホルダー、ゼッフィーロ、ジェラルディーナ、ガイアフォースといったGⅠ~GⅡ級の面々。そこを撃破してGⅠでもやっていけるメドを立てた。香港Cは調整失敗と展開不利でノーカウント。
大阪杯は2着だが、まずメンバーレベルがあまり高くなかったことには留意すべし。序盤から終始行きたがって、向正面でたまらず進出。後半1000m11.5-11.5-11.4-11.4-12.2の早仕掛け消耗戦でもバテなかったことは高評価に値するが、折り合い不安を露呈したともいえる。スロー想定の2200mに替わり、制御の難しい一戦になると予想される。
能力評価:★★★★
得意条件:馬場、展開問わず堅実だが、理想は2000mか
臨戦過程:大阪杯から中11週。休み明けを苦にする馬ではなく、1週前に好時計マーク
《寸評》
2歳時からスローの瞬発力勝負、重馬場、高速馬場の持続力勝負など様々な競馬を経験し、そしてこなしてきた。非常にレースセンスが高い。3走前チャレンジCはGⅢ~GⅡの「番人」と化しているボッケリーニを破り、京都記念2着はプラダリアの得意な条件でわずかに後れをとっただけ。大阪杯は外2を瞬時に確保した和生騎手の好プレーにも助けられて勝利した。
今年の大阪杯はドバイに主力が流出したことでレースレベルがせいぜいスーパーGⅡくらいだと考えていて、勝ち方も含めて高い評価は与えられない。ただ、逃げ馬が1頭もいない今回もまた、先行策で展開利が見込める。それを生かしてどこまでやれるか。
能力評価:★★
得意条件:消耗戦、長距離戦
苦手条件:良馬場の中距離戦は?
臨戦過程:1月の日経新春杯から始動してシーズン4戦目。距離短縮カギに
《寸評》
デビューからの全6勝はいずれもレース上がり35.4秒以上。消耗戦に強い道悪巧者。ちなみに良馬場の2200m以下は【0-1-2-3】で1勝クラス2着までの実績しかない。
日経新春杯はトラックバイアスに逆行する外進出で勝ったが、相手関係が現在大苦戦中の4歳牡馬ばかりで非常に低調だった。阪神大賞典→天皇賞(春)も層が厚い中距離路線に比べるとメンバーが手薄だった感は否めない。自身にとっても1000m短縮はよろしくない。基本的には軽視で、しこたま雨が降れば一考。
能力評価:★★★★★
得意条件:去勢で操縦性増し、現状弱点は特になし?
臨戦過程:去勢手術明けから3連勝して今期4戦目。中4週以下で3戦3勝、間隔詰まるのは問題なし
《寸評》
伝説の始まりは3歳8月の未勝利戦。馬場が荒れた新潟内回り2000m、4角11番手から大外一気に前をかわし去り、ラストは流して11.9-11.3の強烈な加速ラップを叩き出しつつ5馬身差で圧勝した。次走をスロー前残りに泣いて取りこぼした後、続く1勝クラスはスローの後方で揉まれながら、前が空くと瞬時に突き抜けて3馬身差勝ち。この2勝をもって「これは将来すごいんじゃないか」とマークし、以降このブログでもたびたびコスり続けている愛馬。
以前はエンジンがかかると鋭い反面、そこまでに器用さを欠くマリオカートのクッパみたいなイメージの馬だったが、去勢を経て操縦性もアップ。ジャパンCなんちゃら記念が2:23.6、自身の上がり33.2秒のハイパフォーマンスで、初の右回り中山を懸念した日経賞であっさり重賞初制覇。目黒記念も単なるスローの前残りになってしまうところを、上がり32.9秒の豪脚で無理やり解決した。ハンデ58.5キロを背負ってソレ。強いです。
ややメンバー手薄だった大阪杯組とはシンプルに能力比較で優位に立てるだろうし、ドバイからの2頭よりは体調面でアドバンテージがあるはず。鞍上もダミアン・レーンを配して不足なし。千載一遇のGⅠチャンス。ただ、後方から行くタイプで展開的な不利はあるか。